路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:週のはじめに考える 道に迷う経済界へ

2019-08-19 06:10:40 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【社説①】:週のはじめに考える 道に迷う経済界へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 道に迷う経済界へ 

 経済界のリーダーたちが道に迷っています。デジタル革命や米中の覇権争いという変革と危機の中で何を目指すのか。見つけることができないのです。

 「今の世の中を壊し続けている諸悪の根源、経団連」

 七月の参院選で、れいわ新選組の山本太郎代表が経団連を厳しく批判しました。

 大企業の経営者は自らの報酬や会社の内部留保を増やす一方で、従業員の給料は抑える。消費税の増税を政府に提言し、不況になるとリストラに走る…そんな身勝手ともいえる経済界への批判です。

 ◆戦後民主主義の子

 同じ七月、経団連、経済同友会という二つの財界団体が軽井沢で恒例の夏の会議を開きました。

 経済、政治、外交、社会の課題で議論を交わす経営者たちには共通項があります。

 療養中の経団連の中西宏明会長(日立)一九四六年。代行した岡本毅副会長(東京ガス)一九四七年。同友会では桜田謙悟代表幹事(SOMPOホールディングス)一九五六年。戦後生まれです。

 戦前に生まれた財界トップは一九四〇年の三村明夫日商会頭(日本製鉄)くらいでしょうか。

 敗戦で軍国主義のくびきを解かれた日本は一九四六年に新憲法が公布され、平和と自由と民主主義の国として再出発しました。

 今、経済界をリードする経営者はその空気を思う存分吸って学生時代を過ごし、企業に就職した若者でした。

 だから接してみると、老練で強欲というよりも、その表情の中に戦後民主主義に育まれた青年を感じることが多いのです。

 戦後の経済の土台は連合国軍総司令部(GHQ)による農地解放や財閥解体による民主化です。経営陣も戦争の悲惨さを身をもって経験した世代へと若返りました。

 ◆歴史的な転換点

 彼らは鎮魂とともに同じ過ちを繰り返すまいと歯を食いしばり、暮らしの再建にまい進します。消費者のため価格破壊の安売りで流通革命を起こしたダイエーの創業者中内功さん(一九二二~二〇〇五年)はその代表でしょう。ソニーや松下電器などの発展のエネルギーもそこにあったはずです。

 高度成長は「一億総中流」の豊かさをもたらしましたが、世界の企業番付の上位を独占するほどの成功は過信を生みます。

 バブル崩壊後の長い低迷の間に中内さんの世代は次々と鬼籍に入りました。平成が終わった今、戦後生まれの経営者が直面しているのがデジタル革命、米中の覇権争いという歴史的な転換点です。

 周回遅れのデジタル革命、米中どちらかの市場を選ばされるかもしれない新冷戦。答えの見えない議論が続く中で印象に残るやりとりがありました。

 デジタル分野でなぜイノベーションは起きないのか。ゲスト参加の若い起業家が大企業と協業した時の苦い経験を語りました。

 「会社の中で自分がどう生き残るか、出世競争が大切な人ばかりだった」。染み付いた大企業病です。経営者も応戦します。「若手のベンチャーはすぐに株式を上場しておカネにしたがる」

 目指しているのはイノベーションより出世や安定やおカネ。それ以外の目標を見失っているように見えたのです。

 やはり戦場を経験した平岩外四さん(一九一四~二〇〇七年、東京電力)は経団連会長時代、「政策をカネで買う」と批判されていた政治献金のあっせんをやめました。政党と経済界の関係を見直すことで民主主義の在り方に一石を投じたのです。

 その平岩さんの好きな言葉が米国の作家レイモンド・チャンドラーの作品にあります。

 「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている価値がない」

 激しい競争の中で企業も経営者もタフでなければ生きていけない。でも、優しくなければ生きるに値しない。出世やおカネを超えた価値を目指した平岩さんや中内さんの原点、信念が見えます。

 では今の経営者に求められる優しさとは何でしょうか。「諸悪の根源」という批判を反対側から見ると分かりやすいかもしれません。自らの報酬は度外視する。積み上げた利益は賃上げや研究開発に先行投資する。低所得者に厳しい消費税増税は求めず、不況時には下請けを守り、雇用責任を果たすため、ギリギリまで努力する-。

