レビュー一覧は、こちらから。
ハルがダノのカルテを変えたのは、よりによってジュダの祖母でした。
容体が悪化した祖母は手術を受けることになりました。
不安で泣くジュダを、ナムジュが傍について慰め、支えました。
ジュダは、ステージとシャドゥを行き来しています。だから、ナムジュの好意をステージでは受けとるのですが、シャドゥでは一歩引いて自分のプライドを保とうとしています。
ドファは、ジュダも自我を持ったと知っています。シャドゥで自分に素の顔を見せてくれるのが嬉しいのですが、やはりステージでは自分はジュダのために何もできないと思い知らされるばかり。
シャドゥになったら、自分の気持ちのままに行動しようとも思うのですが、ジュダの幸せを考えると、自分の気持ちを優先することは出来ませんでした。
優しいドファです。
それにしても、ジュダの本心はどこにあるのでしょう。
ナムジュを冷めた目で見つめているかと思えば、心惹かれてるような表情を見せることもあるし・・・。
ドファへの態度は、どー見ても好意を持っているとしか思えないものですしね。
ま、私の好きなタイプじゃない事は確かね。
「ステージで死ぬと漫画から存在が消えるけど、シャドゥで死ぬと、自我が消える。全ての記憶を失い物語の中で設定どおりに動く人物になる。」
と、ミチェがギョンに言いました。
ステージの中だけで作者の意図通りに生きるのも良いかもしれないと、ふとギョンは思いました。あまりにもこの世界が過酷だから。
頻繁に入れ替わるステージとシャドゥに、彼らは振り回されています。
作者が設定したのではない本心を持ってしまったがため。或いは、偽物だと思っていた設定が本心だったと気付いてしまったがため。
相変わらず、ダノは発作が度々起こっていました。それも、シャドゥで。
ハルは不安が募っていました。
ステージを変えたことで、ステージではダノの病気が快復しているけど、本当は治ってなどいないのではないかと。自分がしたことで、ダノを死に追いやってしまっているのではないかと。
ギョンの言葉が忘れられませんでした。自分がステージを変えた結果が、ダノの死だという・・・。
そして、とうとうハルがダノの死のシーンを思い出してしまいました。
ダノは王であるミチェ毒殺の容疑をかけられたようですね。
で、ハルと共に逃げ出したのですが、途中でステージに移ってしまい、ダノだけが追っ手に捕まってしまいました。
殺されかけた時、ハルが助けに来て。
でも、多勢に無勢。
兵に取り囲まれてしまいました。
ギョンは、ハルに証明しろと言いました。自分を裏切っていないこと、自分のモノであるダノを慕ってはいないこと、自分の味方だということを。
方法は、ダノを殺すこと。
ハルがダノを刺しました。
でも、すぐに素手で剣を握って引き抜いたのです。
その時の傷が左手の手のひらに残る傷でした。
ダノを殺したのは、僕だった・・・。
愕然とするハル。ギョンの言葉は真実だったと思いました。
ハルはダノと距離を置き始めました。傍にいては、ダノが死ぬから・・・。
ダノが倒れました。
それでも、ハルは背を向けました。
ステージでは、ダノはほぼ完治していました。
ギョンは嬉しそうに花束を渡しました。それを喜んで受け取るダノ。
その直後、シャドゥに。
ダノは笑顔を消し、花束を置いて、ギョンの横を素通りしようとしました。
もう運命を変える人も必要ないだろ・・・とギョン。
「ハルは運命を変える人じゃない。運命そのものなの。」
これこそ・・・トドメだわ
でも、その時、ダノが倒れてしまったのです。シャドゥですから。
意識の無いダノを、ギョンはずっと見つめていました。涙をためて。
ミチェのことばが頭を過りました。
シャドゥでの死は、記憶を全て失いステージで設定どおりに生きる・・・。
泣きながら、ダノの人工呼吸器に手を伸ばしました。
そして外したのです。
その瞬間、ギョンの『凌霄花』での記憶が蘇りました。
今までは、ブラックホールや漫画で見た事だけでしたが、今回は、彼自身の記憶が戻ったのです。
ダノが死ぬシーン。
ハルに証明しろと剣を持たせたギョン。
ハルがダノを殺せる筈はありません。剣を持ったまま、出来ないと答えたハル。
ダノがハルを呼んで、ハルがダノの方を向いたその一瞬、ギョンがその剣をダノに突き立てたのです。
ハルはただ持っていただけでした。
で、慌ててハルは素手で剣を掴んで引き抜いたというのが事実でした。
やはり前作と同じ事が・・・とギョンはショックでした。
自分が二度ともダノを殺したんだ・・・と。
呼吸器に手を伸ばしたギョン。
もう一度、ダノの口元に戻したのかどうかは分かりません。
よろよろと病室を出て行ったギョン。
そこにハルが駆け付けました。
ダノはと、叫ぶハル。
「変えたくないんじゃなく、俺はただ・・・変えられなかったんだ。あの時も今も。描かれているのが俺だから。」
ハルが病室に駆け込むと、ダノは眠ったままでした。呼吸器はちゃんとセッティングされていました。
ギョン、戻したんだね。
ところが、次の瞬間、警報が鳴り響きました。容体が急変しました。
「早く次のシーンにしてください。」
ハルは必死に作者に祈りました。泣きながら祈りました。
「ダノを助けてください。」
場面が変わり、ステージになりました。
ハルは学校にいます。
そこにダノが歩いて来ました。元気そうです。
ダノ・・・とハルが手を取ると、怪訝そうにハルを見ました。
ダノの記憶が消えていました。
泣けた~っ