路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【HUNTER】:厚労政務官辞任 違法なカネ集めと党費立て替えの実態

2019-08-30 10:40:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【HUNTER】:厚労政務官辞任 違法なカネ集めと党費立て替えの実態

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:厚労政務官辞任 違法なカネ集めと党費立て替えの実態 

 自民党の上野宏史衆議院議員(比例南関東:当選2回。参院1期)が、根本匠厚労相に厚生労働政務官の辞表を提出した。上野氏は先週発売された週刊誌で、外国人労働者の在留資格取得について口利きを行う見返りに、企業に金銭を求めていたと報じられている。
 疑惑について報じた週刊文春によると、全国の飲食店やドラッグストアなどに外国人を派遣している人材派遣会社「ネオキャリア」(東京都新宿区)が、外国人の在留資格を取るため、各地方の法務省外局「出入国在留管理局」に大量の交付申請を行っており、上野事務所にはネオキャリア社側から在留資格申請中の外国人187人分のリストが渡され、そのリストを基に法務省に問い合わせを行っていたという。
 永田町関係者に取材した。(写真が上野議員。自民党HPより)

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 ■詐欺的手法でカネ集め
 文春が入手したという証拠の音声データによると、この申請を巡り今年6月、上野議員は秘書に対し、次のような発言をしていた。
「早くしたっていう実績をウチが作ってあげて、その分ウチは交渉して、これを党費にあてようと思って。100人だから、200万円」――つまり一人頭2万円の報酬を得ようとしていることになる。

また、秘書が「これあっせん利得になっちゃいますよ、代議士」とたしなめる場面も含まれており、この音声は秘書自身がスマートフォンで録音したものだという。主従の間で“もめ事”があったことは容易に想像がつくが、それにしても程度が低すぎるカネ儲けの手口だ。

 どんな経歴なのか調べてみたが、東大から通産省(現・経済産業省)に入り、政治家に転身。「みんなの党」、「日本維新の会」、「次世代の党」と渡り歩き、現在は自民党という忙しい御仁だった。義父は上野公成元官房副長官。住宅メーカーから、不正な手段で多額の献金を受けていた疑いのあった方である。

 野党のヒアリングに対し法務省は、「個別の申請について答えは差し控える」としているが、実際にはどのような対応をとっていたのだろう。

 霞ヶ関の官僚の中でも、法務省は政治家のいうことを聞かない役所として有名だ。総理官邸が各役所の幹部を呼べば、ほとんどの役所は事務次官クラスまですぐにやってくるが、法務省は違う。自分たちの都合に合わせて動くのだ。法務省のキャリア官僚は司法試験に合格している人材も多く、弁護士への転向も容易なため、政治家に媚びへつらう必要がないのだという。

 ある永田町関係者によれば、国会議員や秘書が、法務省に在留資格や入国審査を早くしてほしいと要望するケースは少なくないという。しかし、要請したからといって審査が早まるわけではなく、事務処理に関する“連絡”が来るだけ。帰化申請などいついて国会議員が法務省に問い合わせた場合だと、数ヶ月後「本日、許可の通知を申請者に送りますので、明日かあさってには届きます」などと、そっけない知らせが来る程度なのだそうだ。さすが法務省と言いたいところだが、正式通知の前に連絡することが「犯罪行為」を誘発する。

 役所から連絡が来ればすぐに当事者に連絡して、さも「国会議員の力で役所が動いた」かのように見せつけて感謝させるのが永田町の手法。無理難題は後援会の幹部から持ち込まれることが多いので、そうした場合は金銭が動くことはないが、見境なく“カネ”に結び付ける、上野氏のような低俗な議員もいる。

 ■浮き彫りになった党員集めの実態
 ところで、公表された秘書とのやり取りを聞いていると「党費に充てようと思って」という言葉が出てくる。自民党は衆参の所属議員に1,000人の党員集めを義務付けているが、党費は年間4,000円。議員の後援会に所属している人でも、4,000円払ってまで党員になってくれる人はほとんどいない。「このくらいの党員を集められないような候補者なら、選挙に勝てる見込みがない」との自民党本部の判断なのだが、実際に1,000人の党員を集めるのは至難の業。ある参議院議員の秘書は、「議員側が党費を肩代わりして体裁を整えている」のが実情だと打ち明ける。

 上野議員のケースは、法務省からの認可が当事者に届く前に業者に連絡し、あたかも自分の力で申請が通ったかのように見せかけ、業者から金銭を受け取るという方法。悪質なカネ集めの動機が過大な党費負担にあったとすれば、自民党としても見過ごしていい話ではあるまい。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2019年08月30日  10:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 
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【社説①】:やじ排除発言 「表現の自由」の曲解だ

