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根の深い木‐世宗大王の誓い‐ (ノーカット完全版) 第二章 【DVD】 |
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ポニーキャニオン |
前回の記事は、すぐ前、こちら。
世宗の嘆きは相当なモノで・・・。立ち直れそうもないくらい自分を責め、自暴自棄になりつつありました。
それを止めたのは、チェユンです。
チェユンが言った“広平大君は父を信じ切っていたから、死ぬ事も恐れなかった”と聞き、一層息子への想いが溢れました。
タムや民への絶望と憤りが文字創製のきっかけとなったと言った世宗。それはタムや民を人として見たからだ・・・とチェユンは言いました。タムや民を慈しんだ証拠だ・・・と。それが愛だ・・・と。
そして、自分がタムと逃げなかったのは、文字が優れていたからでも簡単だからでもない。いくら簡単でも、それを使い、何か出来るのは士大夫や両班であって、民ではない。タムが命をかけてやりたい事があると言ったからだ。タムの意欲、タムがやりたい事を守るのがタムへの愛だと思ったからだ・・・と。
そんな意欲を、無駄だと言うのか、カリオンに言われたくらいで揺らぐのか・・・と。
世宗は、タムは意欲を持っていたが、民は違う・・・と言いました。なのに、自分は民に責任を負わせようとした・・・。
でもね、チェユンは言ったのです。これまで、民は何年もの間年貢と言う責任を負って来ました。今更少しばかり増えたくらいで気にしない。責任が増える事より、やりたいことをやりたいんです・・・と。
だから、勇気を出せと言いたかったのでしょう。
チェユンだって広平大君の死は辛いんです。大君とのいろんな思い出がありますからね。チェユンが世宗を理解しようとしたのも、大君のお陰ですからね。
一人で大君の靴を見ながら泣くチェユンなんです。
チェユンの泣き方って、見てるこちらも辛くなるような身を揉んで・・・という表現がぴったりの泣き方です。
それを世宗は見ていたのです。チェユンの言葉は、大君の死を無駄にしない為の諫言だったんです。
世宗は、勇気を出しました。
ギジュンたち密本に対抗する策を考えました。
息子を殺された怒りのあまり、父太宗のやり方を復活させたかと思う様なやり方に方針転換したと見せかけました。
密本の捜索担当を、チェユンからチョ・マルセンに一任しました。マルセンは、太宗の側近で、そのやり方を踏襲するのは目に見えてます。
いきなり、世宗の側近、それも文字創製に関わっていたり、大君への密命を知っていたと思われる人物を片っ端から事情聴取。宮中に密本が潜んでいると踏んでの事です。
それには、ソイたち、大君付きの女官も含まれていました。
彼女たちは、大君殺害の事件に直接関わってはいないものの、大君の居場所を漏らした疑いがある…と言う事で、厳しい拷問も受け、結局地方の役所の官奴に降格し、宮廷から追放したのです。
それには、ソイも含まれていました。
チェユンの抗議にも役に立ちませんでした。
でもね、実はこれらの事全てが世宗の策だったのです。マルセンも、これまでイマイチ立ち位置が不明でしたが、本当は世宗の側なんですね。
周囲の者を信用しなくなり、太宗時代到来とも言えるような力で民を治める方針に転向したように見せかけ、一方では、大君に課していた密命を女官たちに託したのです。文字を疫病のように民の間に広めようとしたんですね。
チェユンもまた、捕まったと見せかけ、その後保釈し、ソイ達の後を追わせました。
ソイ達の元に行く前に、マルセンと会ったチェユンは、マルセンの屋敷でバンジと再会しました。
バンジ、生きてて、マルセンの救いを求めたのです。でも深手で、助かりませんでしたね。
最期に、唯一の愛弟子チェユンと会えたので満足そうでした。
ギジュンたち密本は、世宗がギジュンの思う通りになって行くのを見て、安心したんですよ、一時は。
でも、密本内部でも意見は別れてるのは変わらないし、世宗の本当の意図が見えないままでした。
でもね、大君の遺志を継がせようとしてるのは予想してて、誰かが宮殿を出て命令を遂行すると踏んでましてね。側近の動きを監視していたのです。
ところが何の動きもありません。
そんな時、ふとピョンが、ソイたちの事を口にしたのです。おそらく無実の罪で官奴などにされ、世宗を恨んでいるだろうから、味方に引き込むチャンスかも・・・と。
ギジュンがそれを認め、ピョンはソイ達の後を追いました。
ところが、行き先となっていた地方の役所には、彼女たちの姿はありませんでした。
その知らせを聞いたギジュンは、彼女たちの役目が分かったのです。
ソイたちは、地方の村で子供たちに歌を教えていました。
歌に文字の意味を込め、口ずさむことによって広めようとしていたのですね。
文書で公布するより、ずーっと定着する可能性が高いですね。