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ヘウォンが携帯を埋めていたのは、母ミョンジュがお花を手向けていた場所と同じ?
ヘウォン父がプロポーズした場所?
もしそうだとしたら、偶然ですよね。
ヘウォンが去りました。
村には春が訪れ、人々は畑仕事に精を出しました。
特別な事はなく、季節と共に繰り返される作業です。
ウンソプは変わりなく書店を営んでいました。
ヘウォンを変わらず想っています。
ソウルにも春は訪れました。
ヘウォンは、チェロ講師を目指して採用試験を受けていました。
合格してはいません。
ミョンヨの新作『シスターフィールドの迷路』は、ベストセラーとなっていました。
ウンソプの書店にも、注文がたくさん入っているようです。
ミョンジュとミョンヨは実家のペンションで一緒に暮らしていました。
でも、もうじきミョンヨはこの家を出て行く予定です。
どこに行くのかは描かれていませんが、一つ確かなのは、ミョンヨがこの家に戻ってくるつもりはないということ。
チャ編集長とよりを戻したように見えますが、結婚するという事ではなさそうです。
チャ編集長は、シン作家とは別れたようです。
ミョンヨに言われ、ミョンジュはヘウォンに手紙を書きました。
言わなきゃ分からないことがある・・・とミョンヨは言いました。これまで、ミョンジュは娘に何も話して来ませんでしたから。
“言わなきゃ分からないことがあるとミョンヨに言われたの。私はあなたが大学を出た年齢であなたを産んだ。今のあなたの歳ではもう6歳の娘を持つ母親だった。当時既に世界一優しいと思っていたあなたの父親に殴られていた。クズの様な人生の中で自分自身を慰めきれず、あなたをないがしろにしてしまった。自分のことで精一杯だった。でもいつもあなたのことを愛していた。ただうまく表現できなかっただけ”
初めて娘に対して正直になりました。
決してヘウォンを愛していなかったのではなく、ただ、不器用なために上手く表現できない人だったのです、ミョンジュは。
ミョンジュは住んでいた家を売り払いました。
そして、実家のペンションに住むことにしました。
ウンソプは母の誕生日にマフラーをプレゼントしました。
綺麗なピンク色のマフラーに、彼自身が一言刺繍を入れました。
“愛する僕の母さんへ”
ウンソプ母は、感動して一人泣きました。私もじ~ん・・・としました。
女の子じゃなく、男の子が・・・ですからね。慣れない手つきで一生懸命したのですから。
ヘウォンは、オ・ヨンウのカフェを訪ねました。
ま~素敵なのよ、ヨンウ
カフェの名前は、昔ヘウォンが弾いた曲名でした。
まるで私をずっと好きだったみたいな言い方ね・・・とヘウォン。
「ずっと好きだったよ。」
と、ヨンウ。
でも、ヘウォンはそれが嘘だと気付きました。ヨンウも嘘だということを認めました。
何故分かった?とヨンウ。
「それは多分・・・知ってるから。私をずっと好きだった人の目を。」
ヘウォンが思い出していたのは、この冬再会した時のウンソプの目でした。
ヘウォン、村に帰りました。
ミョンジュから、ミョンヨが家を出て行き、二度と戻らないかもしれないと聞いたからです。
3人で食事をしました。
以前と比べると、家族らしい会話をしました。口数は多くはありませんが。
気を張ることもなく、極々自然に。
その時、ジャンウが店に入って来ました。
でも、ヘウォンの顔を見たら、あれこれ理由をつけてわざとらしく店を出て行きました。
ヘウォンが立ち上がると、外にいたのはウンソプ。
ジャンウの気遣いだったのです。
ミョンヨが去りました。
ヘウォンはミョンヨを見送った後、書店に向かいました。
丁度ウンソプが花束を持って出て来ました。実母の命日でした。お墓に行こうとしていたのです。
それじゃ・・・と車に乗り込みスタートしました。
しばらく走った時、気づきました。ヘウォンが追って来てることに。
ただ一度だけ抱きしめたくて・・・とヘウォン。
驚いたウンソプ。何も言えませんでした。
ヘウォンは、ウンソプを抱きしめました。この冬、ウンソプと過ごした思い出が次々に蘇りました。
でも、ウンソプは抱きしめてくれません。
ごめん、こんなつもりじゃなかったの・・・とヘウォンはウンソプから離れました。
背を向けて歩き出したヘウォンにウンソプが聞きました。
「今回はどのくらいいる?いつまでいる?」
やっとウンソプが微笑んでくれました。
ヘウォンは、短い間の付き合いだったウンソプのことを、すぐに忘れてしまうだろうと考えていました。
でも、それは間違いだったと気付きました。
ウンソプは、雪の様にずっしりと降り積もり、ヘウォンから離れない人だということを忘れていました。
2人は、離れていた事等無かったかのように、暮らし始めました。
村の人たちが、変わりない生活を送っているのと同じように。
先の事は分かりません。
でも、努力を続ければ、生きていれば幸せになれると、ウンソプとヘウォンは信じています。
大きな事件が起こるわけでもなく、感情的に酷く激することもない、物語でした。
でも、登場人物一人一人のキャラクターがリアルで、村の生活がリアルで。
人が何を考えて、何に悩んでいても、季節は確実にめぐっていくものだと改めて感じさせられました。
何か事にぶつかった時、必死に足掻くのも大切かもしれませんが、時の流れに任せてみるのも、一つの手だということも。
癒される作品だという評、確かに
お勧めです