路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:熱中症に注意 十分な水分摂取忘れずに

2019-08-16 06:01:30 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【社説】:熱中症に注意 十分な水分摂取忘れずに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:熱中症に注意 十分な水分摂取忘れずに 

 旧盆が終わったとはいえ、まだ8月半ば。沖縄は最高気温が30度を超す真夏日が続く。日中の厳しい日差しや蒸し暑さへの警戒を忘れず、熱中症の予防に努めたい。

 県内では7月中旬に80代男性が農作業中に倒れ、病院搬送後に死亡が確認された。沖縄で熱中症による死者が報告されるのは統計を始めた2007年から8例目で、17年以来2年ぶりとなった。玉城デニー知事が今月9日の記者会見で熱中症の予防を呼び掛けたところだ。
 熱中症は、脱水症状で汗が出なくなって体温の調節機能が利かなくなったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりすることで起こるさまざまな症状を指す。始めは目まいや立ちくらみがあり、次第に頭痛、吐き気、だるさなどが現れる。早期に適切な処置を取らなければ、けいれん、筋肉の硬直、意識障害など命の危険がある重大な症状を来してしまう。
 高温、多湿の場所に長い時間いると熱がこもって体温が上がり、熱中症を起こしやすい。外出時には帽子や日傘を利用して、直射日光にさらされるのを避けることが重要だ。多く汗をかく場所では小まめに水分と塩分を取るように心掛けてもらいたい。
 乳幼児や高齢者は炎天下の外出は控えたい。高齢者は体の水分量が減ってきて暑さや喉の渇きを感じにくくなっているため、熱中症の自覚がないまま症状が重くなってしまう事例が多いことを意識する必要がある。
 屋内だから安全ということはない。4月29日~8月11日に県内で581人が熱中症で救急搬送されているが、このうち34%の199人の症状は住居で発生している。冷房や扇風機で通気を良くして熱を逃がし、屋内であっても水分を十分に摂取することを忘れてはならない。
 建設現場など猛暑の中で作業に当たる人たちは特に注意が必要だ。気掛かりなのは県内で労働災害の件数が高止まりの傾向にあることだ。背景には人手不足があるというが、長時間労働や安全管理の不備で命を危険にさらしてはいけない。
 屋外作業に当たる従業員には休憩と水分補給に気を配り、気温が一定の高さになったら作業を止めるなどの対策を企業は徹底してほしい。
 夏休みを利用してさまざまなレジャーに繰り出す時期だけに、遊びに夢中になる子どもたちには休憩を取らせるなどの声掛けをすることだ。海水浴やプールは大量に汗をかいていると気付きにくいので、長く日に当たらず、十分に水分を取ることが必要だ。
 気分が悪くなればちゅうちょせず日陰や冷房のある涼しい場所に避難し、休むことが第一だ。自力で水分を取れないような人がいれば、すぐに救急車を呼んで医療機関に搬送する。予防策と応急処置を知り、沖縄の長い夏を有意義に過ごしたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月16日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【金口木舌】:過剰な結婚報道

2019-08-16 06:01:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【金口木舌】:過剰な結婚報道

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:過剰な結婚報道 

 自民党の小泉進次郎衆院議員がフリーアナウンサーの滝川クリステルさんと結婚することを明らかにした。国会議員が首相官邸で結婚を公表するのは異例だ。テレビ各局は生中継を交えて大々的に伝え、新聞各社も大きく報じた

