畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

山の畑は夜の社交場

2017-09-02 05:03:09 | 

 トラクターで耕した畑に点々と見える獣たちの足跡。

新しく掘り起こされて土に、何か獲物は無いかと探し回るのでしょうか。

 

 

  一晩で着いた足跡では無いけれど、もしもこれが一晩だとしたら畑は大賑わい。

動物たちの夜の社交場と化しているのかも知れませんね。ダンスのステップの跡は無いけれど。

 

  何年も枝打ちなどの手入れはされていない杉林。

そして、除草薬などの農薬をつかわないスベルべの山の畑は動物たちの天国なのかもしれない。

 

  畑を歩き回る主役は狸らしい。よたよたとした愛嬌のある足跡が多い。

その中に、こんな足跡もある。ほぼ直線的に足を運び、前足の足跡に後足を重ねて歩くのは狐です。

 

 トマトは畑のマルチシートの上には、愛嬌のある狸の足跡がくっきりと残る。

でも、ほら狐の足跡は小さいながら鋭い爪の跡も見えますよ。

 

 

 スベルべトーちゃんの影が長くなり、畑仕事も終わりに近づく。

動物たちは、人影が無くなるのを林の中の繁みでひっそりと待っているのでしょう。

 夕方遅くまで働き、軽トラのライトを点けて家路につくと、ライトに反射する光が見えることも。

動物たちの瞳がライトの光に反射してキラリと光って見えるのです。

良くかわす夫婦の会話に「夜の畑を見てみたいね」なんて話題が良く出る山道です。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

連載123「奥様に叱られた「タツオ」さん」

2017-09-02 04:32:01 | 暮らし

   奥様に叱られた「タツオ」さん

 

 お年寄りの送迎運転手のパートを始めて一年が過ぎた。長くお付き合いをさせていると、

顔馴染みとなり気楽に話しかけて頂ける。私にとっては親とも言えるようなお歳の方もいらっしゃるし、

干支一回り程度しか離れていない方もいらっしゃる。


 タツオさんは中途失明者で苦労をされている。

しかし、持ち前の負けん気と、明晰な頭脳で短歌を詠み、詩を書き、畑の仕事までされている。


 中途失明で辛かった事の一つに、文字が読めなくなった事があるとおっしゃる。

豊富な知識と深甚な洞察力は書物から得たところが大きいと思われるから、

大変辛い思いをされた事は想像に難くない。


 しかし、「有り難い事です。最近は音読サービスが行き届き、大抵の本はテープやら、

最近ではCDに吹き込まれているんですよ」と話された。ところが借り出す際の難点は、

題名だけで決めなければならず、聞いてから初めて内容を知る事だそうです。


 最近、題名に引かれて借用したテープには驚いたそうです。

聴き始めて、随分柔らかな内容だと思っていると、奥様がタツオさんを叱ったそうです。

なんと、テープは随分と色気に富んだ話しだったと言います。


 私とタツオさんは車の運転席と、助手席で大笑いしました。

朗読サービスの女性はどんな顔をして、そのお色気話の吹き込みをなさったのだろうかと。

どうやら二人とも同じ事を考えたようです。


(10年ほど前に4年ほど送迎の仕事をした際の文章です。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする