正午を知らせる市のチャイムを聞きながら畑からの帰宅途中に携帯に着信。
「カサブランカが畑で咲き始めたのでほしい人を誘って切ってください」とのお話し。
山道を下りながら隣の山を見ると、白く咲き始めているカサブランカの畑が見えた。
「そうか、今軽の乗用車が留まっているところ?」と確認し、次いで友人に電話。
友人は4人で午後一時に我が家に来ることになった。
大急ぎで昼食を済ませ、我が家に到着した4人を畑に案内した。
歓声を上げた4人はさっそく切り始める。
露地栽培の花卉は天候との勝負。タイミングによっては出荷が間に合わなくなることさえあるらしい。
午後の自分の仕事も気になり、後事を託して別れた。
途中でトラクターで百合の花を耕し込んだ畑を見る。球根さえ見えるではありませんか。
これは隣の畑に植えられたばかりのユリの球根。
冷蔵状態から取り出し、目が出そろったところで植え付けるようです。
春から秋まで、植え付けて収穫し、耕して再度植え付ける。
こんな仕事を何回か繰り返すのが花卉農家の仕事でもあります。
この畑では百合は立派に成長しているのに蕾はもぎ取られています。
翌年度用に球根を育てる場合は、このように蕾を取って花は咲かせないようです。
雪国で半年足らずの短期間に柿を栽培する農業は過酷な作業でもあります。
文字通り寝食を削るような思いで山の畑で働く人々がいることをユリを見たら思ってください。