 ▼公表前には安倍晋三首相、菅義偉官房長官に結婚を伝えた。菅氏は記者会見で祝意を表し、月刊誌では小泉氏の閣僚起用にも前向きな姿勢を示した
 ▼「政治の中枢」とされる官邸で首相、官房長官を巻き込んだ展開に水島宏明上智大教授は「目立つのはメディア露出の巧妙さだ」と指摘する。「小泉劇場」といわれた父の小泉純一郎元首相を想起させる
 ▼進次郎氏は2008年に純一郎氏が政界を引退する際、後継に指名された。現在は自民党厚生労働部会長だ。今年5月の講演で父が首相時に掲げた「構造改革」との言葉を使い、年金などの社会保障改革に言及した。人口減少を念頭に「現役世代」の定義を変える必要性を訴えた
 ▼とはいえ、まだ当選4回で30代。政治家として実績を積むのはこれからだ。他の国会議員と異なるのは父親が元首相という点だろう。相手が著名なアナウンサーで話題性があるにせよ、過剰な露出に違和感を覚えた
 ▼多くの人の関心事に焦点を当てることも必要だが、政治家の動向を巡り国民に伝えるべきなのは政策だ。そのことを痛感する出来事だった。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。  

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【社説①】:戦没者追悼 過去の直視 欠かせない

2019-08-16 05:05:55 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説①】:戦没者追悼 過去の直視 欠かせない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:戦没者追悼 過去の直視 欠かせない 

 終戦の日のきのう、天皇陛下が即位後初めて全国戦没者追悼式に参列した。

 「過去を顧み、深い反省の上に立って」と言及し、不戦の誓いを強調した。上皇さまが昨年述べた内容とほぼ同じだった。

 安倍晋三首相は式辞で「惨禍を二度と繰り返さない」と述べた一方、アジア諸国への加害責任と反省には言及しなかった。

 これは第2次安倍政権発足後、2013年から7年連続になる。

 戦争で多大な犠牲を強いた加害側として、歴史を直視する姿勢を明確に示さなければ、周辺国との真の和解はあり得ない。

 首相は「歴史の教訓を深く胸に刻む」とも述べた。ならば加害責任に言及すべきだった。

 教訓を語り継ぐことに終わりはない。年を重ねても、政府は真摯(しんし)な態度を取り続ける必要がある。

 加害責任に伴う問題は、周辺国と今なおあつれきを生んでいる。

 韓国とは元徴用工らへの賠償を巡る問題で政府間対立が激しい。貿易手続きを巡る報復合戦にまで至ったのは憂慮すべき事態だ。

 文在寅(ムンジェイン)大統領はきのう、日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」の演説で、日本政府による韓国への輸出規制強化について「不当」と非難した。

 ただ、徴用工や従軍慰安婦など具体的な歴史問題には触れず、関係改善を探る考えも示した。

 日本側は苦難を強いられた被害者の立場に立ち、韓国側は、賠償問題は解決済みとした過去の政府間合意を踏まえ、互いに歩み寄ってもらいたい。

 歴史認識を巡っては、戦没者の追悼のあり方も課題として残る。

 靖国神社が1978年にA級戦犯14人を合祀(ごうし)した後、首相や閣僚らが参拝するたび、中国などの反発を招いてきたからだ。

 靖国神社が昨年秋、当時の天皇陛下(上皇さま)に神社創立150年に合わせた今年の参拝を求める「行幸請願(ぎょうこうせいがん)」を宮内庁に行い、断られたことも明らかになった。

 上皇さまの元側近は「政治的にも国際的にも多くの反響を呼ぶ。とても参拝できる状況ではない」と語ったという。当然である。

 靖国参拝の問題を受け、02年には当時の福田康夫官房長官の私的懇談会が無宗教の国立追悼施設の必要性に言及している。自民党や日本遺族会などが反対したことで、その後議論は進んでいない。

 すべての人が思いを一つにして追悼できる環境をどうつくっていくか、改めて議論すべきだろう。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月16日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ヒグマ対策 市街地侵入防ぐ工夫を

2019-08-16 05:05:50 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【社説②】:ヒグマ対策 市街地侵入防ぐ工夫を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ヒグマ対策 市街地侵入防ぐ工夫を 

