路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【参院選】:安倍首相の秋葉原演説で北海道警察の違法排除に続きグロテスクな光景!

2019-08-04 08:05:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:安倍首相の秋葉原演説で北海道警察の違法排除に続きグロテスクな光景! 自民党関係者と支持者が「安倍やめろ」封じ込め

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:安倍首相の秋葉原演説で北海道警察の違法排除に続きグロテスクな光景! 自民党関係者と支持者が「安倍やめろ」封じ込め 

「安倍やめろ!」の声を封殺するかのように、湧き上がる「安倍晋三!」のコール──。本日18時30分からJR秋葉原駅前でおこなわれた、安倍首相が登場した街頭演説の光景だ。

 この秋葉原は、2017年7月の都議選で「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と声を荒げた因縁の場所だが、同時に安倍首相にとって秋葉原は、2012年の衆院選以来、国政選挙戦最終日に必ず街頭演説をおこなってきた“ホーム”。実際、2017年10月におこなわれた衆院選最終日には、巨大な「頑張れ安倍総理!」などの横断幕が掲げられ、日の丸がはためくなかで「安倍晋三!」コールが湧き上がるという極右集会さながらの光景が繰り広げられたが、きょうもその光景が再現されたのだ。 

 安倍首相の秋葉原演説で北海道警察の違法排除に続きグロテスクな光景! 自民党関係者と支持者が「安倍やめろ」封じ込め の画像1

           7月20日、秋葉原で応援演説をする安倍首相

 そもそも、今回の参院選では、当初、安倍首相の東京での街頭演説は7日におこなわれたJR中野駅前が「最初で最後」と宣伝されていたが、共同通信によると、自民党東京都連は16日付けで動員要請を通知、〈「党運動員の大動員により、選挙妨害の組織的やじにも負けず、訴え続ける安倍総裁に声援を送ってほしい」と求めた〉という(17日付)。

 実際、秋葉原には街宣開始前から自民党の貸切バスが続々と到着し、動員されてきたと思われる人びとが詰めかけていた。しかも、安倍首相が演説をおこなった選挙カーの向かい側にある、メディアのカメラが並んだ場所の周辺には鉄柵が張り巡らされていた。警備にあたっていた自民党関係者と思しき人物に「鉄柵の中に入りたい」と申し出ると、こう言われた。

「すみません、関係者のみですので、シールのない方は入れません」

 関係者には目印としてシールが配られていたのか。ようするに、安倍自民党は支持者以外を選挙カー付近から遠ざけようと、最初から“排除”したのである。

 本サイトでもお伝えしたように、今月15日には北海道・札幌市で安倍首相の街頭演説中に「安倍やめろ!」とヤジを飛ばした男性が警察に強制排除されるという事件が起こったが、これが問題になったあとも、18日には滋賀県大津市の街頭演説でも、安倍首相が登場する前から「安倍やめろ」と声をあげていた男性が警察によって〈会場端の駅高架下のフェンスに押しやられた〉という(朝日新聞デジタル18日付)。

 公職選挙法にも抵触しない市民の行為に対し、警察が法的根拠もなく強制的に排除するという、表現の自由を侵害する信じがたい蛮行──。しかし、警察がどんなに暴力的な手段に出ても、市民は黙らなかった。そう。きょうの秋葉原にも、安倍政権に声をあげる、勇気ある市民が集まったからだ。

 ◆「安倍やめろ」を封じるために動員された支持者が「安倍晋三」コール 

 安倍首相の秋葉原演説で北海道警察の違法排除に続きグロテスクな光景! 自民党関係者と支持者が「安倍やめろ」封じ込め の画像2
 

 たとえば、安倍首相が登場する前から、聴衆からは黒い風船をくくりつけた「年金返せ」と書かれた横断幕が上がる場面が。横断幕は自民党関係者もしくは支持者らによってすぐさま取り下げられたが、安倍首相が登場すると、今度はさまざまな場所で「安倍やめろ!」という声が一気に噴出したのだ。

