夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「予兆」-遠い約束・やや過去・1-

2017-09-09 06:55:14 | 自作の小説
・・・学校から子供と一緒に歩いて帰っている?この道はー
途中に電気屋さんがあって・・・中古車販売店の角を曲がって・・・・・
まだ夜が明けていないのだろうか
ひどく薄暗い

向こうから歩いてくる人の顔もはっきり見えない
リヤカーを引いて歩いている?
身体が埋もれそうなほどいっぱいの荷物を 
こんな時間に・・・・・
どういう職業の人なのだろう

一緒に歩いている子供が怯える
「あれは人間じゃない お化けだ」

ふと横を見ると 手を引いて歩いていたまだ小学生だった子供が育って大きくなっている
それを不思議に思わず私は言う
「ううん あれは人間よ」

そうでかくなった子供に言って 青い色のリヤカーを引くモノに「おはようございます」と大きめの声をかける
声をかけられたモノは 自分が視(み)えているのかとギョッとした表情になりこちらを振り返っていた

その後ろを浴衣姿の若い娘達が歩いている

鉄の棒の塀の一角が透けていて そこに白っぽい人影が立っている
白髪混じりの頭は後ろで小さなお団子 白い着物で両手を前で拝むように合わせて立っている
流石にソレは目を合わせたらいけないモノのように思うのだが
子供は平気でそれの名前を言った
「六郎部のおばあさんだよ」
不思議も何もないーというように


その角を曲がれば・・・もうすぐ家に着く

しかし 向こうから来るのはまた奇妙な視(み)たくないモノ


そうだ視(み)てはいけないー


途中から夢だと気付き それでもその夢がどうなるか気になって眠り続けようとしたけれど 目が覚めてしまった

その上 起きてから気付いてしまった
この夢は私の見た夢ではない
子供が視(み)ている夢だ
私が子供の夢にリンクしてしまった

共鳴というか子供の夢を視(み)る力に引きずられてしまった


全ては無駄だったのだ

子供が生まれる前に私がしたことは
死ぬ思いで魔を呼ぶ血を抜いて入れ換えようとしたことも
あのモノが子供を護る為に張った結界と子供の力封じも

夢の世界では家までの道は現実と逆回り 右へ回るところは左に曲がり東西南北も逆になっていた

あの子の中でも悪夢が始まろうとしている・・・
私達が眠らせていたあの子の力が抑制を解き放たれて目覚めるに従い悪夢は酷いモノになっていくだろう
魔からあの子を護るには あの子が自分の護り手に会わなくてはならない
そうして自分が何者であるかを知らなくてはならない

あの家で・・・・・

あの子をあの家に行かせなくてはいけない