 ヒグマの生息域のすぐそばで暮らしていることを自覚し、遭遇を避ける努力が欠かせない。

 札幌市南区の住宅街に連日出没していたヒグマが駆除された。市は「餌に執着する行動は異常」で射殺の判断を下したという。

 地域の人々は胸をなで下ろしているのではなかろうか。

 ただ、南区では親子とみられるクマなどの出没情報も相次いでおり、警戒を怠らないでほしい。

 クマを人間の生活圏に立ち入らせない工夫が重要だ。

 自治体など関係機関には、出没情報の提供と、正しい知識の普及啓発が求められる。

 札幌市内での出没情報は、本年度は160件(14日現在)と、過去10年の同期比で最も多い。

 市が2016年にまとめた調査結果によると、市内近郊には少なくとも12頭の雌が生息している。親から離れた若い雄が、新たな生息域を確保しようとする過程で市街地周辺に出没する傾向がある。

 ヒグマは頭が良く、農作物や残飯の味を覚えたら厄介だ。

 今回も家庭菜園のトウモロコシを食べ、出没を繰り返した。自分の餌と考え、近づいた人を攻撃する危険もあったという。

 市街地に入ると、猟銃の使用が法律で禁じられるなど、駆除は簡単ではない。麻酔銃もあるが、クマは麻酔が効くまで時間がかかり、暴れ出す恐れがある。

 肝心なのは、実効性のある侵入防止策だ。ごみステーションやコンポストを頑丈にする。電気柵でショックを与えれば、人里は危険だと学習させられよう。

 こうした対策への自治体の支援が不可欠だ。

 クマは河畔林や緑地を伝い、市街地に侵入しやすい。周辺の低木や雑草を刈り取り、隠れ場所をなくすことも効果的である。

 山に入る時は、出没情報や対処法を確かめ、足跡やふんを見つけたら引き返す勇気が必要だ。

 個体減が懸念され、30年前に春の駆除が廃止された。12年度は全道で1万600頭と当時の1・8倍に増えたと推測されるが、人を恐れないクマも現れている。

 道は人工知能(AI)やドローンを使い、クマの嫌う音や光を発して追い払う技術開発に取り組んでいる。実用化に期待したい。

 札幌市を含む石狩西部地域のヒグマは、環境省のレッドリストで絶滅の恐れのある地域個体群に指定されている。個体数の把握に努め、理想的な共生のあり方を模索する必要がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月16日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:きょう終戦の日 対話こそ平和紡ぐすべだ

2019-08-16 05:05:40 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説①】:きょう終戦の日 対話こそ平和紡ぐすべだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:きょう終戦の日 対話こそ平和紡ぐすべだ 

 アジア太平洋地域でおびただしい犠牲者を出した戦争に敗れてから、きょうで74年を迎えた。

 日本は戦後これまで、戦争の当事者になることなく、平和な時代を享受してきた。ただ、内外の現状をみると、築き上げてきた平和が揺らいでいるように感じる。

 国際社会に対する不戦の誓いを堅持し、恒久平和を確固たるものとするにはどうすればいいのか。考える日にしたい。

 韓国との関係はかつてないほど悪化している。歴史問題が決着せず、非難の応酬を繰り広げる現状は目を覆うばかりだ。

 軍備の拡大を図る中国や北朝鮮が地域の安全保障に与える悪影響も座視できない。

 国内に目を向ければ、安倍晋三首相が7月の参院選で改選過半数を獲得し、9条をはじめとした憲法の改定に意欲を見せている。

 日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求する。それが9条の理念だ。ゆるがせにはできない。

 平和憲法を持つ日本だからこそ対立を避け、安心と寛容に満ちた世界の構築に積極的に関わっていくことが大事だ。

 そのためには相手を知り、理解することが欠かせない。

 終戦の日に、対話の大切さを心に刻みたい。

 ■報復の連鎖に危うさ

 政府間で解決済みとしてきた元徴用工への賠償問題が再び浮上したのをきっかけに、日韓両政府が貿易手続きを巡る対抗措置を打ち出し合う泥仕合を展開している。

 安倍首相も文在寅(ムンジェイン)大統領も互いに批判を繰り返すだけでは、報復の連鎖は断ち切れない。

 従軍慰安婦問題でも溝は深い。対話を密にし、互いに相手の立場を理解して、歩み寄りを模索しながら、解決を図るべきである。

 中国との関係改善は経済面での協力が軸で、安全保障を巡る緊張緩和は進んでいない。

 日本固有の領土である沖縄県・尖閣諸島周辺では中国船の領海侵入が続く。ロシアとの軍事協力も進め、最近、日本海などでの合同パトロールも実施した。

 A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社への政府要人の参拝には中国の反発が根強い。懸案を解決しないままでは真の友好は望めない。