 ◆生きている価値は

 資本主義経済の欠点は弱肉強食です。止まらない格差の拡大は暮らしを壊し、保護主義や排外主義を生んでいる。戦後生まれが享受してきた自由や民主主義が壊れかねない危機が広がっています。

 だからこそ噛(か)みしめてほしいのです。優しくなければ生きている価値がないことを。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【筆洗】:終戦の前年、喜劇俳優の古川ロッパは知人から、近く米本土空襲の大戦果が・・・

2019-08-19 06:10:36 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【筆洗】:終戦の前年、喜劇俳優の古川ロッパは知人から、近く米本土空襲の大戦果が発表されると聞かされた。

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:終戦の前年、喜劇俳優の古川ロッパは知人から、近く米本土空襲の大戦果が発表されると聞かされた。

 日記にこう書いた。<新兵器による-無人機的空襲-敵本土襲撃の話きいたが…すっかり元気づいてしまった…悲観論をふっとばして呉(く)れ>▼植木不等式著『ぼくらの哀(かな)しき超兵器』に教わった逸話であるが、軍国主義者でないロッパでさえ「新兵器」の話を前に、心を大いに高ぶらせていたようだ。開発中の兵器が完成すれば、日本は劣勢を脱するといううわさがあった時代である。多くの人が、新兵器に望みを託していたようだ▼「新兵器」という響きが形勢逆転の夢をいざなうのは今も変わらないらしい。ロシアで原子力企業職員が死亡する爆発事故が起きた。詳細は明らかでないが、原子力で飛ぶ新型ミサイルの実験中に起きたようだという▼米国の防衛網を突破する高性能を誇り、プーチン大統領も開発を認める新兵器である。放射性物質を積む危険すぎるミサイルとも指摘される。人気低迷の大統領は人心を兵器開発でなびかせようとしていないか▼北朝鮮では、ミサイルとみられる飛翔体(ひしょうたい)が次々に発射されている。こちらも迎撃困難らしく「新兵器」と宣伝する▼国民の心をあおることはできるかもしれないが、向かう先は孤立か、軍拡競争による危機か。国の指導者が新兵器にみいられた世界は悲観論の世界だろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年08月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【首相の一日】:8月17日(土)

2019-08-19 06:10:32 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:8月17日(土)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:8月17日(土) 

 【午前】6時59分、宿泊先の山梨県鳴沢村の別荘から同県富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」。御手洗冨士夫経団連名誉会長、渡文明JXTGホールディングス名誉顧問、小林喜光前経済同友会代表幹事らとゴルフ。

 【午後】2時52分、別荘。6時48分、昭恵夫人、岸信夫自民党衆院議員、秘書官らと食事。9時58分、秘書官ら出る。宿泊。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年08月18日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:天皇と靖国神社 不参拝の姿勢は重い

2019-08-19 06:10:28 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【社説①】:天皇と靖国神社 不参拝の姿勢は重い

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:天皇と靖国神社 不参拝の姿勢は重い 

 靖国神社が昨秋、当時の天皇陛下(現上皇さま)に「行幸(ぎょうこう)請願」をしたが断られていた。一九七八年のA級戦犯合祀(ごうし)が天皇の不参拝の契機だとされる。その姿勢はもはや明白で決定的ともいえる。

 天皇と靖国神社とは歴史的に深く結び付いている。戊辰戦争の官軍側戦死者らを弔うために、明治天皇の意向で創建されたからだ。創立五十年の一九年に大正天皇が、創立百年の六九年に昭和天皇が参拝した。今回は創立百五十年の参拝についてだ。

 請願自体が異例だが、それを宮内庁側から断った事実は重い。節目であっても天皇は「不参拝」であり、その姿勢は明確でもある。

 天皇参拝は七五年から途絶えている。背景にA級戦犯の合祀があるとの説が有力だ。七八年に宮司の故松平永芳(まつだいらながよし)氏が主導し、実現した。父は初代宮内府長官の慶民(よしたみ)氏だ。故富田朝彦(とみたともひこ)元宮内庁長官が記したメモが二〇〇六年に公になり、その因果関係が浮き上がった。