 また、JR秋葉原駅に近い場所では、「丸川珠代 自民ヘイト候補 落選」と書かれた横断幕も掲げられ、東京選挙区から出馬している丸川候補や安倍首相を批判する声があがったが、すると、自民党関係者や支持者らがそこに集結し、自民党の幟や「安倍総理ニッポンがんばれ」「おい、TBS 偏向報道は犯罪なんだよ!」などと書かれたプラカードで横断幕を隠そうと必死に。

 安倍首相の秋葉原演説で北海道警察の違法排除に続きグロテスクな光景! 自民党関係者と支持者が「安倍やめろ」封じ込め の画像3
「安倍やめろ!」と声をあげる市民を、自民党の幟や「安倍総理を支持します!」などと書かれたプラカードで覆い隠そうとする自民党関係者や支持者ら。

 さらに、メディアのカメラが並んだ場所から離れた後方部でも「安倍やめろ」「貧乏人をいじめるな」「消費税反対」といった声があがると、やはり「がんばれ自民党」「安倍総理を支持します」などと書かれたプラカードを持った人が集まり、批判の声を封じるように「安倍晋三!」とコールをはじめたのだった。

 きょうは「安倍やめろ」と叫ぶ人の数が多かったためか、警察が市民を強制排除する場面を本サイト記者が目撃することはなかったが、その一方で、安倍自民党の関係者や支持者が必死でその声を掻き消そうとしたのだ。

 安倍首相の秋葉原演説で北海道警察の違法排除に続きグロテスクな光景! 自民党関係者と支持者が「安倍やめろ」封じ込め の画像4
「安倍やめろ!」と声があがると、安倍首相の支持者らが「安倍晋三!」と大声でコール。自民党関係者と思しき人物も駆け付け、「がんばれ自民党」などといったプラカードを掲げた。

 安倍支持者やネトウヨらは札幌市での市民の強制排除に対して「ただの演説妨害だ!」「公選法違反だ!」とわめき立てていたが、当の安倍支持者も、ロクに安倍首相の演説も聞かず、声を張り上げていたのである。

 ともかく、この選挙戦において、安倍首相にもの申す市民を警察権力によって強制排除するという、戦前のようなことが平然とおこなわれたことは事実だ。このまま安倍政権を継続させれば、こんなことがどんどんと“当たり前”になってゆくことは間違いない。明日、国民はこのやり方に対して、はっきり審判を下すべきだ。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【政治ニュース】  2019年07月20日  09:45:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:首相演説でやじ排除 警察は公平中正堅持せよ

2019-08-04 08:05:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説】:首相演説でやじ排除 警察は公平中正堅持せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:首相演説でやじ排除 警察は公平中正堅持せよ 

