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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

東京電力が犯した大罪と電力会社の懲りない体質

2013年07月31日 12時17分02秒 | 深刻な問題

◆◆東電福島原発の放射能汚染水漏えいの発表が遅れた件(3日前の金曜日には分かっていたが、選挙後の月曜日に発表)について記者が選挙のためかと聞き、広瀬社長が間髪を入れず「違います」と答えた。これを信用する人は少ないだろう。

 東京電力には社外取締役を半分以上を送り込んだのに何ということか。すっかり虜まれたのか。東京電力がこれまで犯した大罪は①津波の設定が甘すぎた上に見直しの機会を見送った、②全電源喪失をさせてしまった、③原子炉をメルトダウンさせ、④放射能拡散等で多くの人を被爆させてしまい・・・安全神話(自らが作成し、国民を信用させた)を壊し日本の信用を著しく失墜させた事である。

 今回の発表遅れは過去の体質をそのまま引きずっている。あれだけの事故を起こして改革がなされていない。私は、安全性が確認されれば原子力の再起動に賛成だが、とてもとても安全性が確認されるには程遠い。福島原発が収束しないで再起動は無い。

 東京電力は明言しないが地震の想定も甘かった可能性は高い。2007年7月16日の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力は恐らく想定値を超えている。あの時は、データ喪失(電力の設備ではあり得ない)でうやむやになった。

 津波の設定は相当お粗末であるが、電力社内で有力者が設定した条件を変更するのが大変な事は分かる。しかし、事、安全に関わる事なので妥協の余地はない。全電源喪失は技術者としての恥である。原子力発電所であることを考えると、どのような状況になっても絶対に電源を確保する5重6重の安全措置が必要だった。

 特に発電所の課長以上は日頃から相当の時間の余裕が有る。様々な状況を想定して、チェックやシミュレーションするのは当然の事であり、これらの基本的な業務を怠っていたと言わざるを得ない。安全対策はルーチン業務ではないし安全に絶対は無い。安全に対する意識があまりにも低すぎる。

 法律は無いものの、メルトダウンに関わる設備や技術の責任者は、終身刑に相当するような罪を犯している。事実関係や責任を明確にしておかない限り、同じような事故は必ず起こる。

◆◆何度も書くが、電力会社の発電所、営業所、研究所は総じてまじめで、規律が守られている。問題は本店という城に住む一部のインテリやくざと言うか化け物だ。

 電力会社の中枢で全部がデタラメとは言わない。しかし、自民党国会議員が人事に最も大きな影響力を及ぼす組織で、特別管理職になったら仕事しない。自浄機能を持たず、事実の究明がなされず、嘘がまかり通るので、何が有ってもおかしくはない。

 肩で風切る事務屋は巧妙な嘘つき。一般社会の事は知らないし、能力の高い人間は電力会社には来ない。出来るのはメーカーや業者を呼びつけて威張ることぐらいかな。巨額な資金が有るからね。私が電力会社を早期退職したのは「こんないかさま会社には1秒もいたくない」と思ったからだ。

 私事だが、最後の職となった大学出向時、電力会社でも成果評価制度を導入し、やっと自分の出番と思い頑張って実績を上げたが、上司の支店長から「君は電力に貢献していないからB(平均)」と言われた。理屈に合わない話。対立していたバックだけ大物(父親が元官房長官の後藤田正春の後援会長)から指令が来ていたことは明らかだった。

 そもそも電力会社は成果評価で昇進する組織ではない。自ら経験の無い事を評価できないから、政治力学(頼まれたり)とか好き嫌いとかで決めて、鉛筆をなめなめ成果評価点をつける。特に実績のない人物が社長になり、石橋を叩いて叩いて壊してしまったような人物が副社長になったり。

 子会社で機械製造の新規事業を立ち上げて本店に戻ると、出向時は毎週のように社長への説明に伺ったが、本店営業部(課長職)では部長(バックだけ大物)に会うのに次長の許可が必要と言われる。

 権限なし(何をするにも次長の許可を要す)、予算無し、部下無しの状況に置かれた。監獄のような状況から、エコライト(深夜電力を蓄電し昼間の照明に使う)を発想し、殆どの電力の協力を得て、開発を推進した。

 本来電力会社本店の課長はメーカーの部長以上の権限が有る。ある日、常務だったかな、呼ばれて監獄状況を説明したら「そんな馬鹿な話があるわけない」で一蹴され、聞いてももらえなかった。私の苦しみはどうしてくれるの。

 電池に想定していたリチウムイオン2次電池はコストや安全性の課題が有った。それをバックだけ大物に報告すると「そうじゃろう、そうじゃろう」と喜んでいた。解決のため、日本電池(当時)が開発中だった顆粒クラッド鉛電池に切り替え、経済性などで見通しが出てくると担当部長が報告書を受け取らない。

