広島県山県郡の山の中で「天然記念物 テングシデ群落」という看板が目に入った。
我が家からは、高速道で2時間あまりの遠隔地であり、度々くることもないだろうということで、何はともあれカーナビを頼りに訪ねてみた
先ずは「テングシデ」とはなんぞや。
カバノキ科、イヌシデの変種なのだそうで、この曲がりくねった枝に『天狗がきてとまる』との言い伝えがあることから、テングシデと呼ぶようになった。
この周辺にはイヌシデの他にクマシデなども生育している。とパンフに書かれている。
次いで「シデ」と呼ばれる所以は。
注連縄(しめなわ)や玉串に垂らす御幣ともいう紙のことで、この木の花穂がこれに似ていることからシデと名付けられたようだ。
花穂の見頃は、木々の新緑が芽吹く4月下旬がお勧めとのこと。
日本全国至る所に、ご神木とか神様の宿る岩や山など、自然を崇拝する意識は根強く残されている。
それらが、生まれ育った土地のシンボルとして気持ちの中に残され、折に触れ「ふる里祭り」などとして生れ故郷を思い起こさせるイベントとして引き継がれていくようである。
どんなに廃れても生れ育ったふる里はそこに残されている。たまに訪ねてみる価値はあると思う。何よりも、深く大きく深呼吸できる青くて清い里の空気が残されている。