 表現の自由の侵害が疑われる警察の対応だった。

 安倍晋三首相の参院選街頭演説中に「安倍辞めろ」などとやじを飛ばした聴衆を、北海道警の警察官が腕を抱えるなどして取り押さえ、強制的に排除した問題だ。7月15日にJR札幌駅前で起きた。
 道警は、道路を挟んで20メートルほど離れた場所から「安倍辞めろ」「帰れ」と大声を出していた男性を、警察官数人で囲んで、現場の後方に移動させた。
 1人で演説を聞いていた女子大学生は「増税反対」と叫んだ瞬間、スーツ姿の警察官7~8人に囲まれ、腕を捕まれるなどされて移動させられた。その後も約1時間つきまとわれたという。
 別の場所では、用意していた年金問題のプラカードを掲げる前に警察官に取り囲まれて排除された60代の女性もいる。女性は「声も出していない」と語っている。
 公権力が、政権を批判する国民の口を封じ、目をふさぐ。独裁国家で起きているような光景ではないか。
 そもそも、どのような法的根拠に基づいて聴衆を排除したのか。道警は「トラブルや犯罪予防」とコメントするだけで、詳しい説明を避けている。不可解極まりない。根拠もなく権力を行使できるのなら、警察は何をやっても許されることになる。
 警察法第2条は次のように規定する。
 「責務の遂行に当つては、不偏不党且(か)つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用(らんよう)することがあつてはならない」
 道警の対応は政権に肩入れしているようにしか映らない。不偏不党、公平中正と受け止める人が果たしてどれくらいいるのだろう。表現の自由などに不当に干渉する「権限の濫用」との疑いが強い。
 公職選挙法は演説の妨害に罰則規定を設けている。ただし、1948年の最高裁判決は「聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」と明示した。
 拡声器を使ったわけでもなく、演説が聞き取れなくなるほどの事態が生じていたとは思えない。排除された人は腕や体をつかまれ、一時的に身体の自由を奪われた。道警の対応は行き過ぎで、不適切と言わざるを得ない。
 背景に「首相に不快な思いをさせるわけにはいかない」「官邸サイドの不興を買いたくない」といった思惑があったのではないか。政権への忖度(そんたく)が強く疑われる。
 今回のケースが不問に付されるのなら、全国で同様の事例が横行し、人権が脅かされる恐れがある。再発防止を強く求めたい。
 警察の権力は絶大である。治安維持の名の下に言論を弾圧した過去の反省を踏まえ、現在の警察組織は成り立っている。職権の乱用は絶対にあってはならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年07月25日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【参院選】:首相ヤジで排除 2団体が北海道警に申し入れ「表現の自由、不当に制限」

2019-08-04 08:05:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【参院選】:首相ヤジで排除 2団体が北海道警に申し入れ「表現の自由、不当に制限」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【参院選】:首相ヤジで排除 2団体が北海道警に申し入れ「表現の自由、不当に制限」 

 安倍晋三首相が15日に札幌市で参院選応援の街頭演説をした際、ヤジを飛ばした数人が北海道警に排除された問題で、道内の2団体が19日、道警に再発防止を申し入れた。18日には立憲民主党道連が、道警に同様の申し入れを行っている。

 ※(写真):北海道警に再発防止を申し入れ、記者会見する国民救援会道本部の守屋会長(中央)ら=札幌市中央区で2019年7月19日11時23分、真貝恒平撮影

 市民団体「国民救援会道本部」(守屋敬正会長)と弁護士でつくる「自由法曹団道支部」(佐藤哲之支部長)の2団体で、「表現の自由を不当に制限するもので到底看過することはできない」などとしている。

 記者会見した守屋会長は「不偏不党な形で適切な行動をしていくことを求めたい」と訴え、佐藤支部長は「組織的な指示に基づいて行われたものであれば説明する責任がある」と指摘した。

 一方、東京都の男性が19日、排除した氏名不詳の警察官らの行為は公務員職権乱用容疑などに当たるとして、札幌地検に告発状を郵送した。男性は「ヤジを飛ばした人々の腕や肩をつかむなどして自由を奪った」などと主張。「(安倍首相の)演説中、1人でヤジを叫んだ行為が演説の自由妨害に当たらないことは明らか」と訴えている。

 15日は「安倍辞めろ」「増税反対」などと叫んだ男女数人が道警によって現場から排除され、専門家から「過剰警備」との指摘が出るなど波紋が広がっている。【真貝恒平、源馬のぞみ】

 元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【選挙・参院選】  2019年07月19日  20:29:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:排除、圧力、脅しに屈してはならない

2019-08-04 08:04:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政界地獄耳】:排除、圧力、脅しに屈してはならない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:排除、圧力、脅しに屈してはならない 

 ★街頭演説にヤジを飛ばしたりプラカードを持っていると警察に排除される。参院選の最中に北海道をはじめ幾つかの首相・安倍晋三の演説中に起きた出来事だ。冷静に見れば組織的なものではない国民の声を“安全上”封殺することの危険性や政府に異議があるだけで取り締まりの対象になる異常性を国民に示した。当然、さまざまな団体が抗議の声を上げたものの、別のニュースにかき消されてうやむやになっていくのだろう。だが、実行した側は「前例」として以前にも排除したが少し騒がれただけで、とりたてて問題はなかったと次の選挙でも同様に、いやそれ以上の実力行使に及ぶかもしれない。