 北朝鮮は7月下旬から連日のように短距離ミサイルを発射した。

 拉致問題は一向に進展せず、このままでは国交正常化のめどは立たない。

 ■改憲の時期ではない

 戦後日本の国是である「専守防衛」をないがしろにするような動きも強まっている。

 憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を可能とした安全保障関連法の成立が大きな要因だ。違憲の疑いが強く、廃止するのが筋だ。

 これを受けて日米の軍事一体化が加速する中で、トランプ米大統領が日米安全保障条約について、日本の米軍への防衛義務がないとして「不公平」を口にした。

 ホルムズ海峡を航行する船舶の安全確保を名目にした有志連合への参加も要請した。

 憲法は海外での武力行使を禁じている。このまま米国の意向に沿って歯止めなき追従を続ければ危うい。

 先の参院選で安倍首相は、9条に自衛隊を明記する自民党案に言及して、憲法改定を積極的に争点に据えた。

 だが、参院選後の世論調査では安倍政権下での改憲に過半数が反対した。国民の理解が進まず、国会での合意形成も不十分なまま、改憲ありきで取り組む姿勢に強い違和感を覚える。

 ■多様な見方を重ねて

 戦後70年以上が経過しても消えない歴史問題は、東アジアの安定を損ねる火種と言える。

 ただ、その対処について一つのヒントがある。

 米コロンビア大のキャロル・グラック教授(歴史学)は歴史問題での対立を、「(過去の戦争に関する)国民の物語同士の衝突」と分析する。

 戦争の歴史をどう見るかは立ち位置によって変わる。国民の物語は自国側からの視点だけで、記憶は単純化されやすいため、相通ずることはなかなか難しいという。

 対立を和らげるには、相手の記憶を尊重しつつ、自らの記憶に多様な見方を加えていくことが重要になると教授は指摘する。

 そのために必要なのは、市民や学生も含めたさまざまなレベルでの対話や交流だ。

 日韓の対立が深まる中、両国の市民が友好のメッセージを交わす動きが見られた。政治的利害を超えて、相互理解を図る試みとして注目したい。

 まずは冷静になり、話す環境をつくり、胸襟を開く。それが平和を継続的に紡いでいくことにつながるに違いない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:北方領土墓参 空路の定例化が急務だ

2019-08-16 05:05:30 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説①】:北方領土墓参 空路の定例化が急務だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:北方領土墓参 空路の定例化が急務だ 

 北方領土の元島民らが航空機を利用して国後、択捉両島を墓参した。空路での墓参は一昨年、昨年に続き3回目となった。

 だが、元島民らが求める空路墓参の定例化や訪問先の拡大は見通せない。ロシア側が首脳合意に基づく「特別な措置」と主張しているためだ。

 墓参の実施方法を巡って主導権を握ることで、四島の実効支配を誇示するロシア側の狙いが透けて見える。

 北方領土墓参は、冷戦下でも一時期を除いて人道的措置として続けられてきた経緯がある。高齢化が進む元島民の負担軽減を目的とした空路墓参を、外交交渉の駆け引きに使うべきではない。

