路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:新学期を前に 居場所は学校以外にも

2019-08-23 06:10:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説①】:新学期を前に 居場所は学校以外にも

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:新学期を前に 居場所は学校以外にも 

 もうすぐ夏休みが終わり、新学期が始まる。学校に行くのが憂鬱(ゆううつ)な事情を抱える子どもたちの心模様を考えると心配な時期でもある。助けを求めていないか。心の声に耳を澄まし、見守ろう。

 夜間中学の教員や弁護士ら、不登校となった子どもたちと接している関係者は、学校が学力ありきの序列化や競争の波にさらされ、息苦しい場所になっているのではないかと懸念している。

 端的な例は全国学力テストだ。文部科学省は昨年度から成績公表を一カ月前倒しして七月末とした。学校が夏休み中に分析し、二学期からの授業の改善などに生かすことを期待している。

 大阪府の吉村洋文知事は、自身が三月まで市長をしていた大阪市の小学校国語の平均正答率が政令市中最下位だったことを理由に今夏の賞与分を寄付すると表明した。校長や先生たちには心理的な圧力となっているのではないか。

 学力は、自治体トップや学校のために向上させるものではなく、子どもたちの人生を豊かにすることが本来の目的のはずだ。本末転倒とならぬよう、まずは夏休みの思い出に耳を傾ける余裕を持って子どもたちを迎えてほしい。

 いじめなど悩みを抱えた子どもたちは誰にも相談できず、命を絶つしかないと思い詰めてしまうこともある。教育評論家の武田さち子さんは要注意サインとして、発熱や胃痛などの原因不明の体調不良が続いたり、昔のアルバムを引っ張り出したり思い出話をしたりするなどの行動を挙げている。

 自殺した子の遺族からは、他人の視線を気にするようになっていたという話も何度か聞いたという。強い不安の反映とみられる。

 周囲に気を使い、変化を感じさせない子もいるだろうが、もしサインに気付いた時には言葉に出して心配していることを伝えることが大切だ。じっくり話を聞き、安全確保策を探る。学校以外の居場所を選択することも一つの道だ。

 二〇一六年に成立した教育機会確保法では、子どもたちの休養の必要性を認め、学校外での学習の機会が得られるよう、子どもやその親に必要な情報を提供することを国や地方自治体に求めている。

 悩んでいる子どもたちは、周囲にSOSを伝えたうえで、心のエネルギーをためるための時間を確保してほしい。学校でなくてもいい。笑顔でなくてもいい。いいことも悪いこともある長い人生の一日一日をまずは生きてみよう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月23日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:羽田新ルート 丁寧に合意形成図れ

2019-08-23 06:10:30 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【社説②】:羽田新ルート 丁寧に合意形成図れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:羽田新ルート 丁寧に合意形成図れ 

 羽田空港の国際線増便のため、新たな着陸ルートの来春運用開始が決まった。東京都心を旅客機が低空で飛ぶことに地元の合意が整ったとは言い難い。国は今後も最大限、不安解消に努めるべきだ。

 多くの関係住民にとっては唐突な印象だったのではないか。

 石井啓一国土交通相が八日、来年三月二十九日から新ルートを導入すると発表した。発表前日の国交省の協議会では、東京都の副知事や二十三区の区長会長が事実上容認する考えを表明した。

 しかし、影響が大きい品川、渋谷区の区議会は、全会一致で計画の再考を求める決議や意見書を可決済みだ。市民団体の反発も根強い。いまだ石井氏が言う「地元の理解が得られた」状況ではない。

 新ルートは、南風が吹く夕刻に運用。一時間当たり最大四十四便が埼玉県南部から都心を南下し、渋谷付近で約七百メートル、品川区大井町付近で約三百四十メートルの上空を飛行する。大井町では地下鉄車内並みの騒音が懸念される。氷塊や部品落下の危険も指摘されている。

 羽田への着陸は現状、関東・中部に広がる米軍管制の横田空域を避けるなどの理由で東京湾から進入するしかない。来夏の東京五輪・パラリンピックに合わせて増便するため国が経路を見直し、一部横田空域を通過するルートの設定で米側と合意した。羽田の発着回数は年間で約三万九千回増える。

 国交省は、ショッピングモールなどでパネル展示や見込まれる騒音を聞いてもらうといった住民説明会を重ねた。騒音抑制のため、旅客機の降下角度を通常の三度から三・五度にして都心の飛行高度を数十メートル上げたり、低騒音機の着陸料を優遇したりの措置もとる。