 ★すると今度はその参院選の敗因の分析をした沖縄の琉球新報、沖縄タイムスの記事に対して、惨敗した自民党県連が記者会見まで開いて抗議した。県連会長・中川京貴は「事実じゃないものが多い」とするが敗因のプロセスを報じる際に表に出ると都合の悪いことが明らかになることへのけん制にしか聞こえず、結果、報道機関への圧力どう喝と同じ意味を持つ会見ではないか。ましてタイムスには個別に「情報源を明かせ」といったことまで言ったようだ。

 ★県連は「報道圧力をかける意図は全くない」というものの、会見を開いて抗議という手法を選択している限りその説明は通らない。同時に「そんなつもりはない」と言い続けて、今後自民党にとって気に入らない報道同様抗議会見全国展開する「前例」になりかねない。こんな会見が頻繁に起きると、新聞記者はめんどうなことには触れず、避けて書くようになる。デスクが物議を醸しそうなら削れと言い出しかねず、世の中事なかれ主義助長しかねない。脅しに屈してはならない。(K)※敬称略 

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2019年07月26日  09:23:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:NIE全国大会 深い学びに新聞の活用を

2019-08-04 06:01:55 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌】

【社説】:NIE全国大会 深い学びに新聞の活用を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:NIE全国大会 深い学びに新聞の活用を 

 学校などで新聞を教材として活用する「NIE(教育に新聞を)」の実践報告をする第24回NIE全国大会が栃木県宇都宮市で開かれた。「深い対話を育むNIE」を大会スローガンに、教師や新聞社の関係者らが、教育現場での新聞の実践的な活用法を学んだ。

 新しい学習指導要領は「主体的・対話的で深い学び」を全ての学校段階で展開するよう求めている。子どもたちが新聞を通じて社会に目を向け、対話の材料を提供することで成長につなげる紙面作りを目指したい。
 記念講演では戦後の国語教育をけん引した故・大村はまさんの元生徒で作家の苅谷夏子さん(大村はま記念国語教育の会事務局長)が新聞を活用した授業の実践例を紹介した。大村さんは同じ事柄の記事を新聞4紙で読み比べ、表現の違いを見つける授業をしている。「比較するものを探し、考える人になる練習をする」と述べ、新聞の活用で思考力が養われると強調した。
 新聞を読むことは学力の向上につながっているとの調査が先日、報告された。今年の全国学力テストの児童生徒アンケート結果を文部科学省が分析したところ、新聞を読む頻度が高いと、英語を含む全教科で平均正答率が向上する相関関係が見られた。
 アンケートでは「新聞を読んでいますか」との質問に「ほぼ毎日」「週に1~3回程度」「月に1~3回程度」「ほとんど、または全く読まない」の選択肢を用意し、それぞれを選んだ子どもの平均正答率を比較した。
 小中学校のいずれの教科でも、「ほぼ毎日」の平均正答率が最も高く、頻度が下がるごとに成績は下がっていった。特に小学校国語では「ほぼ毎日」が73・2%だったのに対し、「全く読まない」が61%と全教科の中で最も差が開いた。
 2020年度にセンター試験の後継として導入される「大学入学共通テスト」では知識の質や表現力を見るために、多様な資料から読み取った情報を基に考え、表現できるかが問われる。今年の全国学力テストでも、それに基づいた設問が出された。沖縄は、小学生では正答率が全国平均を上回ったが、中学生は国語、数学、英語の全教科で平均を下回った。
 新聞の特徴の一つは政治、経済からスポーツ、芸能まで幅広い分野の記事が一覧できることである。子どもたちが主体的に記事を選び、読み、考えることが深い学びにつながるのであろう。
 今、特にインターネット上では事実と違う情報が氾濫し、差別を助長する言説も横行している。そんな中で育つ子どもたちには今まで以上に情報を取捨選択する力と思考力が求められている。その力を養うために授業で新聞を活用してほしい。県内でもさまざまな授業実践が重ねられている。学校現場でのNIEの取り組みを広げていきたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月04日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:絆と郷土愛 育む綱引き