2019-08-30 06:10:50 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【社説①】:やじ排除発言 「表現の自由」の曲解だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:やじ排除発言 「表現の自由」の曲解だ 

 選挙の街頭演説にやじを飛ばした人がまた、警察に取り押さえられた。柴山昌彦文部科学相は、やじは「権利として保障されていない」というが、「表現の自由」を理解していないのではないか。

 選挙の街頭演説を、私たち聴衆はひと言も発せず、黙って聞け、ということなのか。

 埼玉県知事選の投開票前日、二十四日夜の出来事である。JR大宮駅近くで自民、公明両党推薦候補の応援演説をしていた柴山氏に対し、「柴山辞めろ」とか大学入試共通テストの「民間試験撤廃」などとやじを飛ばした男性が、埼玉県警の警察官数人に囲まれ、遠ざけられた。

 柴山氏は二十七日、閣議後会見で「表現の自由は最大限保障されなければならないが、集まった人たちは候補者や応援弁士の発言を聞きたいと思って来ている。大声を出したりすることは、権利として保障されているとは言えないのではないか」と県警の行為を擁護したが、「表現の自由」を曲げて解釈しているのではないか。

 もちろん政治活動の自由は最大限尊重されるべきで、公職選挙法は選挙演説の妨害を禁じている。

 しかし、駅前という開かれた場での選挙活動である。そこに集まった人たちには政権の支持者もそうでない人たちもいて当然だ。そうした場でも、政策への賛否を言い表すことは許されないのか。

 埼玉の事例は、やじで演説が続行できなくなるような悪質な行為に当たるとはとても思えない。もし選挙妨害に当たらない段階で、公権力がやじを強制排除したのなら、明らかに行き過ぎだ。

 柴山氏が政治家として語るべきは、警察の介入を正当化することではなく、警察の公権力行使が表現の自由を侵しかねないことへの懸念ではなかったのか。

 七月の参院選でも、札幌市で行われた安倍晋三首相の街頭演説でやじを飛ばした男女が北海道警の警察官らに相次いで排除された。道警は「現場でのトラブル防止の観点から措置を講じた」とするだけで、詳しい説明はしていない。

 政権に異を唱える発言が、トラブル防止を名目に警察に排除される。公権力を行使する立場にある政治家は、表現の自由を尊重すると言うものの、実際に侵されても放置する。こんなことが安倍「長期」政権で続く。

 その背景に、批判や異論に耳を傾けようとしない不寛容な政権の体質があるとしたら、構造的問題であり、根が深い。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:柏崎刈羽の廃炉 約束になっていない

2019-08-30 06:10:40 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【社説②】:柏崎刈羽の廃炉 約束になっていない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:柏崎刈羽の廃炉 約束になっていない 

 地元自治体の求めに応じ、東京電力は柏崎刈羽原発の廃炉方針に言及したが、廃炉より再稼働を優先させたい本音が依然見え隠れ。福島の事故を起こした東電に、原発を動かす資格があるか。

 東電による柏崎刈羽原発の廃炉方針を、地元新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は「落第点ではないが、平均点までいっていない」と受け止めた。これでも、甘過ぎはしないだろうか。

 七基の原子炉を有する柏崎刈羽原発は、世界最大出力の原発だ。

 福島の事故で浮き彫りになった集中立地に伴うリスクを軽減すべく、桜井市長は、6、7号機再稼働の条件として、1~5号機いずれかを廃炉にする計画を、基数、号機、そして期限を明らかにした上で、提示するよう求めていた。

 「6、7号機の再稼働後五年以内に、一基以上の廃炉を想定する」というのが、東電からの回答だ。基数、号機の特定はなく、期限についても「再稼働から五年以内」という。「再稼働ありき」だと、むしろ東電の方が、廃炉の前提条件を突きつけてきたようにも映る。本末転倒ではないか。

 「十分な規模の非化石電源確保が見通せる状況となった場合」という条件もつけている。洋上風力発電など、再生可能エネルギーの導入が進まなければ、廃炉にはしないということか。

 条件だらけ。これでは、廃炉を約束したとは言い難い。

 結局、東電の方針からは、原発への強い“こだわり”ばかりがにじむ。遅々として進まない福島第一原発事故の後始末に苦しみながら、なぜかくも、原発に執着し続けるのか。

 原発を再稼働させれば火力発電の燃料代を節約できて、短期的には、ある程度収益を改善できる。だが、中長期的にはどうだろう。

 原子力規制委員会は、柏崎刈羽6、7号機の再稼働に際して、「経済性より安全性を優先すべし」という趣旨の条件を付けた。東電が重大事故の当事者であることを重く見ているからだろう。