 昭和天皇が合祀に触れ「松平は平和に強い考(え)があったと思うのに、親の心子知らずと思っている」と漏らし「あれ以来参拝していない。それが私の心だ」と不快感を示したのだ。

 松平氏の前任者である故筑波藤麿(つくばふじまろ)氏はA級戦犯合祀に慎重姿勢であり、このメモの正確性が裏付けられる。昭和天皇が「筑波は慎重に対処してくれたと聞いた」と話したとの記載があった。異論は存在するが、これほど天皇不参拝を説明できる史料はなかろう。

 平成は天皇参拝のない初の時代となった。戦死者を国家が英霊と祀(まつ)り、国民を総動員して戦争遂行した歴史を踏まえれば、当然の帰結であろう。靖国神社が、天皇や国家のための死を至上の徳と教え込んだ国家神道の中核施設であった点からも、それは言える。

 憲法は政教分離や信教の自由などを定める。その厳格な保障のため、国家は特定の宗教と絶対的に結び付いてはいけない。天皇と国家神道との関係を再現するかのような目論見(もくろみ)は、いわば究極の時代錯誤でもある。

 戦没者の追悼の在り方は政治問題化している。仮に天皇参拝があれば政治的にも国際的にも多くの反響を呼ぶであろう。政治に関する権能を有しない天皇を政治問題に巻き込むべきでもない。

 戦没者の慰霊には、現行の追悼式など無宗教の形式がふさわしい。令和の時代も、その意は継がれよう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:文大統領演説 関係悪化の歯止めに

2019-08-19 06:10:24 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説②】:文大統領演説 関係悪化の歯止めに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:文大統領演説 関係悪化の歯止めに 

 文在寅(ムンジェイン)・韓国大統領は十五日の演説で対日批判を抑え、対話を呼びかけた。日韓関係悪化の歯止めとしたい。この発言を受け、韓国側から、懸案の元徴用工問題について解決策を提示してほしい。

 二十六分の演説の中で文大統領は、経済や平和の重要性に触れ、日本にも昨年より多く言及した。

 日本が植民地支配による被害者たちの苦痛を癒やす努力をしたと認め、「対話と協力の道に出てくれば、私たちは喜んで手を取る」と表明した。この発言を、前向きに受け取るべきだ。

 文大統領は、日本が輸出規制の強化を発表した七月上旬から、日本に対して、厳しい発言を繰り返してきたからだ。

 「(輸出規制は)日本経済により大きな被害が及ぶ」「日本に二度と負けない」などのほか、「賊反荷杖」という熟語を使って、加害者としての日本の責任を指摘した。「(日本は)盗っ人猛々(たけだけ)しい」という、きつい表現で報道され、日本で強い反発を招いた。

 韓国でも日本製品の不買運動が一気に拡大。日本製ビールの七月の韓国への輸入量が、前月比で半分近くに減るなど、韓国経済にも影を落とし始めている。

 さらに韓国は、北朝鮮とも難しい関係になっている。十五日の演説で文大統領は、北朝鮮との平和構築や経済協力を呼びかけた。

 ところが北朝鮮は十六日朝、飛翔(ひしょう)体を発射し、韓国との対話を拒否する談話を発表した。発射は、先月末からすでに六回目になる。日本とはむしろ、安保上の協力が欠かせないタイミングだろう。

 もちろん日本側にも問題があった。河野太郎外相が、駐日韓国大使の発言をさえぎり「無礼だ」と批判。輸出規制問題で訪日した韓国側担当者を、経済産業省側が冷遇し、韓国の世論を刺激した。

 日韓は経済的なつながりが深く、いったん摩擦が起きれば混乱が予想外に拡大する。今回の教訓を、双方とも学んでほしい。

 関係悪化の主因となっている元徴用工問題で韓国は六月、日韓企業の自発的な拠出金で基金をつくり、慰謝料を支払う案を日本側に提示したが、日本側は受け入れを拒否している。

 基金に日本企業が参加すれば、一九六五年に結ばれた日韓請求権協定を否定しかねない、と考えているためだ。こういった日本側の懸念にも配慮する必要もある。

 日韓関係の悪化は日本にもマイナスだ。安倍政権は、韓国側と積極的に対話してほしい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:脚本家の向田邦子さんはお風呂に入るときはしずしずと身を沈めていたらしい

