雨の日の翌日は、西高東低の冬型の気圧配置になり、時折り強い風が吹き雨も降る。
朝から、Aコープ出荷用の野菜を採っていると急遽「越後の台所 すずきち」のマスターから注文が入る。
帰宅して、スベルべママを伴い再び山の畑に行き野菜を収穫し、帰って洗いながらマスターを待つ。
正午少し前に到着したマスターの車に山ほどの新鮮野菜を積んで昼食。
その後少し休んで「山に行って来るよ」と宣言し、目当ての場所をめがけて出発した。
行きたくて仕方無かったスベルべの穴場には、人の入った形跡は無く、山芋の蔓が目に入る。
藪の中で目を凝らすと、やがて山芋の蔓が見つかります。
こんな風に、地表に近い部分が細く、樹上に絡みついた部分が太く、そして広く繁った山芋は大物の証拠。
なおも周囲に目を凝らすと、とんでもない僥倖に遭遇。
なんと、立派な蔓が三本並んで生えているではありませんか。
ほら、念のために言っておくけれど、こんな風に右回りに絡みつくのが山芋ですよ。
いくら、立派な蔓に見えても左回りに絡みつくのは苦い「トコロ」ですからね。
ちなみに、この山芋の蔓が絡み付いているのは枯れつつある山独活。
いわゆる「独活の大木」で役に立たない大柄な男などに冠せられるものですよ(笑)。
こんなに「独活の大木」が多いと言う事は山独活も多く自生する場所だと言う事です。
でも、ここに独活を採りに入る人は少なく、スベルべも春には行きませんでしたね。
何本かの蔓を見つけたけれども、やはり、この三本から掘って見ましょう。
これは「一挙両得」ならぬ、「一挙三得」で、滅多に無い幸せとの遭遇なのです。
通称で「河童の頭」とも呼ぶ、地表部に広がる根が見えて来ました。
この「河童の頭」の根で、地表に近い部分の養分を吸い取り、そして樹上に繁った葉で光合成。
いわば、山芋は「大地と太陽」からの貴重なプレゼントなのでも有る訳です。
滅多に無い、並列三本の山芋を折らないように慎重に掘り進めます。
(続く)