 その結果、再稼働にかかる安全対策費は、約一兆一千七百億円と、すでに当初見込みの二倍に膨らんだ。

 3・11を境に、原発で“もうかる”時代ではなくなった。その転換点をつくったのが東電だ。

 世界は「大廃炉時代」に入っている。廃炉技術こそ収益につながる時代。東電は、その先頭に立つべきではないか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「雨、車軸のごとし」「車軸を流すような雨」という。

2019-08-30 06:10:30 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【筆洗】:「雨、車軸のごとし」「車軸を流すような雨」という。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「雨、車軸のごとし」「車軸を流すような雨」という。

 太さが車軸ほどもある大雨という意味だ。鎌倉時代の文学にもある表現というから、牛車のものだろうか▼大げさな言い回しだと思っていたが、大雨に見舞われている佐賀平野など九州北部には、誇張ではない脅威を実感された方が多いはずだ▼一時間で三〇ミリから五〇ミリも降れば、人はバケツをひっくり返したようだと感じるという。今回は一昨日の佐賀市で一時間一一〇ミリである。例えが簡単に見つからないような激しさだろう▼車軸ならぬ、車そのものを押し流してしまう水の怖さをみせられた。佐賀県などで、運転する車が流されたり、急激な増水のために閉じ込められたりした二人が亡くなっている。水に囲まれ、行き来が断たれ、病院が長時間孤立するという事態も起きた。あっという間に事態が進んだようだ▼原因は積乱雲が帯状に発生する線状降水帯だという。近ごろの異常な降り方をもたらす例の現象である。中国には、激しい雨を表す「漏天」「天漏」という言葉があるそうだ(倉嶋厚著『お天気博士の四季暦』)。空が突然裂け、水が流れ出すイメージを線状降水帯にも感じる▼いつどこで水が漏れ落ちるのか予測が、簡単ではない難物でもあろう。都市部も無縁ではない。かつて誇張だったものが、現実の脅威に近づいていると感じさせる大雨である。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年08月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【記者たちの胸ポケット】:ベビーカー論争/私のものさし/君の名は

2019-08-30 06:10:20 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌】

【記者たちの胸ポケット】:ベビーカー論争/私のものさし/君の名は

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【記者たちの胸ポケット】:ベビーカー論争/私のものさし/君の名は 

 ◆ベビーカー論争

 自宅近くの保育所に入れず、ベビーカーで満員電車に乗らざるを得ないママの大変さを二月に報じた。子育てサイト「東京すくすく」に転載したところ、コメント欄に意見が相次ぎ、今も書き込みが続く。

 「母親のワガママ」など非難もあるが、優しさに救われたエピソード、殺人的な満員電車がおかしいとの指摘など、切り込む角度がさまざまで面白い。炎上ではなく、交通政策の改善や保育の充実など社会問題として議論する場になればと思う。

 一方で、幼稚園などの通園バスにシートベルトがない問題を取り上げた五月の記事にはコメントはわずかだった。取材日記までつけたのに。少し寂しい。

 ◆私のものさし

 一般会計予算が七兆四千六百億円。豊洲市場の借金三千七百億円。小池百合子知事発案の防災風呂敷二十万枚、三億円。東京都庁で仕事をしていると、金銭感覚がおかしくなりそうになる。そんなとき思い出すのが、東日本大震災で被災した宮城県山元町の臨時災害放送局「りんごラジオ」だ。

 惜しまれつつ二〇一七年に閉局。その三年ほど前、高橋厚局長(76)に「民間の支援がなくなっても、町の予算で放送を続けてはどうか」と尋ねたことがある。答えは「被災した人から集めた町税は、とても使えない」。予算は、被災者を含む人々から広く集めた税金。当たり前で大事なことを忘れていた。

 同局の運営費は年間千五百万円ほどで、それが私のものさしになっている。りんごラジオと比べてその事業の予算は適正か? 被災者が納めた税金を使うだけの価値があるか? と。

 ◆君の名は

 記者クラブのある都庁六階に警備員さんが立っている。顔ぶれは日替わりで皆にこやかだが、とりわけ丁寧な男性がいた。一歩後ろに下がり、笑みをたたえて「おつかれさまでございます」と深々とお辞儀。両手に荷物を提げて歩いていたら、先回りしてエレベーターのボタンを押してくれたこともある。せわしない日々の中で、その人とのあいさつはオアシスだった。