2019-08-04 06:01:50 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【金口木舌】:絆と郷土愛 育む綱引き

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:絆と郷土愛 育む綱引き 

 2年ほど前、糸満市役所の駐車場で偶然目に留まった。糸満大綱引を描いた「ご当地マンホール」だ。地元では当たり前でも、市外出身者には新発見だった

 ▼沖縄本島南部は集落での綱引きも多く、ルールはそれぞれ違う。糸満市米須は住民らの「村引き」の後、誰もが参加できる「衆人引き」がある。糸満市小波蔵は男女に分かれて競う。八重瀬町小城は白い服で綱を引く。独自の習わしは興味深い
 ▼糸満市大里区の綱作りでは、東と西の女性たちがそれぞれ名物のジューシーを作る。1個約1合もある大きなおにぎりにし、綱作りに精を出す男性たちの胃袋を満たす。女性たちは自慢のジューシーを作りながら絆を深める
 ▼年中行事を大切に守り続ける集落の中には、高齢化や人口減少など課題を抱える地域もある。綱の長さを短くしたり、綱引きの回数を減らしたりするなど、知恵を絞りながら伝統を受け継ぐ
 ▼きょうは与那原大綱曳まつり。本番に向け子どもからお年寄りまで一丸となって準備を進め、郷土愛を育んでいる。440年余の伝統ある綱曳は今年、ふるさとイベント大賞で大賞に輝いた。地域の誇りだ
 ▼旧盆や旧暦8月15日など、綱引きはこれから本番を迎える。貴重な地域文化が世代を超えて継承されていくのは素晴らしい。若い担い手たちにとっては、多くの新発見が埋もれているに違いない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月04日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:韓国ホワイト国除外 対抗措置ではなく対話を

2019-08-04 06:01:45 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説】:韓国ホワイト国除外 対抗措置ではなく対話を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:韓国ホワイト国除外 対抗措置ではなく対話を 

 日韓両国の関係を一層悪化させる政府の決定に、重大な懸念を抱かざるを得ない。

 安全保障上の輸出管理で優遇措置を受ける「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正が閣議決定されたのである。半導体材料の輸出管理の厳格化に続く規制強化措置だ。
 これまで、軍事転用できる物資や技術を韓国に輸出する際、手続きの簡素化などの優遇措置が取られていた。ホワイト国から除外されると、輸出に際し、多くの品目で、軍事転用の恐れがあると判断された場合に国の許可を受ける必要がある。
 政府は「韓国当局とは貿易管理に必要な意見交換ができない状態で、信頼関係が損なわれた」と強調する。政府は否定するが、日本企業が賠償を命じられた元徴用工問題への対抗措置にしか映らない。
 強硬な姿勢を示すことで韓国の譲歩を引き出す狙いがあるのだとすれば、見込み違いだ。文在寅大統領は「外交的努力を拒否し、事態をさらに悪化させる非常に無謀な決定」と非難し、対抗措置を取る考えを表明した。
 両国関係が悪化した影響は既に民間交流にまで及んでいる。8月6~10日に豊見城市で予定されていた「日韓小学生ハンドボール親善交流大会」も韓国側の意向で中止になった。全国で草の根交流の中止が相次いでいる。
 半導体などの製造に必要な材料3品目の韓国向け輸出規制を強化してから、日本への反感が急速に強まっているという。国民一人一人の生活に影響しかねない事態になったからだ。政府の対応が問題を一層こじらせたと言えよう。
 河野太郎外相は元徴用工訴訟問題を巡って駐日韓国大使を外務省に呼んで抗議した際、「極めて無礼だ」と不快感を示した。外相こそ礼を欠いている。外交の責任者が感情的になっては、解決などおぼつかない。
 1965年の日韓請求権協定は、日本の韓国に対する経済協力として、当時のレートで約1080億円に当たる3億ドルを無償供与し、別に2億ドルの長期低利貸付を行うことを定めた。日韓両国とその国民の間の財産、権利、利益、請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決された」と確認されている。
 協定の解釈などに関する紛争は外交で解決し、解決しない場合は仲裁委員会の決定に服する取り決めだ。
 日本政府は協定によって解決済みとの立場である。そうであれば、協定に従い、正攻法で折衝を重ねるのが筋だろう。直接関わりのない貿易問題を絡めるべきではない。
 隣国同士の対立は双方にとって何のプラスにもならない。反目の先に待っているのは不幸な未来である。これまで民間レベルで積み重ねてきた交流の歴史にもくさびを打ち込みかねない。両国政府は冷静に対話の道を探ってほしい。対抗措置の応酬は憎悪を拡大させるだけだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月03日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:心躍る子どもたちの活躍