2019-08-19 06:10:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【筆洗】:脚本家の向田邦子さんはお風呂に入るときはしずしずと身を沈めていたらしい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:脚本家の向田邦子さんはお風呂に入るときはしずしずと身を沈めていたらしい

 ▼内風呂に限らず、温泉場でもそうで、お湯があふれるのをみると「ああもったいない」と思ってしまう。「戦争中、燃料がなくて風呂は二日おきなどという世代はミミっちさがとれないのだ」。同じ世代の方はうなずかれるだろう▼向田さんが聞けば悲鳴を上げるか。理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」が十六日で運用を終了した。本格運用前の二〇一一年十一月、世界で初めて一秒間に一京(一千兆の十倍)回を超える計算速度を達成した「名機」である▼投じた国費は約千百億円。それが本格稼働からわずか七年でお払い箱とはもったいない話にも聞こえるが、熾烈(しれつ)な開発競争を思えば、早い引退もやむを得ないことらしい。抜きつ抜かれつの競争の結果、「京」の計算速度は現在二十位。上位は米国と中国が独占し、日本としては後継機「富岳」で巻き返しを図りたい▼東日本大震災後の暗い世相にあって「京」の世界一達成に日本はまだやれると感じた人もいるだろう。防災や新薬開発など幅広い分野で活用した▼解体、撤去されるそうだ。計算速度のランクは落ちたが、性能ランクではなおトップクラスにあると聞く。もったいなさもあるが、震災後を共にした仲間のようで引退が寂しい。やはり、二十位じゃだめなんですよねえ?

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年08月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【首相の一日】:8月16日(金)

2019-08-19 06:10:16 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:8月16日(金)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:8月16日(金) 

 【午前】9時40分、官邸。41分、報道各社のインタビュー。10時3分、台風10号に関する関係閣僚会議。13分、高鳥修一自民党新潟県連会長。

 【午後】1時1分、東京・富ケ谷の私邸。3時19分、山梨県鳴沢村の別荘。6時21分、同県忍野村の日本料理店「忍野八洲」。御手洗冨士夫経団連名誉会長、渡文明JXTGホールディングス名誉顧問、小林喜光前経済同友会代表幹事と会食。9時45分、別荘。宿泊。

 <メモ> 首相は山梨県鳴沢村の別荘で、参院選後の7月下旬に続く2回目の夏休みに入りました。当初は15日から別荘に入る予定でしたが、台風接近に備えて延期しました。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年08月17日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:終戦の日の言葉から 令和も不戦受け継いで

2019-08-19 06:10:12 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説①】:終戦の日の言葉から 令和も不戦受け継いで

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:終戦の日の言葉から 令和も不戦受け継いで 

 きのうは令和最初の「終戦の日」。先の大戦の反省の上に立つ不戦の誓いは時代を超えて、昭和から平成、そして令和へと受け継がねばならない。

 一九三七(昭和十二)年の日中戦争から始まった長い戦争の終結を告げる昭和天皇の「玉音放送」がラジオから流れたのは四五(同二十)年八月十五日の正午。あの日から七十四年が過ぎた。

 東京の日本武道館で行われた政府主催「全国戦没者追悼式」への参列予定者は約五千四百人だったが、戦後生まれが初めて三割を超えた。時代は流れ、戦争体験世代は少なくなりつつある。

 ◆過ち繰り返さぬため

 過去に起きた戦争だが、そこから教訓を学び取り、次世代に引き継いでいかねば、再び同じ過ちを繰り返しかねない。

 戦争の犠牲者は日中戦争後に戦死した軍人・軍属二百三十万人と米軍による空襲や広島、長崎への原爆投下、沖縄戦で亡くなった民間人の合わせて約三百十万人に上る。しかし、これは日本人だけの数にすぎない。日本が侵略した近隣諸国や交戦国の犠牲者を加えれば、その数は膨れ上がる。

 「戦没者を追悼し平和を祈念する日」とされる終戦の日に、戦没者を悼むと同時に、過去の戦争を反省し、戦禍を二度と繰り返さない「不戦の誓い」を世界に発信しなければ、本当に平和を祈念したことにならないのではないか。

