路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:立憲・国民会派 論戦力で政権に対峙を

2019-08-26 05:05:10 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説①】:立憲・国民会派 論戦力で政権に対峙を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:立憲・国民会派 論戦力で政権に対峙を 

 立憲民主党と国民民主党が、衆参での統一会派結成で合意した。衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」も加わる見通しだ。全員が合流すれば衆院117議席、参院60議席の規模となる。

 旧民進党から分裂した両党が国会会派としては一つになる。これを「元のさやに収まる」だけの数合わせに終わらせてはなるまい。

 過去の失敗の教訓も踏まえ、巨大与党の力任せの運営で形骸化が著しい立法府に緊張感を取り戻す第一歩としなければならない。 

 臨時国会では安倍1強政権と対峙(たいじ)する軸足を定め、国民を引きつける論戦を展開してもらいたい。次期衆院選に向けた野党勢力全体の浮沈も、統一の効果を発揮できるかどうかに懸かっている。

 両党はこれまで、分裂の遺恨を引きずり国会で内向きの主導権争いを続け、法案採決で足並みが乱れる場面も何度かあった。

 れいわ新選組が参院選比例代表で228万もの票を得たのは、既成の野党に不満を持つ無党派層の支持を集めた側面があろう。

 立憲民主、国民民主が共に反省すべき点だ。「れいわブーム」の分析を急ぐ必要がある。

 両党の確執の背景には、国民民主が立憲民主との差異化を意識して「対決より解決」との提案路線を打ち出したことが挙げられる。

 政府提出の法案に、時に野党が対案を提出し合意形成を図ることに意義はある。ただ、数の力を振りかざす安倍政権に対して、中途半端な対案路線を取っても結局は与党を利するだけだろう。

 森友・加計(かけ)問題や統計不正に象徴される隠蔽(いんぺい)体質、老後資金2千万円問題に端を発した国民の将来不安など、政府を追及すべきテーマは山積している。まずは徹底論戦に全力を挙げるべきだ。

 党が掲げる政策の課題も残る。

 国民民主党には、電力系労組の支援を受ける議員などに「原発ゼロ」への抵抗感がある。

 一方で改憲論議には前向きな議員がおり、安倍晋三首相は参院選で秋波を送った。玉木雄一郎代表も積極姿勢を示したことがある。

 重要政策の違いを棚上げにしたままでは、政権に付け入る隙を与える。亀裂が露呈すれば、かつての民主党に向けられた「寄り合い所帯」の批判が再燃しかねない。

 有権者が野党に何を期待しているかを踏まえて議論し、克服していくべきだ。次期衆院選に向け、共産党やれいわなどを含めた幅広い野党勢力の結集を進めていく上でも、避けては通れまい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月23日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:東京パラへ1年 共生社会具現化の機に

2019-08-26 05:05:05 | 【障害者を取り巻く諸問題・差別・虐待・雇用・バリアフリー・支援の輪】

【社説②】:東京パラへ1年 共生社会具現化の機に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:東京パラへ1年 共生社会具現化の機に 

 東京パラリンピックは開幕まで1年と迫り、チケットの抽選申し込みが始まった。

 22競技、540種目に史上最多の4400人が参加する。障害のあるアスリートたちが、それぞれの個性や能力を発揮し、躍動する世界トップレベルの大会だ。

 困難を乗り越える勇気と強い意志を持って自らの限界に挑むパラリンピアンの姿は、一人一人の意識や努力が、取り巻く環境や社会をも変えていく力を持つことに気づかせてくれるだろう。

 大会の成功には、障害に応じたインフラ整備に加え、心のバリアーの解消も欠かせない。

 多様性を認め、公正な機会を与えるパラリンピックは、共生社会の具現化のヒントの宝庫だ。五輪とは異なるスポーツの価値を認識する場ともいえる。

 残された準備期間を有効に活用し、理念推進の契機としたい。

 昨年成立した改正バリアフリー法は、交通機関に段差解消などの計画作成と公表を義務づけた。今年9月以降は総数50室以上の宿泊施設を新増築する場合、車いす用客室の割合を1%以上と定める。

 しかしながら、東京都内のバリアフリー客室は約550室にとどまり、大会で必要だと都が想定する850室に届いていない。政府や自治体は具体的な目標値を定め、対策を急いでほしい。

 共同通信社が全国の障害者を対象に行ったアンケートによると、大会が障害の理解につながるとの回答は62%に達したが、一時的な盛り上がりに終わるとして懐疑的な見方も4割近くあった。

 周囲の理解についても、66%が進んだ実感がないと回答。偏見差別が続いているという声は36%あり、共生社会の理念が浸透しているとは言いがたい。

 厚生労働省所管だった障害者スポーツが、スポーツ庁発足で一元化されたのは2015年のことだ。メダルも期待される種目があるにもかかわらず、競技としての人気や認識の広がりは道半ばだ。

 チケットの抽選申し込み状況をみても、アクセスが殺到した五輪に比べると、関心をさらに高める余地はあるようだ。

 大会は魅力を肌で感じる絶好の機会だ。会場での観戦はもちろん、情報に接するだけでも関心の高まりにつながるだろう。

 障害の有無にとどまらず、性別や年齢、国籍を問わず、あらゆる人々がスポーツを楽しむ環境をいかに作り上げていくか。理念の実現に向け、問い続けたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:ドクターストップ

2019-08-26 05:05:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【卓上四季】:ドクターストップ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:ドクターストップ

 「新聞に載ってたろ、1年間のドクターストップなんだよ。これ以上の肩の酷使は―」。人気野球まんが「タッチ」の最終話で、主人公の上杉達也がライバルに語ったせりふだ。超高校級の速球を武器に全国制覇を成し遂げた達也は将来を嘱望されながら、プロ入りを辞退した▼ひょうひょうとした性格の達也だけに、ドクターストップが本当かどうか怪しい。約30年前の作品だが、いまでも地方大会からほぼ1人で投げ抜けば、肩や肘を壊す恐れがあるのは変わらない▼夏の甲子園が終わった。大会屈指の右腕、星稜(石川)の奥川恭伸投手は決勝に先発し、本塁打を含む11安打を浴びて敗れた。今回から準決勝の翌日に休養日が設けられ、連投にはならなかった。とはいえ、智弁和歌山との3回戦は延長十四回を完投し、165球を投げた。ひと夏を通じた体への負荷は相当なものだろう▼故障予防のため、連戦を避けて大会日程を組むなどの対策が広がるものの、十分とは言えない。投球数の制限も検討されている。場合によってはドクターストップが必要かもしれない▼まんがの世界では、タッチの舞台となった明青学園が再び甲子園を目指す物語が進む。達也に似た速球が持ち味の立花投馬が主人公だ▼まんがは主役が活躍しないと面白くない。投馬もマウンドに立ち続ける。だが、けがの危険を考慮せぬ「感動物語」はまんがだけでいい。2019・8・23

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年08月23日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。  

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