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ギョンが自我を持ち始めたのがいつなのか、はっきりしません。
でも、ハルの姿が消えたこの時点で、はっきりとその存在を覚えていました。
ダノと親しくなってきていたこと、プールに落ちたダノを助けようと、飛び込んだ事等。
『秘密』の存在を知ったのは、いったい何時なんでしょう。
ただ、ダノが必死に図書室で『秘密』を探し始めた時には、その内容を読んでしまっていたのです。
これまでも、ダノやハル、ドファの言葉の意味が分からず、悶々とするところがありました。
10年間片思いしてきたダノが、突然破談を宣言したことも理解出来ませんでしたし。
それらの疑問が、『秘密』を読んで、全て解けたのです。
「お前は主人公のつもりか単なるエキストラに過ぎないのに。」
ギョンが冷たく言いました。
ダノは必死にハルを探しました。この世界のどこかにいつかもしれないと思いました。
でも、友達の誰に聞いても、ハルの記憶がありません。
最初からいなかったかのようです。
ミチェは言いました。警告しておいたが、選択したのはハルだ・・・と。
ハルは自分が消えると分かってて、ダノやドファに協力してストーリーを変えたのです。
「彼だけで済んで良かったと思え。」
と、ミチェ。
「ハルが消えたのは、私のせい」
「そうだ、展開を変えたのは、ダノ、お前だから。」
ダノは泣きました。
泣きながらハルを探しました。無駄だと分かっているけど、ダノに出来るのはそれだけだと思ったのです。
「もう二度と展開を変えたりしません。作家が決めたとおりに動きます。」
ダノは、ミチェに言いました。
だから、ハルを探す方法を教えてほしいと。
でも、ミチェは言いました。展開を変えた代価がハルだ・・・と。
つまり、方法は無いと言う事ですね。
ドファも同じ決心をしていました。
ステージ上では、一生ジュダにとって自分は友達だと。それ以上は望まないと。
ナムジュと争うことも止めようと思いました。
で、展開を変えてしまったことを謝りました。
ギョンはダノに優しくなりました。ダノの心の内を知ったからかもしれません。
でもね、ダノはハルのことで頭が一杯で、ギョンのことを考える余裕はありませんでした。
誰もハルのことを全く覚えていないのが辛くて、つい、精神的に不安定になってしまうダノを、ギョンは叱咤激励。
泣いてるダノを見つめるギョンの視線が切ないです。
学校帰り、家に送って行ったり、泣いて腫れた目を手当てしてあげたり。
以前のギョンとは別人のようです。
何をしても気分が晴れないダノ。
展開を変えたいなら、俺が手伝う・・・とギョン。
でも、ダノは言いました。ハルしかできない・・・と。
ギョンは、恵まれているダノが、展開を変える必要は無いだろうと言いました。
「でも、死ぬじゃない、私。作家が死ぬシーンを描けば、その通りになる。私は余命僅かな女子高生よ。その限られた時間がメインキャラのために使われるの。ギョンの婚約者で主人公の同級生である前に、私はウン・ダノなの。ダノとしての時間がどれだけ大切か・・・。あなたには分からない。」
ギョンは何も言えなくなりました。
ギョンが自我に目覚めたとドファも知りました。
喜びました。仲間が増えた気分なんでしょう。
体育祭が開かれました。
セレブ学校とて、まぁたくさんの協賛品が集まりました。食べ物や医療品等々。
皆盛り上がって体育祭と言うより、イベント会場の様です。
ダノはステージではギョンの婚約者として参加してます。心臓病のせいで、激しい競技に参加することはありません。でも、ギョンと一緒に過ごせるから幸せ・・・なんてセリフを言うんですね。
でも、シャドゥになると、途端に不機嫌な表情になり、会場から出て行こうとしました。
ギョンが引き留めました。
「お前は俺の傍にいるしかない。設定とかじゃなく、それがお前だ。俺だけを見てればいい。俺たちはあいつのせいで変わった。」
いいえ・・・とダノ。
「変わってないわ。あなたを見てた私は本当の私じゃないの。」
ところが、次の瞬間、また、ステージに場面が展開。