 安倍晋三首相はきのう、追悼式の式辞で「我が国は、戦後一貫して、平和を重んじる国として、ただ、ひたすらに歩んでまいりました。歴史の教訓を深く胸に刻み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました」「戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。この誓いは昭和、平成、そして、令和の時代においても決して変わることはありません」と述べた。

 ◆加害・反省語らぬ首相

 不戦の誓いを、令和の時代も引き継ぐことを述べてはいるが、首相の式辞から抜け落ちているものがある。それはアジア諸国の人々に対する加害と反省だ。

 損害を与えた主体を「わが国」と明確にして加害と反省の意を表明したのは二〇〇一(平成十三)年の小泉純一郎首相が初めてだった。それ以降の首相は基本的に踏襲し、八月十五日には加害と反省の意を表明してきた。

 安倍首相も第一次内閣の〇七年には加害と反省に言及したが、政権復帰後の一三年からは触れていない。今年で七年連続となる。

 首相が加害と反省に言及しない背景には、アジア諸国に対して、いつまでも謝罪を続ける必要はないという考えがあるようだ。

 一五年八月十四日に閣議決定した戦後七十年の「安倍首相談話」は「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べている。

 国民の一部にある「いつまで謝罪をしなければならないのか」との思いに応えたのだろうが、政治指導者が加害と反省に言及することをやめたらどうなるのか。

 多大な犠牲を出した戦争への責任を国家として感じているのか、本当に反省しているのか、という疑念を、アジア諸国のみならず世界に与えてしまう。

 先の大戦の反省の上に立つ日本の平和主義は、戦後七十年以上を経て、日本人の血肉となった。その不戦の誓いも、政治指導者が心を込めて語らなければ、受け取る側の胸には響かないのではないか。

 今年四月に天皇を退位した上皇さまは昨年十二月、天皇誕生日の記者会見で「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵(あんど)しています」と述べた。天皇は国政に関する権能を有しないが国民統合の象徴としての在位期間に戦争がなかったことへの安堵感を、率直に語ったのだろう。

 そして時代は平成から令和へ。

 戦後に生まれ、今年即位した天皇陛下は追悼式のお言葉で「ここに、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い」と述べられた。戦後七十年の一五年以来、お言葉に「反省」を盛り込んだ上皇さまを受け継いだ形だ。

 ◆戦禍を語り継ぐ責任

 戦争や戦後の苦しい時期を経験した世代は徐々に少なくなり、戦争を知らない戦後生まれが八割を占めるようになった。時の流れで仕方がないとしても、記憶や経験の風化が、不戦の誓いまで形骸化させてはならない。

 戦争がもたらす犠牲や苦難を次の世代に語り継ぐことは、今を生きる私たち自身の責任だ。そして折に触れて、戦禍を二度と繰り返さないという不戦の誓いを、深い反省とともに語ることは、首相ら政治家の重要な役割でもある。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:<夏盛り本日閉店左様(さよう)なら>-。閉ざされたシャッターに・・・

2019-08-19 06:10:08 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【筆洗】:<夏盛り本日閉店左様(さよう)なら>-。閉ざされたシャッターにこんな張り紙があった。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:<夏盛り本日閉店左様(さよう)なら>-。閉ざされたシャッターにこんな張り紙があった。

 東京・阿佐谷。作家のねじめ正一さんの「ねじめ民芸店」がこの八月七日で店じまいとなった▼阿佐谷に店を開いたのが一九七二年というから、五十年近い。昔懐かしい玩具や季節の品々。七夕まつりで有名なパールセンター商店街の顔だったが、時代の流れなのか。「左様なら」が寂しい▼全国の商店街が大きく表情を変えたのは、三十年ほど前からだろうか。地元の人間が経営する昔ながらの店は次第に姿を消し、かわって全国チェーンの店が進出。とりわけ目立つのはドラッグストアで、今では同じ商店街や地域の中に複数のドラッグストアが軒を並べるのは珍しいことではない▼店舗数は全国約二万店。二〇一八年度の市場規模は約七兆二千億円。成長を続けるドラッグストア業界だが、その裏側の熾烈(しれつ)な戦いを見せつけられたようだ。業界七位のココカラファインと業界五位のマツモトキヨシHDが経営統合に向けた協議に入る▼えっ、ココカラと一緒になるのはスギ薬局じゃなかったか。土壇場でマツキヨがココカラの心を奪い返したらしい。なかなか壮絶な展開である▼店舗過多に人口減。将来を考えれば、今は好調な業界も「薬九層倍」の楽な商売ではなく、生き残りをかけて、競い合う。商店街の顔であり続けるのは楽ではない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年08月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【記者たちの胸ポケット】:新しい風/デリケートな話/助け求めても