2019-08-04 06:01:40 | 【スポーツ全般・屋内外の競技種目・オリ、パラ、デフリンピック・国民スポーツ大会】

【金口木舌】:心躍る子どもたちの活躍

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:心躍る子どもたちの活躍 

 夏休みは小中高校生の活躍を伝える記事が連日掲載される。ライフル射撃の全国高校選手権で興南の女子チームが団体優勝した。全国高校総合体育大会のバスケットボール女子では、西原が8強入りした。ベスト4は逸したが、好機を逃さない戦い方が印象的だった

 ▼小中高校生を対象にした詩のコンクール「神のバトン賞」の入賞作品は、日々の発見を言葉に込めた力作ぞろい。情景が目に浮かぶような驚きを覚えた
 ▼兄にラジコンを奪われ抵抗しながらも「おにいちゃんきらい/でも/すきなときも/すこしだけある/なんでだろう/いじわるされても/あそびたくなる/なんでだろう」。与那原小1年の仲宗根亨さんの作品「らじこんがとられた」
 ▼兄弟関係の“あるある”を描いた。素直な詩に頬が緩んだ。宜野湾高3年の當眞海音さんの作品「私」は、自分への鋭い批判精神が込められ、読む側もはっとさせられる
 ▼「十人十色 多種多様/奇人 変人 凡人も/『みんな違ってみんないい』/そんな世界は存在しない/周りを気にして今日もまた/私は上手く化けて群れる」。後半は「虚構」から脱却し、広い世界へ「私」が歩み出す決意をつづった
 ▼豊かな感性に心を揺さぶられる。スポーツの分野では諦めない姿勢に元気づけられる人も多いだろう。子どもたちの活躍に触れる。夏の楽しみの一こまだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:最低賃金中央審答申 正規雇用の拡大不可欠だ

2019-08-04 06:01:35 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説】:最低賃金中央審答申 正規雇用の拡大不可欠だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:最低賃金中央審答申 正規雇用の拡大不可欠だ 

 2019年度の最低賃金は現在の方式になってから最大の引き上げ幅となり、全国平均で時給900円台に達する見込みだ。政権は「戦後最長の景気拡大」を強調してきたが、生活者に所得増の実感は乏しい。最低賃金の引き上げで労働分配率を高め、暮らしの底上げをさらに進めていく必要がある。

