エランドが斬りかかるのを ソロクレスは椅子に置いていた鞘に納まったままの剣で受け跳ね返しておいてから剣を引き抜いた
撃ち合うも「どれもわたしが教えた太刀筋だ」そう勝ち誇った冷笑が消えない
もう年寄りぶって自分の事を「わし」と言うことすら止めていた
ソロクレスに対してきた全てが偽りだったのだろうか
続きの隣の部屋からイリアッド ダイレント 大臣のガルロフが飛び込んでくる
話し合いの最中にエランドが来たとのことで ソロクレスは他の者には休憩を与え 自分一人は隣室でエランドを待っていたのだ
それをエランドは知らなかった
「手を出すな! これは叔父上とわたしとの事だ」と制するソロクレス
「お前 嵌めたのか!」
エランドの剣の勢いが激しくなる
すぐにイリアッドはソロクレスの剣の動きの変化に気付いた
エランドも撃ち合ううちに悟る
ソロクレスはエランドより僅かに速く剣を動かし撃ち合うリズムを合わせている
その上ソロクレスは息を切らしていない
「お前は!」
ソロクレスはエランドが教えていない エランドが知らない剣さばきを見せた
エランドの剣を剣で巻き上げ奪う
「殺せ!」
剣を奪われたエランドが叫ぶ
「神官エランド 幽閉を申し付ける」とソロクレスは言った
これに異を唱えたのはダイレント
「馬鹿な 神官を幽閉するなど そんな罰当たりな」
「王とのやりとりが聞こえていたろう ダイレント 何を言い出すんだ」
「自分の兄を殺し 今またソロクレス王にも剣を向けたのだぞ」とガルロフ大臣
「幽閉などさせぬ 」
止めようとするイリアッドを押し倒し ダイレントはエランドを担がんばかりにして走り出す
集まって来た城兵達が逃げるダイレントとエランドを追いかけて行く
「こんな時なのに あの馬鹿」
立ち上がりながらイリアッドが吐き捨てる
「それにしても ああいう剣の扱い方は初めて見た あれは?」
「かなりオランプが使うんだ 幾つかの手を教わった」とソロクレス
殺せ!エランドの叫びがソロクレスの耳に残る 死にたがっていた・・・殺されたがっていた・・・
「ダイレントの馬鹿め 逃げてどうするつもりだ こんな時に」
イリアッドは友の軽はずみが悔しく情けない
親友だったはずなのだ
幾度も幾度も共に潜り抜けた危機 助け合って生きてきた
「神殿は信仰の対象だ 人は誰しも信じるものが必要だ 心弱れば そこに縋りたくなる
信じるものに影響される
利用しようと取り入る言葉は甘く優しく心地よいゆえに
その居心地の良さにいつか支配されもする」
ソロクレスの言葉にガルロフ大臣も頷く
「王よ 辛い思いをされますな」
「このルルドスの危機にあって神官の力は大きい 説得できるなら力を貸してほしかったのだが
まだまだ未熟者だ わたしは」
「恐れながら神官は反逆者 ダイレントはそれに味方した者 決まりはつけねばなりますまい」
年嵩の大臣の言葉
法に照らせば死刑が相応しいのだ
それでも大切だった存在
いままでエランドがソロクレスに向けた言葉の全てが偽りだったのだろうか
確かにソロクレスの両親を殺し ソロクレスの食事にはどうやってか毒を加えた
そのやりかたが甘いように感じられるのは ソロクレスの中にエランドへの甘えがあるのか
エランドは本当に心底からの極悪人なのか
ー強くなれ!ソロクレス 強く賢くなれ 王という身分に相応しい力を持つ人間になるのだー
皆で力を合わせて国の危機を乗り越えてー
叔父上・・・・・ダイレント・・・・・
直後 大きな揺れが来た
撃ち合うも「どれもわたしが教えた太刀筋だ」そう勝ち誇った冷笑が消えない
もう年寄りぶって自分の事を「わし」と言うことすら止めていた
ソロクレスに対してきた全てが偽りだったのだろうか
続きの隣の部屋からイリアッド ダイレント 大臣のガルロフが飛び込んでくる
話し合いの最中にエランドが来たとのことで ソロクレスは他の者には休憩を与え 自分一人は隣室でエランドを待っていたのだ
それをエランドは知らなかった
「手を出すな! これは叔父上とわたしとの事だ」と制するソロクレス
「お前 嵌めたのか!」
エランドの剣の勢いが激しくなる
すぐにイリアッドはソロクレスの剣の動きの変化に気付いた
エランドも撃ち合ううちに悟る
ソロクレスはエランドより僅かに速く剣を動かし撃ち合うリズムを合わせている
その上ソロクレスは息を切らしていない
「お前は!」
ソロクレスはエランドが教えていない エランドが知らない剣さばきを見せた
エランドの剣を剣で巻き上げ奪う
「殺せ!」
剣を奪われたエランドが叫ぶ
「神官エランド 幽閉を申し付ける」とソロクレスは言った
これに異を唱えたのはダイレント
「馬鹿な 神官を幽閉するなど そんな罰当たりな」
「王とのやりとりが聞こえていたろう ダイレント 何を言い出すんだ」
「自分の兄を殺し 今またソロクレス王にも剣を向けたのだぞ」とガルロフ大臣
「幽閉などさせぬ 」
止めようとするイリアッドを押し倒し ダイレントはエランドを担がんばかりにして走り出す
集まって来た城兵達が逃げるダイレントとエランドを追いかけて行く
「こんな時なのに あの馬鹿」
立ち上がりながらイリアッドが吐き捨てる
「それにしても ああいう剣の扱い方は初めて見た あれは?」
「かなりオランプが使うんだ 幾つかの手を教わった」とソロクレス
殺せ!エランドの叫びがソロクレスの耳に残る 死にたがっていた・・・殺されたがっていた・・・
「ダイレントの馬鹿め 逃げてどうするつもりだ こんな時に」
イリアッドは友の軽はずみが悔しく情けない
親友だったはずなのだ
幾度も幾度も共に潜り抜けた危機 助け合って生きてきた
「神殿は信仰の対象だ 人は誰しも信じるものが必要だ 心弱れば そこに縋りたくなる
信じるものに影響される
利用しようと取り入る言葉は甘く優しく心地よいゆえに
その居心地の良さにいつか支配されもする」
ソロクレスの言葉にガルロフ大臣も頷く
「王よ 辛い思いをされますな」
「このルルドスの危機にあって神官の力は大きい 説得できるなら力を貸してほしかったのだが
まだまだ未熟者だ わたしは」
「恐れながら神官は反逆者 ダイレントはそれに味方した者 決まりはつけねばなりますまい」
年嵩の大臣の言葉
法に照らせば死刑が相応しいのだ
それでも大切だった存在
いままでエランドがソロクレスに向けた言葉の全てが偽りだったのだろうか
確かにソロクレスの両親を殺し ソロクレスの食事にはどうやってか毒を加えた
そのやりかたが甘いように感じられるのは ソロクレスの中にエランドへの甘えがあるのか
エランドは本当に心底からの極悪人なのか
ー強くなれ!ソロクレス 強く賢くなれ 王という身分に相応しい力を持つ人間になるのだー
皆で力を合わせて国の危機を乗り越えてー
叔父上・・・・・ダイレント・・・・・
直後 大きな揺れが来た