2019-08-19 06:10:04 | 【新聞社・報道・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌・世論調査】

【記者たちの胸ポケット】:新しい風/デリケートな話/助け求めても

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【記者たちの胸ポケット】:新しい風/デリケートな話/助け求めても 

 ◆新しい風

 千葉県九十九里町の片貝海岸。来年夏、この砂浜を大勢の人が埋め尽くすかもしれない。

 「音楽フェスを企画する」。春に地元の高校一年の少年(16)にそう聞いた時、最初は正直、半信半疑だった。だがその計画は今、動きだしている。

 少子高齢化でさびれていく町に新しい風を吹かせたい-。少年が町長に手紙を送り、ツイッターで思いを発信すると、徐々に賛同者が広がった。先日、協力企業と初会合を開き、本格的に準備が始まったという。

 少年が思い描くのはひと夏の思い出ではなく、もっと先の未来。「地元の人にも町の魅力に気付いてほしい。いつかここを日本のカリフォルニアにしたいんです」。小さな町にどんな風が吹くのか、わくわくしている。

 ◆デリケートな話

 七月の参院選の際、改憲への考えを語ってくれる学生を探して大学関係者に当たったが、すべて断られた。理由は「改憲の話はデリケートだから」。

 ある教員は、過去に教え子がメディアで政治について発言した内容がネット上で炎上したと話し、「政治を考えるいい機会なのだけれど…」と萎縮する。別の教員は「どの大学も、教員の政治的発言に神経質。これでは学生が政策を批判的に見る能力が育たない」と嘆く。

 今の世の中に、異なる意見を受け止め合う土壌があるとは確かに言いづらい。それでも、はじめから大事な議題に「デリケート」とふたをしては、大人が若者を政治から遠ざけるだけだ。

 ◆助け求めても

 「見て見ぬふりは、虐待と同じぐらい傷つく」。東京都の男性(32)は、千葉県野田市で虐待死した女児と、かつての自身を重ね合わせた。「義父に殴られるよりも、母親が助けてくれなかったことがつらかった」

 担任に助けを求めても、威圧的な義父を前に沈黙。空腹時に手を差し伸べてくれる近所の大人が救いだった。「近くで誰かが見守っていると思えるだけで、耐えがたい時も生きられた」

 弁護士が学校の問題にかかわるスクールロイヤーの設置やアンケートの管理強化。野田市での事件後、行政は虐待対応の見直しを急ぐが、根本的な解決になるのだろうか。子どもたちは、自分を正面から受け止め、守ってくれようとする大人を待っているだけなのに。 

太田理英子(33)千葉支局記者

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 ◆<太田理英子(おおた・りえこ)(33)> 

 神奈川県出身。2013年入社。千葉支局で県警、司法を担当。学生時代は、民主化や格差是正を目指す先住民ゲリラに興味を抱き、メキシコに留学。趣味はベリーダンス。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【記者たちの胸ポケット】  2019年08月01日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【首相の一日】:8月15日(木)

2019-08-19 06:10:00 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:8月15日(木)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:8月15日(木) 

 【午前】9時22分、官邸。32分、閣議。44分、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、岩屋毅防衛相、谷内正太郎国家安全保障局長。10時21分、麻生副総理兼財務相。24分、河井克行自民党総裁外交特別補佐。35分、防衛省の高橋憲一事務次官、島田和久官房長。11時9分、東京・三番町の千鳥ケ淵戦没者墓苑。献花。18分、東京・北の丸公園の日本武道館。51分、全国戦没者追悼式に参列し式辞、献花。