気付いたら、ダノはギョンと二人三脚をすることになっていましたよ。
ステージなので、ダノは嬉しそうにギョンと肩を組んで歩き出しました。
上手くゴールするかと思ったら、途中で、ダノは胸が苦しくなって、崩れるように座り込んでしまったのです。
ギョンは怒ってダノをコースに残し、一人去って行ってしまいました。
ダノは泣き出してしまいました。
その時です。ハルが
以前とはどこか雰囲気が違います。
でも、姿かたちはハルです。ただ、左手の傷がありません。
ハルはダノをそのままにし、ギョンの元に行きました。
まるで親友のような態度でギョンに接します。
戸惑ったのは、ギョンの方です。
ダノは嬉し泣きをしながら、ハルに駆け寄りました。
でも、ハルは知らない人を見るような目でダノを見て、そのままスルーしました。
呆然とするダノのところに、ドファが慌てて駆けて来ました。
『秘密』にハルのプロフィールが加わっていたのです。
“ハル テニス部 ギョンを慕っている”・・・と。
そして、ハルはシャドゥの事を知りません。ステージに存在しているだけでした。シャドゥでのダノとドファのことを知らないのです。何らかの理由で忘れているの
それとも、忘れてるフリをしてるだけ
ミチェにも、ハルが記憶を本当に失くしてしまったのか、フリをしてるだけなのか、判断が出来ませんでした。
「今の方が、昔の姿に近いかも。」
と、ミチェ。
ミチェが読んでいたもう一つの漫画『凌霄花』のキャラクターのことでしょうかね。
ダノの家にギョンとギョンの父が突然やって来ました。
ギョン父は、息子がどうしても早くダノにプレゼントを渡したいと言うので・・・とかなんとか。もち、口実です。ご機嫌伺いってことですよね。
いつもなら、黙って父親の言う通りにするギョンですが、この時は違いました。
プレゼントも父親が用意したモノだし、こうするのも、ダノの気持ちを利用してるだけだと気付いてないのかと、ダノ父に言ったのです。
勿論、シャドゥの中での事でした。
場面が変わったら、忘れてしまうと分かっているから、ギョンは言いたい放題だったってことです。
その通りになりました。場面がステージ変わった途端、嬉しそうにダノはプレゼントを受け取り、ギョンも嬉しそうに話を合わせたのです。
2人になった時、ダノはギョンに怒りました。罪悪感は無いのかと。あまりにも言いたい放題だったからです。
ギョンはダノのせいでイライラすると言いました。
「お前の望みはエキストラから脱出する事か、長生きか、それともあいつかお前の運命を変えられるのは、俺だ。エキストラじゃなくて、お前の相手役ペク・ギョンだ。手伝ってやる。本気だ。」
ギョンはステージの中では、作家の描いたとおり、父親に従順な態度を取りました。
でも、シャドゥに変わったと分かったら、本心をぶちまけました。
父親に殴られました。でも、次の拳は避けました。シャドゥですから。
学校でハルに会ったギョン。
ふいにハルを試してみようとでも思ったのでしょうか。『秘密』を読んだことがあるかと聞きました。
いいや・・・とハル。
でも、次の瞬間、ギョンの頬が腫れている事に気が付いたのです。父親に殴られた痕です。
えシャドゥでのことよね。ステージじゃ、描かれないんじゃなかったっけ
あれ今はシャドゥなの
分からない・・・
ミチェは思い出していました。
以前、消えるかもしれないとミチェが警告した時、ハルは言いました。
「何時消えるか分からないエキストラじゃなく、誰かの運命を変えられる唯一の人になりたい。」
ダノがミチェに会いに来ました。ミチェしか話し相手がいないのです。
自分の寿命を延ばすことが、この世界で自分が作れる答えだと思った・・・とダノ。
でも、戻って来たハルはダノの事を覚えていません。ハルだけがダノを助けてくれる唯一の人だったのに、それをダノ自身が壊してしまったのです。
このままでは、ダノに残された時間は短いままです。
ハルがステージとシャドゥの間を行き来し始めました。
まだ本人は気づいていませんが、舞台が変わる音を耳にしたのです。
そして、図書室の奥、彼が描いたダノや様々な絵の貼ってある空間に導かれるように歩いて行きました。
そこには、あのブラックホールのような穴が