「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「アタシはモデル」

2014年11月29日 | つれづれ噺

                    

   

「オーイ!野菜ができたぞ~、食べるか~」 くだんの有難い同級生からの電話。
「家まで持っていこうか・・・」「畏れ多いこと、オレがもらいに行くよ」「それじゃ、中間のあの場所で会おう」
話は決まり、すっ飛んでクルマを走らせる。

大きく、しっかり巻いたハクサイ、長い普通のダイコンに聖護院という丸いダイコン。丸々肥ったカブ、そしてもぎたてユズを軽トラに積んで。
おまけに、「今もらったシシ肉もやるよ」と。血液検査済み安全保障付きのイノシシの肉塊までもらった。
待ち合わせ場所にある自販機で、熱い缶コーヒー飲みながらしばし立ち話。
「また家にゆっくり遊びに行くよ」というと「山や畑で遊びよるからいつでもおいで」と。

わが家でも一応、丸ダイコンもカブも植えてはいるのだが・・・土が悪いのか手入れが間に合わないのか、葉っぱばかり伸びて根っこは小さい。
「いつになったら食べられるんじゃろうか」心配していた。なんのことはない、大量生産者から軽トラでどっさり。
「娘やらお姉さんたちにもあげりゃいいよ」と、親せきの分まで心配してくれる。足を向けては寝られない友。有難きかな。

そんなダイコンの中に1本。作ろうにも作れはしない芸術的?な逸品が混じっていた。
おそらく、孫に見せて喜ばせようという、友の気配りだったに違いない。被写体としても申し分ない「モデルさん」である。
ポーズをとらせたり、化粧を施したり・・・。孫に見せる前にジジがしっかり遊んでしまった。

さかさまにしたら、白く燃え上がる炎(ほのお)に見える。花瓶に挿せば、どんなきれいな花にも見劣りしない存在感がある。
お化粧してやったら、これから始まる忘年会シーズンのタコ踊り余興にも見える。
裏側に淑女の顔を描くと、ちょっとはにかんだ女性が、大きく脚を組んだ姿にも見える。

畑の土に埋もれた世界で何が起こったのか知らないが、こんな珍しいダイコンも出来ることがあるということ。
それも全く意図しない偶然の世界というのが何とも面白い。
ハクサイやダイコンの美味しさ、シシ肉の珍しさと歯応えあるうまさに、感謝しながら囲む夕餉ではあるが、楽しく遊ばせてくれた傑作ダイコンにも感謝である。

それよりも何よりも、自前の新鮮野菜をさりげなく届けてくれる友の優しさ。どんな感謝の仕方があるのか、考えてみたい。
秋の終わりから冬にかけて降る雨を「しぐれ(時雨)」といって、気持ちも身体も冷やす雨と言われるが、そんな時雨の時季にこれほど温かい気持ちにさせられる倖せ。やはり、足を向けて寝たらバチガ当たりそう。

 

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
takeko さん (yattaro-)
2014-11-30 21:40:53
なかなかのモデルさんでしょ。
どうやって記念に残そうか考えたんよ。
楽しい表情だったでしょ。
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阿貴 さん (yattaro-)
2014-11-30 21:39:05
これほど珍しくも可愛い姿のダイコンさん。
あれこれイタズラするには楽しい瞬間でした。
孫たちも大笑いしていました。
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ピヨピヨ さん (yattaro-)
2014-11-30 21:36:32
自然のいたずらというか、土の中の葛藤というか・・・。
面白い姿形を見せてくれるものです。
こうして散々遊ばしてもらった後、形はどうであれダイコンはダイコンです。
また何かに形を変えて、お腹を満たしてくれるのでしょう。
それにしても、足を向けられない方向が多くて・・・。
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いいモデルじゃー (takeko)
2014-11-30 02:47:17
そういう素質ももっとるんじゃー、あっぱれ、あっぱれ。
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心遣い (阿貴)
2014-11-29 22:01:32
こんばんは。

傑作傑作!
いろいろなことを考えながらしばし興じられたご様子に、思わず笑みがこぼれます。


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珍しいですね (ピヨピヨ)
2014-11-29 21:41:48
モデルを活かすも殺すもプロデュース次第と言ったところで上等な腕前を発揮されていらっしゃいますね。
ときたま、珍しい成長をした野菜が新聞に載っていたりしますが、手書きでモデルさんに仕立てたのもお見せしたいくらいです。
我が家も最近新鮮な野菜を沢山いただくことがありますが、他の何をいただくよりありがたく重宝しています。
本当に、足を向けて眠たら罰があたりますね。
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