 【午後】0時54分、官邸。1時58分、麻生副総理兼財務相。5時8分、谷内国家安全保障局長、秋葉剛男外務事務次官。6時7分、東京・高輪の品川プリンスホテルメインタワー。宴会場「ダイヤモンド30」で山口県遺族連盟の夕食懇談会に出席し、あいさつ。自民党の河村建夫衆院議員、北村経夫参院議員ら同席。7時30分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年08月16日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

 

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【社説①】:終戦の日に考える 憲法の下 令和は流れる

2019-08-19 06:09:56 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説①】:終戦の日に考える 憲法の下 令和は流れる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:終戦の日に考える 憲法の下 令和は流れる 

 令和元年の終戦の日です。先人たちが汲(く)み上げた「平和憲法」の清流を源に、時代の新しい流れがまた巡ります。私たちの不戦の意志を推力にして。

 昭和二十年八月十五日。東京都心の社交クラブで玉音放送を聞いた帰り道。その紳士は、電車内で男性の乗客が敗戦の無惨(むざん)をあげつらう怒声にじっと聞き入ります。

 「一体(俺たちは)何のために戦ってきたんだ」

 映画の一シーンです。

 実在の紳士は幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)。当時七十二歳。この二カ月後、首相となって日本国憲法の成り立ちに深くかかわっていきます。

 ◆不戦の源流を遡る

 連合国軍の占領下、天皇制の存続と一体で「戦争放棄」を日本側から発意したとされる。憲法のいわゆる「押しつけ論」に有力な反証をかざす、あの人です。

 社説にも何度か登場しました。「またか」とおっしゃる向きもありましょう。けれども今回は改憲論争の皮相から離れ、より深くにある幣原の平和観に迫りたい。

 平成から令和へと時代が移ろう時にこそ、流れを遡(さかのぼ)り、確かめておきたいことがあるからです。昭和の先人たちから受け継ぐ不戦の誓い、すなわち平和憲法の源流はどうであったか、と。

 その映画づくりが大詰めと聞いて、幣原生誕の地、大阪府門真市を訪ねました。三年後に迎える生誕百五十年の記念事業で、人類平和にかけた生涯を綴(つづ)る手作り映画です。題名は「しではら」。

 「地元でもあまり知られていなかった元首相の、高潔な理想を後世に伝えるため、まずは名前の読み方から知ってもらおうと。多くの人に平和を考えるきっかけを届けたい」。元教諭や税理士など地元有志の実行委員会を率いる酒井則行さんと戸田伸夫さんが、事業の意義を語ってくれました。既に七月、撮影終了。DVDにして今秋にも公開予定とか。

 ◆野に叫ぶ民の思い

 「私たちはこの映画で、昨今の改憲論争にくみしたり『九条を守れ』と訴えたいわけでは決してありません」。二人が口をそろえて強調したことです。

 幣原の「戦争放棄」は思い付きや駆け引きからではない。もっと人生の深みから湧き出た、純粋な平和観なのだと。その歴史的な価値を絶やすことなく後世につないでいかねば、ということです。

 例えば第一次大戦後の世界が、戦争はもうこりごりと、世界平和を願う機運にあったころ。幣原は協調派の外交官としてその世界にいました。時代の集約ともいえるパリ不戦条約の精神も当然、熟知していたはずです。まさしく「戦争放棄」の精神でした。

 一方、国内では戦争拡大に反対し終戦まで長く下野していたが、久々に「感激の場面」に出くわします。あの映画にもあった終戦当日、電車の中の出来事です。

 その後の展開が、自著の回顧録「外交五十年」に出てきます。 

 <総理の職に就いたとき、すぐに私の頭に浮かんだのは、あの電車の中の光景であった。これは何とかしてあの野に叫ぶ国民の意思を実現すべく努めなくちゃいかんと、堅く決心したのであった>

 <(憲法で)戦争を放棄し、軍備を全廃して、どこまでも民主主義に徹しなければならんということは(私の)信念からであった>

 恐らく電車の中で幣原は、外交官当時の記憶を呼び覚まされたのでしょう。欧米の軍縮会議などを駆け巡り、世界に広がる「不戦」機運を肌で感じながらいた当時の記憶です。幣原は乗客の怒声に確信したはずです。不戦の意志がついに日本人にも宿ったと。ここが「戦争放棄」の起点でした。