 最低賃金は人を雇う際の一般的な金額ではなく、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するセーフティーネットだということを認識しなければならない。
 中央最低賃金審議会の目安通りの引き上げ額だと沖縄県の最低賃金は788円となる。788円に引き上げられたとしても、週40時間働いて月の収入は13万円に届かない。年収換算では150万円程度であり、家計を維持できる十分な額ではない。
 これまでにも、最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の給付水準を下回る逆転現象が起きるなど「ワーキングプア」を巡る議論があった。働くことで生活保護から脱するという意欲につながり、貧困の連鎖を生み出さない水準まで最低賃金を引き上げていくことが求められる。
 さらに沖縄の最低賃金額は全国平均の901円と差があり、千円に達しようとする東京、神奈川と200円以上の開きがある。
 物価や企業規模の水準が異なり、地方の中小零細企業にやみくもに賃上げを迫れないという事情はあるだろう。だが、住む場所によって国民の生活保障に差が生じることがあってはいけない。同じ労働であれば賃金の良い大都市圏へと人口が流出し、都市と地方の経済力の格差を広げることにもなる。
 1人当たりの県民所得が全国一低い状況からの脱却を目指す沖縄県にとって、最低賃金の地域間格差を埋めることは重要な政策課題だ。
 総務省の就業構造基本調査によると、17年の非正規雇用者の割合は沖縄が43・1%で、47都道府県で最も高い。全国平均は38・2%だ。雇用が不安定で賃金が低い非正規が多い中で、最低賃金は全国で最低の水準に置かれる。県民の所得増には最低賃金の引き上げだけでは足りず、働く人を使い捨てにしない正規雇用の拡大が不可欠だ。
 現状は深刻化する人手不足により最低賃金では人を採用できず、最低賃金以上の条件で募集している実態がある。従業員の待遇改善が経営課題となってきた現下の情勢を生かし、非正規から正社員への転換を官民挙げて後押ししていく必要がある。
 これから中央最低賃金審議会の答申を目安に、沖縄地方最低賃金審議会が10月以降の沖縄県の最低賃金額を決めていく。18年度は中央審議会の目安額にさらに2円を積み上げ、沖縄が鹿児島県を上回って全国最下位を脱する形となった。地方審議会での県内労使の議論を注視したい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月02日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:コロンバインから20年

2019-08-04 06:01:30 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【金口木舌】:コロンバインから20年

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:コロンバインから20年 

 米西部カリフォルニア州のイベント会場で銃撃事件があった。6歳の男児を含む少なくとも3人が死亡した。毎年10万人以上が参加するフードフェスティバルの最終日だった

 ▼1999年に米コロンバイン高校で13人が殺害された銃乱射事件から20年がたった。4月に同高校近くで開かれた追悼集会で、被害者の母親は「あの子が今でも帰宅するような気持ちを抱きながら20年が過ぎた」と振り返った。繰り返される銃犯罪に被害者は胸を痛めている
 ▼しかし米国の銃規制を巡る議論は低調だ。事件を題材にしたマイケル・ムーア監督の映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」は、犠牲者の父親らの銃規制を求める声だけでなく、規制反対派の意見も紹介している
 ▼隣国カナダも銃社会だが、米国のような乱射事件は起こっていないという。白人たちは、虐げてきた黒人の「復讐(ふくしゅう)」を恐れ、銃で身を守っているというのがムーア監督の持論のようだ
 ▼事件後、容疑者らが好んでいたとしてやり玉に挙がった歌手マリリン・マンソンも映画に登場する。ムーア監督から、容疑者たちが目の前にいたとしたらどう関わりたいかを問われ「何も言わず黙って彼らの話を聞く。誰もそれをしなかった」と答えている
 ▼悲劇をなくすには銃の規制が不可欠だ。対話を通して、多様な人々が認め合う社会をつくらなければならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:健診異常全国最悪 生活習慣の改善が急務だ

2019-08-04 06:01:25 | 【医療・診療報酬・病気・地域・オンライン診療・マイナ保険証・薬価・医療過誤】

【社説】:健診異常全国最悪 生活習慣の改善が急務だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:健診異常全国最悪 生活習慣の改善が急務だ 

