
古いレコードの山の中でも、廃盤になってしまってCDとしての復活もなく、とても残念だったのが、小林倫博氏の曲だった。
氏は、鹿児島県出身で、東京の美大を卒業している。
氏が、デビューしたのは1977年。井上陽水、吉田拓郎、泉谷しげる、小室等のフォークシンガー4人が1975年に設立したあの伝説の(?)フォーライフ・レコードの何人目かの新人だった。
オリジナルアルバムは3枚、シングルレコードは、12枚出している。
私が買わなかったのは、LPに入っていたシングルレコード3枚だけ。
あとは、全部買ったのだった。
あの当時だから、愛や恋の唄が中心ではあるのだけれど、何気ない日常生活からの物語のような歌を作っていたアーティストだった。
美大ということもあり、独特のセンスのある歌が好きだった
最初のアルバム、「第一印象」では、私の一番のお気に入りは、2ndシングルになった「東京シティー」だった。
歌の内容で、
ここに一人来た頃(それだけで)
ねずみ色の街でも(ときめいた)
季節を伝える風に向かって
口笛鳴らせば 夢かなう気がした
という部分や、
だけどここを離れて 生まれた町へと
帰る気持ちになれないのはどうして
生まれた故郷(くに)を離れて 父や母もここで暮らすと
言い出したら それもまたいやだろ
などという内容も、自分の心境にマッチしていて、ずいぶん気に入っていた。
なお、繰り返される次のサビの部分
東京シティー 夢逃げる
東京ララバイ 寝つけない大人たち
ここに出た「東京ララバイ」は、その後松本隆氏がいただいて、中原理恵のデビュー曲名になったのだそうだ。
ほかに、「ローソク1本の話」も好きだった。
男同士が、安いウイスキーを飲みながら「世の中の女はみんな見る目がない」と歌う歌の内容も、当時の学生の身には、同感!だったのだ。
先日、レコードからCD化して繰り返し聴いている。
聴くたびに、学生の頃の自分やその頃の下宿、今は行方も分からなくなってしまった友人のことなどが思い出される。
最近、ネット検索していたら、小林倫博氏本人のHPを見つけた。
その中の「『鳴かず売れず飛ばず』の記録」では、「東京シティー」を含め、何曲か試聴できる。
うれしい発見だった。