 努力は認めるものの、万全ではない。国交省は来春にかけ新ルートに試験機を飛ばすが、決定前に行い住民の声を聞くべきではなかったか。降下角度変更は、騒音低減効果が低い割に操縦を難しくして事故を誘発するのではと新たな不安が出ている。増便は、管制方法の工夫で可能との見方もある。

 現在の着陸ルートでは、東京湾の対岸の千葉県に騒音などの被害が偏っている。首都の玄関の機能強化には、地域間の負担の分かち合いも必要だろう。

 ただ、全体の利益のためと国が決めたら、関係住民の意向は二の次-。そんな事業の進め方が安倍政権下では目立っていないか。国には引き続き住民の疑問や意見に真摯(しんし)に答え、丁寧に合意形成を図っていく努力が重要だ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月23日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:街の中で赤トンボが飛ぶのをみた。アキアカネだろう。きょうは処暑。

2019-08-23 06:10:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【筆洗】:街の中で赤トンボが飛ぶのをみた。アキアカネだろう。きょうは処暑。 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:街の中で赤トンボが飛ぶのをみた。アキアカネだろう。きょうは処暑。

 暑さが終わりに向かう時期である。晴れた日の暑さは、相変わらず酷ながら、ふと日差しが柔らかいと思わされる時もある。赤トンボ一匹のほかにも秋の気配はそこまで来ているようだ▼<いくもどり つばさそよがす あきつかな>蛇笏。トンボの別名、秋津を詠んだ名句ではないけれど、涼と残暑の間を行き来しながら、秋の色は濃くなっていくのだろう▼いつも夏が去ると感じさせるのが、甲子園での高校野球の閉幕である。昨日の決勝が熱戦だったおかげで、今年の余韻は格別だ。大阪の履正社に敗れ、北陸勢初の優勝を逃した星稜に、心の中で拍手をおくった方も多いだろう▼昔、取材した星稜の練習で、松井秀喜選手の打球の迫力と同じくらい驚いたのは、当時の監督山下智茂さんの正確にしておそろしくペースの速いノックだった。冬の悪天候でグラウンドを使えない日が多い。恵まれた地域の強豪に勝つために、そうなったのだと聞いた▼甲子園に戻ってくるたびに、鍛え抜かれた基本を披露するチームである。特に夏は見事に育てた逸材とともに記憶に残る試合を何度も演じてきた。屈指の右腕奥川恭伸投手がいた今年もそうだった▼悲願の初優勝の気配を濃くして、鍛えられた後輩たちがまた戻ってくるだろう。去りゆくチームの余韻である。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年08月23日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【首相の一日】:8月22日(木)

2019-08-23 06:10:10 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:8月22日(木)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:8月22日(木) 

 【午前】9時3分、官邸。15分、西村康稔官房副長官、長谷川栄一首相補佐官、外務省の森健良、山崎和之両外務審議官、山上信吾経済局長、武内良樹財務官、田中繁広経済産業審議官。10時3分、閣議。13分、山下貴司法相。11時、自衛隊幹部の離着任あいさつ。17分、兼原信克官房副長官補、外務省の秋葉剛男事務次官、森外務審議官。

 【午後】1時43分、森山裕自民党国対委員長。江藤拓首相補佐官同席。2時4分、国家安全保障会議の4大臣会合。世耕弘成経産相、石井啓一国土交通相同席。36分、西村官房副長官、長谷川首相補佐官、外務省の森外務審議官、正木靖欧州局長、高橋克彦中東アフリカ局長。57分、西村官房副長官、長谷川首相補佐官、外務省の森外務審議官、正木欧州局長、武内財務官、田中経産審議官、藤井直樹国交審議官、西田安範防衛審議官。3時42分、西村官房副長官、長谷川首相補佐官、外務省の森外務審議官、鈴木量博北米局長、田中経産審議官、藤井国交審議官、西田防衛審議官。4時、秋葉外務事務次官、武内財務官加わる。43分、北村滋内閣情報官。5時21分、鈴木俊彦厚生労働事務次官。56分、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長。6時33分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。日本料理店「千羽鶴」で経団連の御手洗冨士夫、榊原定征両名誉会長、三村明夫日本商工会議所会頭、桜田謙悟経済同友会代表幹事ら財界人と会食。8時32分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年08月23日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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