 既にバックだけ大物は取締役、部も事務方と技術方の二つになり技術の部長が就任していた。突然、「この2階の窓から飛び降りろとまでは言わないが」などと言う。関係者に相談したがバックだけ大物は余程恐ろしかったらしく当たらず触らずだった。そこでプロジェクトは解散(全電力会社、電力中央研究所、パナソニック、三菱電機には大変ご迷惑をおかけした)

 開き直る手は有ったが、修羅場になるし、昇進したかったのでおとなしくしていた。今から思うと暴れても良かった。返す返すも残念だった。

 もし、エコライトが実用化されていたら、福島原発事故の省エネ時に多少でもお役に立てていた。実証試験は2件成功していた。昼間ピーク時の照明負荷は12%ぐらいあるから、僅かなピークシフトでも役に立つ。

《参考電力設備は1年間の最大電力のために準備しており、最大電力は7月とか8月の14時ごろに出る。エコライトで1%ピークシフトできると、東京電力の最大電力を5600万kWとすると56万kW分が助かり、これは火力発電所1基分に相当する。一般家庭が3kWとすると大雑把な考えで19万世帯が節電しなくて済む計算》

 一方で、バックだけ大物は多額の予算(数十億円)を使ってインターネットシステムを開発していたが、東電が採用しなかったので大失敗したもののうやむやになった。しかし、バックだけ大物を含めて責任者二人が常務まで昇進した。(エコライトで使った予算は数十億に比べれば誤差範)

《想い出したが、バックだけ大物は営業部課長時代に全営業所に産業需要の数字を水増し粉飾するよう指示し、取締役会などに粉飾データを提出した人物。つまり、自然増の産業需要を、さも自分達の実績のように水増しさせていた。全社員に配布された対話マニュアルには粉飾データが記載されていた。能力は疑問だったがそういう才能は有ったね。

 粉飾データの事は後に上へ報告したがおとがめなしだった。やはり元官房長官後藤田正春をバックにしていた威力か?夜は会議費や交際費(電気代)で飲みまくった。体格が良かったし、底なしに飲んだんじゃないか。何しろ、課の全員を引き連れて毎晩毎晩飲み屋でどんちゃん騒ぎ。私はそういうのが嫌いなの一人残って残業していた。

 営業部は会議費や交際費を特別に持っていたから、営業した名目で、出来るだけ税金のかからない会議費にする。これも粉飾で利用》

 官僚の世界同様、トップを騙して予算取りすれば結果に関係なく昇進する典型的な例。大失敗組は大昇進、成功組はプロジェクト解散で評価ゼロになった。因みにバックだけ大物の指示で私のたたき役に回った連中は全員異例の昇進となったね。

 何故、バックだけ大物と対立するようになったか。電力会社に協力していた企業の倒産を防いだから。ある日、関係会社の社長が営業部に協力企業への支援を止めたいと報告に来た。5000万円までの欠損は関係会社社長の判断で決済できるから、支援を切りたいとの趣旨だった。支援を切れば100%倒産だった。

 私は呼ばれていなかったが「待ってください」と言ったら何を待てと言うんかと怒鳴られた。協力企業は農産物を中心に除湿で乾燥する装置を開発しており、その普及で電力需要も伸びていた。協力を得て二人の社員が社長表彰を受けていた。私は研究費を確保し、共同研究契約を結び積極的な展開をスタートさせた矢先だった。

 夜、懇親会の席で、バックだけ大物がくると「お前は手を引け」と大声で怒鳴ったが「手を引きません」と返答した。それからが大変で可能性のあるところへは全て頼みに行くなど走り回った。結局、共同研究していたカツオのカビ付けが成功し、ヒットしたので業績が急回復し助かった(簡単に書いたが倒産しかかった企業を復活させるのは不可能に近い).

 本来は喜ぶべきところだが、成功が逆にバックだけ大物には気に入らなかった。その後、営業部では四面楚歌、針の筵となった。既に書いているので具体的には触れないが、私が普通の人間なら3回倒れて、1回死んでいただろう。同窓が3人亡くなり(先輩が2人、後輩が1人)、2人が深刻なダメージを受けたのを見てきた。やくざ集団の中では優秀で真面目な人間は弱い。

 私もチャンスは何度も有った。例えば二人の副社長から良い申し出が有った。後に副社長となった先輩は仲が良かったので、多少の事は実現してくれただろう。しかし、私は実力を評価して欲しかった。人間関係で評価されるのは嫌だったので良い話も断ってしまった。何が良いかはわからない。

 トータルで7500kWぐらいの需要を作ったか。開発実績は数えきれない(現在も大手企業で採用されている設備も多数有れば、地域の産業起こしになった装置も有る)。電力の協力会社倒産を救い、関連会社の新規事業を手掛けた。大学では共同研究(企業から研究費を貰う)の記録を作った。ただし、常に過大なストレスを抱え、精神状態が悪かったので、家族、とりわけ子供には大変申し訳なかったと思う。