路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説】:終戦74年 惨禍の記憶を継承したい

2019-08-15 06:01:30 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・核兵器禁止条約

【社説】:終戦74年 惨禍の記憶を継承したい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:終戦74年 惨禍の記憶を継承したい 

 終戦から74年を迎えた。戦争の悲劇を改めて心に刻み、不戦の誓いを新たにしたい。惨禍の記憶は決して風化させてはならない。

 日中戦争から敗戦までの日本人の戦没者は310万人に上る。このうち約230万人は軍人・軍属等だ。
 沖縄では、おびただしい数の住民を巻き込んだ地上戦が繰り広げられた。帝国陸海軍作戦計画大綱(1945年1月)は沖縄を皇土防衛の「前縁」と位置付け、敵が上陸した場合、極力敵の出血消耗を図ると明記している。本土を守るための捨て石にされたのである。
 沖縄戦は凄惨を極め、日米合わせて20万人余が命を落とした。一般住民と現地召集などを含めた県人の犠牲者は12万2千人余に達する。住民の死者が際立って多い。
 日本軍は、住民の食料を奪ったり、避難していた壕から追い出したりした。スパイの嫌疑をかけられるなどして虐殺された人も多い。
 沖縄に配備された第32軍の「球軍会報」は、軍人軍属を問わず標準語以外の使用を禁じ、「沖縄語」で談話をする者は間諜(かんちょう)(スパイ)とみなし処分すると記している。
 「軍隊は住民を守らない」という事実は、未曽有の犠牲から得た教訓だ。
 このような惨劇を二度と繰り返してはならない。そのためには、日本がこの先もずっと、平和国家の道を歩み続けることが不可欠だ。
 ところが、近年の状況を見ると、無謀な戦争によって国が滅びかけたことさえ忘れてしまったようにも映る。
 安倍晋三政権は2014年、憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認すると閣議決定した。翌15年には自衛隊の海外活動を地球規模に広げる安全保障関連法を成立させている。戦争や紛争に国民を巻き込む危険を増大させる政策だ。
 集団的自衛権の行使は憲法上許されない、というのが一貫した政府の解釈だった。本来、一政権による閣議決定で覆せるほど軽いものではない。安保関連法自体、違憲の疑いが強い。
 安倍首相が意欲を示すのが憲法改正である。自民党は改正の条文イメージとして「自衛隊の明記」「緊急事態対応」など4項目を提示している。自衛隊の明記は、平和憲法の根幹である9条を事実上、死文化させる恐れがある。
 憲法の基本原理である「平和主義」は、多大な犠牲を出した大戦への反省から生まれたものだ。平和主義の精神を具体的に規定した9条を変える必然性は全くない。
 戦争がもたらした不幸を忘れ去ることはできないし、忘れてはならない。同時に、災いをもたらした国の仕組みや手法についても理解を深め、同じ過ちを繰り返さないように、目を光らせる必要がある。
 先の大戦から得られた反省と教訓をいま一度、思い起こしたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月15日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

 

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【金口木舌】:夏に花火大会、その理由は…

2019-08-15 06:01:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【金口木舌】:夏に花火大会、その理由は…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:夏に花火大会、その理由は… 

 時は戦乱の世。豊臣秀吉による小田原の北条氏征伐の前年、東北の雄、独眼竜の伊達政宗は、唐人(中国人)による花火を楽しんだ。これが史料で確認できる日本で最初の花火観賞らしい(福澤徹三著「花火」)

 ▼大きな爆発音を天空にとどろかせ、赤や青、緑、白の色とりどりの花火が夜空を彩る。うちわ片手に浴衣姿の観客の姿と合わせ、夏の風物詩となっている
 ▼この時期、全国各地で花火大会が催される。日本三大花火大会の一つに数えられる新潟県の長岡まつり大花火大会を見た。花火の迫力はもちろん、8月2、3の両日で過去最多となった108万人の見物客にも圧倒された
 ▼きらびやかな花火に人は魅了されるが、もともと長岡の花火大会は戦後の復興祈願から始まった。1945年8月1日、米爆撃機B29が1時間40分にわたり長岡の街を空爆。市街地の約8割が焼け野原となり、1488人が犠牲になった
 ▼終戦の翌年に長岡復興祭を開催、その翌年に戦争中に禁止された花火を再開したが、戦中の爆撃を思い起こさせると反対の声も上がったという。花火大会の前日1日には慰霊と復興への感謝、恒久平和を願い、白一色の尺玉3発を打ち上げる
 ▼どーんと大きく咲いて、ぱらぱらと散っていく。華やかさをめでる人があれば、亡き人を悼む人もいる。さまざまな人の思いを乗せて、花火は上がる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月15日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。  

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