フレシネスパークリングワイン
泥にまみれてはいるが、なかなかの味わいなんよ
師走の風物詩と言えるのかどうか、12月に入ったとたんにお歳暮という贈り物が届けられる。
第1便が届いたところで急にこちらも対応に追われる始める。12月特有の、お尻を突っつかれるような慌ただしさを肌で感じることになる。
毎年のことながらこちらからのお届け物は、地元特産の「いわくにレンコン」と決めている。まさに今が旬の美味しさを誇っている。
このレンコンは、キツネやタヌキ以上に化けるのが上手な食材ではある。新巻鮭に化けたり、瀬戸内のカキに化けたり、出来立ての黒大豆や小豆に化けて我が家の食卓を潤してくれる。
中には、新聞紙にくるんだ泥付きレンコンが、訪ね先の玄関を入ったら間もなく「フレシネ スパークリングワイン」に変身という、こんな素敵な化け方もしてみせる。
フレシネとは、スペイン・カタルーニャ州バルセロナに拠点を置くカバ(スパークリングワイン)である。とネットで知った。
単に飲み物や食べ物に化けるだけではない。遙か北陸に住まわれる恩師との電話のやりとりで、生の声の橋渡しもしてくれる器用さも持ち合わせるレンコンさんである。娘の嫁ぎ先のご両親とも、遠くに住む妹夫婦とも久しぶりの声のつながりを演出してくれる。
クリスマスにも正月にもまだまだ間があるが、せっかくの心づくしだ。師走の味を温かく賞味させて頂くとしよう。