 そんな彼が最近見当たらない。少し前に一階で声をかけられたことがあったから、都庁のどこかで警備をしているのだろう。次に会ったら名前を聞いてみたいと思っている。 

石原真樹(40)社会部記者

写真

 ◆<石原真樹(いしはら・まき)(40)>

  神奈川県出身。2003年入社。都庁担当。親子茶道歴7年。お茶がうまく泡立たなくても、子どものおしゃべりが止まらなくても、にこにこ受け止めるおおらかな先生は人生のお手本。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【記者たちの胸ポケット】  2019年08月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:8月29日(木)

2019-08-30 06:10:10 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:8月29日(木)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:8月29日(木)

 【午前】8時43分、宿泊先の横浜市西区のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルから同区の国際会議場「パシフィコ横浜」。46分、第7回アフリカ開発会議(TICAD)全体会合「官民ビジネス対話」に出席。9時14分、同ホテル。24分、ウガンダのムセベニ大統領と会談。47分、モーリタニアのシディヤ首相と会談。10時7分、ブルキナファソのカボレ大統領と会談。25分、ジブチのゲレ大統領と会談。49分、南スーダンのイッガ副大統領と会談。11時13分、エチオピアのアビー首相と会談。33分、アフリカの角および周辺地域の平和と安定特別会合に出席。

 【午後】1時1分、同区の横浜ベイホテル東急。3分、宴会場「クイーンズグランドボールルーム」で日本貿易振興機構(ジェトロ)主催の「日本・アフリカビジネスフォーラム」に出席し、あいさつ。21分、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル。32分、アンゴラのロウレンソ大統領と会談。2時5分、ギニアビサウのゴメス首相と会談。26分、サントメ・プリンシペのジェズス首相と会談。47分、カボベルデのコレイアイシルバ首相と会談。3時16分、ナイジェリアのブハリ大統領と会談。47分、ルワンダのカガメ大統領と会談。4時6分、セネガルのサル大統領と会談。31分、ニジェールのイスフ大統領と会談。57分、中央アフリカのトゥアデラ大統領と会談。5時16分、モーリシャスのジャグナット首相と会談。38分、ナミビアのガインゴブ大統領と会談。6時3分、シエラレオネのビオ大統領と会談。7時11分、同区の横浜ロイヤルパークホテル。宴会場「鳳翔」で昭恵夫人と共に安倍晋三首相主催の夕食会。9時2分、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル。宿泊。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年08月30日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:米中の制裁合戦 責任自覚し報復やめよ

2019-08-30 05:05:30 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説①】:米中の制裁合戦 責任自覚し報復やめよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:米中の制裁合戦 責任自覚し報復やめよ 

 有害無益な報復合戦をいったいいつまで続けるのか。

 米国と中国が9月1日以降、互いの輸入品に追加関税をかける動きを拡大する。年末までに双方ともほとんどすべての輸入品に高い関税を課すことになる。

 米中の国内総生産(GDP)は世界の4割を占め、影響は両国にとどまらない。金融市場は不安定な動きを繰り返している。

 時間がたつほど報復合戦はエスカレートし、収拾は難しくなる。

 トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は責任の重さを自覚し、報復の連鎖を断ち切るべきだ。

 米国は9月1日と12月15日に、米国が輸入するほぼすべての中国製品に対象を広げる「対中制裁第4弾」を発動する。

 この発表を受け、中国は同じタイミングで原油・農産物など約750億ドル分の米国製品に5~10%の追加関税を課すことにした。

 すると米国は第4弾の税率を当初の10%から15%に引き上げることを決めた。10月には第1~3弾の2500億ドル分に課している25%の追加関税も30%にする。

 制裁対象がほぼ全品目に及び、税率の積み増し合戦の様相を示している。

 だがトランプ氏自身、米国経済への影響を心配している。スマートフォンやゲーム機など、第4弾の一部品目への追加関税をクリスマス商戦後に延期した。

 それでも、消費の落ち込みを懸念する業界団体などからの反発は強まっている。

 トランプ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)をたびたび批判するのも、金融緩和により貿易摩擦の影響を抑え込むためだ。

 とはいえ、金融政策だけで乗り切れる問題ではない。報復合戦を収束させるしかない。

 一方、習氏とすれば、6月の米中首脳会談で「一時休戦」を申し合わせ、第4弾の発動見送りを取り付けたと考えていたはずだ。約束が違うとの不満はあるだろう。

 しかし知的財産権の保護などを求める声はトランプ氏ばかりか、欧州や日本からも上がる。中国はトランプ氏相手に報復合戦を繰り広げるのではなく、自らこうした問題の解決に取り組むべきだ。