 日ロ両政府は人道的な観点から、訪問できる墓地を増やし、空路墓参の定例化を急ぐ必要がある。

 今回は元島民ら67人が2班に分かれ、10日から1泊2日の日程で国後島の泊、択捉島の留別、ポンヤリの墓地を訪れた。

 いずれもロシア側が立ち入りを制限し、5年以上訪問が実現していなかっただけに、一歩前進といえよう。

 ただ、この3カ所を含め、これまで立ち入りが難しかった墓地への訪問が継続的に認められるかは分からない。

 立ち入り制限はロシア側が進める四島の軍事化も影響しているとみられる。制限を安易に受け入れれば、軍事化に拍車をかけることにもなりかねない。

 今回、日本メディア関係者がロシアの国内法に違反する取材をしたとして罰金を求められる事態も発生した。日本の外務省職員が抗議して支払いを拒否したが、一方的な強硬姿勢は看過できない。

 こうした対応は、日ロ両政府が検討する共同経済活動の妨げになる恐れがある。

 墓参が北方領土の主権問題を棚上げにする形で行うビザなし渡航の枠組みで実施されていることを忘れてはならない。

 同時に、空路墓参の実施を毎年の首脳会談の合意事項とする方式を改めるべきだ。

 領土交渉が膠着(こうちゃく)状態に陥る中、首脳会談で少しでも成果を出したい日本側の弱みを突き、ロシア側が訪問条件の緩和を小出しにしているようにも見える。

 元島民の平均年齢は84歳を超え、健康への配慮が欠かせない。空路墓参の拡充だけでなく、家族らと一緒に四島を訪ねる自由訪問などにも航空機の利用拡大が求められる。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月14日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:「森友」捜査終結 国会に真相究明の責務

2019-08-16 05:05:25 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説②】:「森友」捜査終結 国会に真相究明の責務

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:「森友」捜査終結 国会に真相究明の責務 

 学校法人森友学園を巡る財務省の国有地売却交渉や決裁文書改ざんに関する大阪地検特捜部の捜査は、告発された関係者10人を再び不起訴とし、終結した。

 有印公文書変造・同行使の容疑などで告発された佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官らが不起訴となったことに対し、大阪第1検察審査会が3月に「不起訴不当」と議決したが、再捜査で結論は変わらなかった。

 8億円もの国有地の値引きがなぜ行われ、官僚が国会を欺く前代未聞の決裁文書改ざんになぜ手を染めたのか。司法の場での真相究明は期待できなくなった。

 だが行政の公正性や透明性をゆがめ、議会制民主主義の根幹を危うくした問題を、このままうやむやに終わらせてはならない。

 国会は佐川氏らを呼び、事実を解明する責務がある。

 検察審査会は「一般市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されず、言語道断の行為」だと改ざんを厳しく批判していた。

 法的責任を問われなくても、市民感覚に根差した疑問は残る。

 思い起こすべきは、安倍晋三首相夫人の昭恵氏と学園の関係を示す複数の記述が、改ざんによって削除されたことだ。

 改ざんの契機が、「私や妻が関係していたなら首相も議員も辞める」と述べた2017年2月の首相の国会答弁だったことは財務省の調査報告書も認定している。

 佐川氏は昨年の証人喚問で、学園との交渉に昭恵氏の指示や影響は「一切なかった」と述べた。

 ならば、なぜ削除したのか。この肝心の点については「訴追の恐れ」を理由に証言を拒否した。

 これでは、値引きの背後に首相夫人と学園の関係に対する官僚の忖度(そんたく)があり、だからこそ改ざんによって「不都合な事実」を消そうとしたのではないかとの疑念を拭い去ることはできない。

 佐川氏は訴追の恐れはなくなったのだから、真実を語るのに支障はあるまい。衆参の予算委員会は直ちに再喚問を実施すべきだ。

 安倍首相は参院選の党首討論会で森友・加計問題に関し「私も妻も直接関わった証拠はなかった」と述べている。

 しかし昭恵氏はこの件で一度も国民の前に出て説明していない。国有地の賃料優遇措置について財務省に照会した、元昭恵氏付政府職員の谷査恵子氏もそうだ。

 当事者が口を開かずして、なぜ「証拠なし」と断定できるのか。昭恵氏の喚問と、谷氏ら他の関係者の国会招致も不可欠である。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月14日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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