
フルムーンの旅
やがて、予定時刻には全員が集合し無事に東海道新幹線に乗る事となる。
グリーン車のゆったりとした席に陣取り、そこまで我慢していた酒に取り掛かる。
缶ビールを引きぬく音に参加者たちが何人も振り向く。
紳士淑女たちで、どうも旅に出たら酒しかも明るいうちからなどと言う不心得者は世には少ないらしい。
でも、やがて私に倣い車内売りで缶ビールを買い求める仲間も出始めた。
(その酒飲みメンバーは旅の終わりまで変わらなかったが)
この旅行は気楽なもので、お互いに自己紹介する以外、全員での紹介などのセレモニーは全く無いのだった。
(何だか自己紹介すると具合の悪いペアが居る事も有るのだとか)
食事は基本的にホテルでも旅館でもペア二人で向かい合いであり、
昼間の行動途中の昼食で有ってもこれは変わらない。
でも、良くしたもので年格好が似て、話の合う相手もすぐに見つかり、
バスでも電車でも車中では自然に並んで陣取る事となる。
(続く)