AX アックス (角川書店単行本) | |
伊坂 幸太郎 | |
KADOKAWA / 角川書店 |
帯に{最強の殺し屋はー恐妻家。
物騒な奴がまた現れた!新たなエンタメの可能性を切り開く。娯楽小説の最高峰!
「グラスホッパー」「マリアビートル」に連なる殺し屋シリーズ最新作
「カマキリ(恐妻家)の斧(アックス)を甘く見てるなよ」
「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。 一人息子の克己もあきれるほどだ。
兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克己が生まれた頃だった。
引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。}
こうあります
恐らく孤独な生い立ちの殺し屋「兜」は ごく普通の女性に出会い結婚し子供も生まれた
表向きは文房具会社の社員
ところが普通の仕事と違い 殺し屋は引退しようと思っても中々辞めさせてもらえない
彼に仕事を仲介する医者は 辞めようとする彼の命を狙いー
兜を片付けに現れた男も医者から脅迫されている殺し屋だった
死ぬ前に兜がかけておいた保険が彼の死から十年 息子の克己を護る為に発動する
そしてこの情に篤い男に恩を受けた人物は秘かに克己を気にかけ守ってくれていた
家庭を大事にし家族を愛した男
そんな男を卑劣な方法で葬ろうとした医者は しっかり報いを受ける
殺し屋は特殊な職業ではあるけれど
でもこれはホームドラマだと思います
最後まで妻に自分の仕事を気付かせずに死んでいった男の物語
家族を愛するがゆえに その家族を守る為に
彼には自分の家族を持てたことが何より幸福なこと
こんな仕事(殺し屋さん)の自分には望外の喜びで
兜を消そうとする医者(強者)へ 振り上げた兜(弱者)の蟷螂の斧は・・・必要な効果をあげました
交尾の時か後に蟷螂のメスはオスを食べるーそんな話からのタイトルです
作中 兜が息子と蟷螂の斧について会話する場面があります
メスカマキリは何故オスカマキリを食べるのか