{アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が多くいるらしい。
その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知り得たのか?
人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しで女言葉を繰り出す、魅惑のウイルスハンター・神原恵弥(かんばら めぐみ)を生み出した記念碑的一作}
(本の帯からの抜粋です)
そのシリーズ第一作が「MAZE(メイズ)」
続く第二作が本作「クレオパトラの夢」です
シリーズ第三作は「ブラック・ベルベット」
本作は裏表紙の紹介によれば
{北国のH市を訪れた神原恵弥。
不倫相手を追いかけていった双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。
H市と関係があるらしい「クレオパトラの夢」と呼ばれるものの正体を掴むこと。
人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌(タブー)であったーー。
謎をめぐり、虚実交錯する世界が心をとらえて離さない、シリーズ第二作!}
ーなによこれ、寒いじゃないのー
この感想は容姿端麗な男性のもの
主人公の神原恵弥は 留守がちの父親を除き 女性ばかりの家族で育ち 違和感なく女言葉で考え 話すのだ
まずは これに慣れなくてはいけない
恵弥の妹の和見がまた一筋縄ではいかない女性で 作中その言動に恵弥は振り回される
和見の不倫相手の若槻博士は クレオパトラの夢の鍵を握る人物であったが 恵弥と会う前に死んだ
本当に事故死ーなのだろうか?
姿を消す和見
和見の部屋に押しかけてきた防衛庁の男達
そして和見の部屋と 若槻博士の死んだ家が火事になる
過去にもH市であった大火事
若槻博士が持っていた古い地図
恵弥に話しかけてきた若槻博士を知るという多田
続く何者かによる尾行
若槻博士の未亡人の実家のこと
時に変装もして動く恵弥
姿を消していた和見と再会した時から 謎は解け始める
クリスマスをまたぐ12月下旬の物語
雪は降る
寒いのは苦手の恵弥が解いた謎はー
舞台はたぶん北海道 札幌に函館にーと地名をあてはめながら
作家の三浦しをんさんによる解説も楽しいです
登場人物の個性だけで 読めてしまう一冊でもあります