注目のサッカーJ1アルビレックス新潟の新監督の発表があった。
樹森 大介 氏。
誰? 知らない。 聞いたことがない。
…そういう人が多くいたことだろう。
もし、新潟のサポで知っている人がいるとすれば、よっぽどJリーグに詳しい人なのだろうね。
2023 - 2024年 水戸ホーリーホック トップチーム コーチ
だったそうだ。
ちなみに、2012 - 2022年 水戸ホーリーホックユース 監督
※2015年7月 - 2016年1月は、水戸ホーリーホック トップチーム コーチを兼任。
だとのこと。
この人事を巡っては、さっそくSNS上で賛否両論出ている。
否定的な人は、だいたい
- ほとんど無名である
- J1の指導歴がない
- 監督経験がない
などということを不安材料に上げている。
そして、来季終了後はJ2降格決定だとか言っている。
言いたい人には言わせておけばいい。
寺川部長らスタッフが、熟考の末に白羽の矢を立てた人だ。
信頼して任せることにしよう。
だいたい、新潟の監督と言えば、ここのところ何人か、みな新人監督。
歴代監督にも、新人監督が多かったのだ。
松橋力蔵、アルベルト・プッチ・オルトネダ、吉永一朗、片渕浩一郎、吉田達磨、黒崎久志、そして反町康治。
アルビレックス新潟は、指導者を育成するタイプのチームと言えるのかもしれない。
樹森大介氏の起用が、はたしてどのような結果につながるのか見守りたい。
私は、否定的な意見ではなく、肯定的に受け止めたい。
そうしたい最大の理由は、先日読んだ反町康治氏の著書「サッカーを語ろう」にある。
日本代表チームを強くするためには、いい選手を育成しなければならない。
いい選手を育成するためには、指導力のあるコーチ・監督を育てなければならない。
そう言う点で見ていくと、反町氏は、日本には若くして監督になる人が少ない、という。
取得すべきライセンスの都合上、若くしてはなかなか監督になれないのだという。
だから、そのライセンス取得の改善にも努めたのが反町氏だった。
2021シーズン開幕当初、J1の日本人監督の平均年齢は、51.1歳。
ここに当時71歳のネルシーニョ監督(柏)、63歳のペトロビッチ監督(札幌)など外国人監督を入れると、平均年齢は53.5歳に上がるという。
実は、欧州の各リーグと比較しても、監督の平均年齢は大差がない。
だが、他国では、初めて監督となった年齢が若いのだ。
◆監督平均年齢及び( )内は監督スタート年齢
・ドイツ:ブンデスリーガ 46歳(34.9歳)
・スペイン:ラ・リーガ 52.1歳(35.5歳)
・フランス:リーグ・アン 53.4歳(36歳)
・イングランド:プレミアリーグ 53.7歳(36歳)
・イタリア:セリエA 53.9歳(35.2歳)
各国とも30代で初めて監督となり、経験値を増やしている。
ブンデスには、当時3人も30代監督がいたそうだ。
この年、日本で一番若かったのは、清水の秋葉忠弘監督で46歳だった。
こうやって見ていくと、樹森大介新監督は47歳であり、若すぎるわけではない。
だけど、J1で新人監督が誕生するのは、大きな意義があると思う。
経験しないと、サッカーの技術も指導力も上がっていかない。
だから、ぜひ樹森新監督にはがんばってほしいと思う。
今のJリーグを見ると、指導力のある新人監督を養成しようという意向が感じられない。
反町氏の思いとあまりにもかけ離れた監督人事が多いと思う。
少し成功したことのある人物の玉突き人事が行われている。
鹿島監督に前川崎監督の鬼木氏が着任するかと思えば、抜けた川崎監督になるのは前福岡監督の長谷部氏。
ほかにも、前セレッソ大阪の小菊監督がJ2降格のサガン鳥栖の監督に就任したりしている。
それぞれのクラブ事情はわかるけれど、新たに監督のキャリアをスタートさせて、日本のサッカー界に新風を巻き起こすようなことも考えてほしい。
そこに、アルビレックス新潟は挑戦することになるわけだ。
樹森監督は、水戸では主に攻撃を担当するヘッドコーチだったそうだ。
今年行き詰まった得点力アップに、新監督の手腕が発揮されることを大いに期待したい。
さて、この新監督決定を受けて、誰が残り、誰が来るだろうか。
新しいチームづくりが、これから大いに楽しみだ。
Visca Albirex !!