 先の日米首脳会談で日本は米国からトウモロコシを大量輸入することを受け入れた。

 トランプ氏は「中国が約束を守らないから、日本がすべて買ってくれる」と説明した。激しさを増す米中貿易摩擦の尻拭いを日本がさせられるのではたまらない。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ゴンドラ事故 原因究明し安全確保を

2019-08-30 05:05:20 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【社説②】:ゴンドラ事故 原因究明し安全確保を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ゴンドラ事故 原因究明し安全確保を 

 札幌市中央区の「札幌もいわ山ロープウェイ」で非常停止したゴンドラが鉄塔に衝突し乗客が負傷した事故で、運営する札幌市の第三セクター・札幌振興公社が月内にも運行再開する方針だという。

 運輸事業者が最優先すべきは安全だ。事故原因の究明が先決ではないのか。運行再開を急ぐ姿勢は安全軽視と言わざるを得ない。

 公社は事故当日、管轄する北海道運輸局に報告しないまま一度運行を再開した。事故の公表は翌日に遅れ、警察への連絡もなかった。甘い対応との批判は免れまい。

 今回と同様に過負荷を検知して非常停止するトラブルは2015年以降、5回あったという。

 いずれも乗客にけががなかったことから、事故とはみなさず、運輸局への報告も行わなかった。原因を探り、定員見直しなどの対策を講じていれば、今回の事故を防ぐこともできたのではないか。

 ロープウエーは27日から点検のため運休していた。原因が不明のままでは、利用客の不安も解消されないだろう。

 運輸局は再発防止を求める行政指導を行い、道警も業務上過失致傷の疑いで調べている。徹底した原因解明を求めたい。

 ゴンドラの定員は66人。事故当時は乗員1人と乗客64人でほぼ満員だった。安全管理が不十分なまま運行した可能性がある。

 ロープウエーにも適用される鉄道事業法は事故発生の場合、速やかな報告を義務づける。だが、公社の報告は発生から1時間半後で、運行を再開させた後だった。

 事故の重大性を認識していたのだろうか。運輸事業者としての自覚を欠いた対応の背景に何があるのか。公社の体質に改善すべき点はないか。省みる必要がある。

 過去の非常停止を巡っては、いずれも運行再開のボタンを押したところ、稼働したため、ケーブルや滑車に異常はないと判断し、報告もしなかったという。

 しかしながら、道内の他のロープウエーでは近年、同様のトラブルは確認されていない。異常がないのに非常停止したのであれば、まずは、その原因を探るべきではなかったか。

 藻岩山は夜景の名所として観光客の人気も高い。ロープウエーは有力な収入源だ。観光期の週末には多くの利用客が見込まれるだけに、安全確保を後回しにするようなことがあってはならない。

 運輸事故は、ひとたび起こると被害が甚大となりやすい。安全最優先の意識の徹底が不可欠だ。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:AIごときに

2019-08-30 05:05:10 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【卓上四季】:AIごときに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:AIごときに

 尾道に住む老夫婦が、独立した長男、長女に会いにはるばる東京へ旅をする。だが日々の生活に追われる子供たちの態度はどこかよそよそしく、孫もなつかない。優しくしてくれるのは、戦死した次男の嫁だけだった―▼小津安二郎監督の「東京物語」(1953年)は、戦後の復興とともに失われゆく家族の絆を描いた。東京で途方に暮れる老夫婦の悲哀に胸をつかれるが、それでも2人は旅の終わりにこう言って納得し合う。「欲を言やあ、きりないが、まあええ方じゃよ」「ええ方ですとも。私ら幸せでさ」▼思い通りにならなかった人生だとしても「自分はまだ恵まれている」と言い聞かせて前を向く。ただの思い込みにすぎないのかもしれぬが、自らの人生をどう意味づけるかは、当人だけに許された特権であろう▼就職情報サイト「リクナビ」の運営会社が、学生の「内定辞退率」を予測して勝手に企業に販売したことが大問題になっている。就職は人生で最も重要な決断の一つだ。それを人工知能(AI)に先回りして予測させるという発想自体に嫌悪感を覚える▼「矛盾の総和が人生だ」。小津は「彼岸花」(58年)の主人公にそう語らせた。人は年齢を重ねながら、それに気付いていく▼いかにビッグデータがもてはやされても、AIごときに「あなたの人生は矛盾だらけでしょう」などと予測される時代になるのは御免被りたい。2019・8・30

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年08月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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