天空の蜂 (講談社文庫) | |
東野 圭吾 | |
講談社 |
1995年に書かれた作品
遠隔操作で盗まれた大型ヘリには 男の子が乗っていた
それは犯人側にとっても計算外のこと
大型ヘリは原子力発電所の上でホバリング
もしも落ちたならー大惨事の可能性がー
いったい誰が 何のためにー
物語の冒頭は犯人側の二人の男のやりとり
事件が起きて警察の捜査が始まる
父親の職業からいじめられた子供
いじめが原因で死んだ子供
しかし死んだ子供は 父親が起こした犯罪を是とするだろうか
「おとうさん よくやったね」と言うだろうか
否
いかなる動機にせよ
ーなんで そんなバカなことー
世に問う問題提起ー
にしても 読了後にむなしさが漂う
空虚
優秀な人間であったはずの二人の男
それほど優秀な人間であるならば ほかのことができなかったのか
世間を騒がせて 高価な超大型特殊ヘリを破壊してー
それは「意義あること」なのだろうか
むしろ優秀ながらも「ごく普通の人間」の湯原や上条の言動が心地よい
もしも三島が現実に存在する人間なら言ってやりたい「だから どうした三島」
それで世界は変わったか
君のしたことに意味はあったのかーと