![]() | ママの狙撃銃 新装版 (双葉文庫) |
荻原 浩 | |
双葉社 |
おじいちゃんのエドがアメリカ人だった曜子は 母のカレンが死んでから10年間 アメリカで暮らした
オクラホマの農場で暮らす祖父は別の仕事も持っていた
人に依頼され殺す 報酬と引き換えに
護身もかねてエドから銃の撃ち方も教えられた曜子は 死期近いエドの代わりに仕事を請け負うことになる
エドの死と共に現れた有象無象の親戚たちにより 当然受けるべく遺産も取り上げられ 僅かな金だけで日本に帰国することとなった曜子
少し頼りない夫とごく普通の結婚をし二人の子供の親となりマイホームも手に入れて ごくごく普通の人間として暮らしてきた
ところが夫は会社を辞めたい 新しい会社を友人と起こすと言い出す
そして娘は学校でいじめにあっているようだった
再びKから電話がかかってくる
仕事(殺人)をしてほしい
ただ一つ手元に残しておいたエドの銃
この生活を守るために 家族の為に
今一度だけ
そんな思いで曜子は仕事をする
そうして殺した人間の亡霊を傍らに見ることになる
それでもー
それが人を殺すということ
娘をいじめる根性の良くない少女をお仕置きし・・・
再びの仕事の依頼で曜子はKの正体を知る
Kは曜子の知る人物だった
ずうっと曜子を見守ってくれていた
Kは自分の人生を終わらせることを願っていた
この仕事のあと 曜子は自分も死のうとする・・・・・
でもエドは「死に方」だけは曜子に教えてくれていなかった
幼い息子の呼び声がする
曜子の選択は「死」ではなかった・・・・・
銃をそのまま持ち歩けないので分解して組み立てるのですが その部品を隠すのがお買い物野菜の中だったり 見舞いの花束であったりもします
人を殺してしまったらーその相手の幻影をみるのでしょうか
それは人それぞれであるような気もします
罪悪感
曜子は殺人を仕事として割り切れる人間ではないようです
忘れられるでしょうか
日々の生活のうちに 記憶が遠ざかっていくのでしょうか
夢の中のことのようにー