夏の終わり、秋口に、あちこちの家の庭や道端などで、涼しい顔をして咲いている花を見かける。
何だろう、この白い花。
小さいけれど、花の部分が固まって咲いている。
一つ一つの花が星形のようでもある。
わりと可愛い花じゃないか、と思って好きになったのは何年前だろうか?
その後、意外なことに、この花を畑で見かけた。
おお、これって、食べられる野菜の花?
この野菜は…???
よく知っている野菜の花とわかった。
確か、われわれが、縦に長くすらりと伸びた葉を好んで食べているものだ。
レバーと一緒に炒められた定食は、よく食べられている。
学生時代は、安い中華料理店でこの名前の入った定食を結構食べたものだ。
レバー、定食、と言えば、「レバニラ定食」である。
つまり、このかわいい花を咲かせていたのは、ニラだったのだ。
それがわかって驚いたが、道端などでも咲いているたくましさがある。
そういうところが好きな花だ。
ニラの花とわかってから、自分の庭にも、いつ頃からか、同じ花が咲いているのを見るようになった。
しかし、花がきれいなので、わが家のニラは取ったり味わったりせずに、もっぱら観賞用になっているのである。
今、わが家の庭の一角で、涼しい顔をして咲いている。