 そしてもう一歩。幣原を踏み込ませたのは、広島、長崎の原爆です。元首相の口述を秘書官が書き留めた「平野文書」に記す、幣原のマッカーサー元帥に向けた進言から一部抜粋です。

 <原爆はやがて他国にも波及するだろう。次の戦争で世界は亡(ほろ)びるかも知れない>

 <悲劇を救う唯一の手段は(世界的な)軍縮だが、それを可能にする突破口は自発的戦争放棄国の出現以外ない>

 <日本は今その役割を果たし得る位置にある>

 ◆平和の理想つなげ

 幣原の「戦争放棄」は、後世の人類を救うための「世界的任務」でもありました。源にあったのは高潔なる平和の理想です。

 七十四年が過ぎました。いま令和の時代を受け継ぐ私たちが、いまもこの源から享受する不断の恵みがあります。滔々(とうとう)たる平和憲法の清流です。幣原の深い人類愛にも根差した不戦の意志を、令和から次へとつなぐ流れです。

 流れる先を幾多の先人が、世界が、後世の人類が見つめます。

 止めてはいけない流れです。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月15日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:終戦直後、韓国・釜山からの引き揚げ船での出来事を作家の・・・

2019-08-19 06:09:52 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【筆洗】:終戦直後、韓国・釜山からの引き揚げ船での出来事を作家の久世光彦(くぜてるひこ)さんが書いている。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:終戦直後、韓国・釜山からの引き揚げ船での出来事を作家の久世光彦(くぜてるひこ)さんが書いている。

 本当にあった話だという。食べ物をめぐって男たちがけんかを始めた。「争っている男たち自身、情けない、やりきれない思いだったが、それぞれ後へは引けなかった」▼刃物まで持ち出し、いまにも血を見るというとき、おばあさんが唱歌の「朧(おぼろ)月夜」をつぶやくように歌いだしたそうだ。<菜の花畠(ばたけ)に入日薄れ>-。「周りの何人かがそれに合わせ、やがて歌声は船内の隅々にまで広がっていった。争っていた男たちが最初に泣きだした。みんな泣いていた」▼終戦の日を迎えた。七十四年前の「朧月夜」の涙を想像してみる。複雑な涙だろう。戦争は終わったとはいえ、不安といらだちは消えぬ。日本はどうなっているのか。その望郷の歌がかつての平穏な日々と人間らしさを思い出させ、涙となったか。切ない歌声だっただろう▼その場にいた人が当時二十歳として現在九十歳を超えている。戦争の過去は昭和、平成、そして令和へと遠くなる▼そして戦争の痛みもまた遠くなる。それを忘れ、戦争をおそれず、物言いが勇ましくなっていく風潮を警戒する。もし戦争になれば…。せめてその想像力だけは手放してはならない▼「二番が終わるとまた一番に戻り、朧月夜はエンドレスにつづいた」。船の中の歌声をもう一度想像してみる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年08月15日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【首相の一日】:8月14日(水)

2019-08-19 06:09:48 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:8月14日(水)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:8月14日(水) 

 【午前】8時15分、山口県下関市の自宅から北九州市八幡東区の支援者宅。弔問。9時13分、山口県下関市の後援会関係者宅。弔問。地元住民らと写真撮影。35分、同市の支援者ら宅を弔問。地元住民らと写真撮影。59分、同市の森山病院。後援会関係者の見舞い。10時13分、同市の支援者宅。見舞い。36分、同市の支援者宅。弔問。11時2分、同市の支援者宅。弔問。14分、同市の支援者宅。弔問。41分、同市の支援者宅。弔問。地元住民らと握手、写真撮影。

 【午後】0時10分、同市のJA山口県王喜支所。アスパラガス出荷場を視察。生産者と昼食。1時46分、山口宇部空港。2時4分、村岡嗣政山口県知事。15分、河村建夫自民党衆院議員。昭恵夫人同席。4時16分、昭恵夫人と共に日本航空294便で羽田空港。46分、官邸。5時17分、台風10号に関する関係閣僚会議。6時12分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年08月15日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。  

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