かれこれ2年半になろうか。手に、ポケットにすっかり馴染んでいたスマホ。計り知れない多くの情報を提供してくれる窓口となってくれた古いスマホ。
感謝の気持ちはあふれるが、このところ色んな反応がゆっくり過ぎてイラっとすることもしばしば。バッテリー消耗の速さなど、経年劣化は如何ともしがたく、型の古さも気がかりになって、ついに機種変更に踏み切った。
次々に新しく出される機種を追いかける柄じゃないし、それほどの稼ぎもない。まして、古くなったから捨てるなどという贅沢志向とは真逆。使いこなして手元に長く置いた物には深い情を示すタイプだと思っている。たとえ使えなくなってもいざ捨てるとなると、そこに込められた色んな背景が頭に浮かんだりする。ちょっとした自分史の断片を見る思いと重なるものがあるからなのかも。
たまに里帰りする3才の姫孫が、母親のスマホを指一本で操って、思い出の写真や大好きな動画を引っ張り出しては見せてくれる。そんな仕草を見ていたら、やっぱり機種がいいと性能もいいのだ、と自分の腕の悪さや使いこなせない能力不足を棚に上げて、ただ新しいものに手を出してみたくなるだけのこと。別に、一つ年を重ねたお祝いなどと言うわけではないのだ。
今までのものと比べると、薄型で背が高くて、まさにその名の通りスマートだ。せっかく新しくしたのだから、それとなく人目につくように前に突き出して使ってみようかな。「あれ、スマホ替えたの?」なんて気付いてくれるような繊細な友も少なくなったね~、と嘆くに違いない。
でも、新しいおもちゃを買ってもらった子供が、喜びにウキウキする気持ちに似ているような今の気分ではある。