 健康増進のために、県民ぐるみの取り組みが必要だ。

 2018年の県内事業場(労働者50人以上)の定期健康診断で何らかの異常所見があった人の割合が66・7%に達した。沖縄労働局が発表した。09年の統計開始以来、最悪だ。全国平均の55・5%を大きく上回り、8年連続で全国ワーストを記録している。
 常時50人以上の労働者を使用する事業者は定期健康診断結果報告書を労働基準監督署に提出することが義務付けられている。報告のあった1070事業場の受診者11万4271人のうち7万6189人の健康診断項目に異常の所見があった。
 有所見率が最も高いのは血中脂質で、40・9%に上る。全国平均は31・8%だ。以下、肝機能、血圧と続く。由々しき事態である。
 血中脂質の異常は動脈硬化を促進する。動脈硬化が進めば、脳梗塞や心筋梗塞といった重大な疾患の原因になる。
 年を重ねても、日常生活に支障を来さない健康な状態を維持していくためには、若いうちから食生活に気を配り、適度な運動を心掛けることが大切だ。
 高い有所見率の背景について専門家は、欧米型の食習慣の蓄積、自家用車への過度の依存による運動不足などを挙げる。幼い頃から食生活が高脂肪、高カロリーに偏っている傾向が見られるという。他府県に比べ、徒歩で移動する習慣が広がっていない点も見過ごせない。
 沖縄では50代男性の2人に1人が肥満だ。全国に比べて突出して高い。肥満になると糖尿病や動脈硬化のリスクが高まる。健康の大敵であり、「万病のもと」ともいわれる。
 定期健康診断では生活習慣病の要因となる項目で有所見率が高い。その点は全国も同様だが、沖縄の場合、数値が全国平均を大きく上回る。このままでは長寿県沖縄の復活など、夢のまた夢だろう。
 健康長寿のためには、食生活の改善、運動不足の解消に加え、たばこを吸わないこと、飲酒量を減らすことなどがポイントになる。健康を脅かす不適切な生活習慣を改めることが急務だ。
 県民の間で危機意識を共有する必要がある。企業の役割も重要だ。社員の健康は、企業が発展していく上で欠かせない要素であり、業績拡大の鍵を握ると言っても過言ではあるまい。
 労働者が健康を損ねることのない、快適な職場環境づくりに努めるべきだ。従業員の健康管理に積極的に関与していく姿勢が求められる。
 沖縄は小規模・零細事業者が多い。そこで働く人たちが健康診断を受けやすい体制を整えなければならない。
 県は「健康長寿復活プロジェクト」の中で、40年までに平均寿命の都道府県順位1位を男女とも奪回し、健康寿命も延ばすことを目指している。その実現には官民挙げた不断の努力が大前提になる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月01日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:本屋の原点

2019-08-04 06:01:20 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【金口木舌】:本屋の原点

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:本屋の原点 

 本を詰めたかごを担いだ男の石像が村の広場にある。イタリア・トスカーナの山深い村の人々は古くから本の行商で生計を立ててきた。内田洋子さんが「モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語」(方丈社)でルポしている

 ▼各地を歩いて最新トレンド情報を収集し、出版社を訪ねて本を運ぶ。かつては民主主義の意識の広がりを恐れた小国家が禁書を指定する中、スカートに隠して届けるなど重宝されたらしい。知への欲求に寡黙に応じる。本屋の原点だ
 ▼書店調査のアルメディアによると、全国の書店数は2019年5月で1万1446店。約20年で半減した。平均売り場面積は00年の約231平方メートルから約393平方メートルへと広がっている。個人経営の書店が消え大型書店が増えた
 ▼仕事の合間に立ち寄った琉球新報社近くの本屋も閉じて久しい。ネット経由で本を買うのも普通になったが、リアルの書店だからこそお目当て以外の本との出合いがある
 ▼書店にはそれぞれ顔がある。書店員のこだわりに身を委ねてみるのも楽しい。東京の青山ブックセンター六本木店跡にできた入場料を払う書店「文喫(ぶんきつ)」も面白い挑戦だ
 ▼本屋大賞の立ち上げに関わった嶋浩一郎さんは、リアル書店には想定外の情報との出合いがあると言う。経済効率だけでは取りこぼしてしまう何かがある。新たな出合いを求めて、本屋へ行こう。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:弁護士への懲戒請求 差別許さぬ社会築きたい

2019-08-04 06:01:15 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説】:弁護士への懲戒請求 差別許さぬ社会築きたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:弁護士への懲戒請求 差別許さぬ社会築きたい 

 弁護士に対する懲戒請求制度を、差別の手段として悪用、乱用する行為は許されない。

 全国各地の弁護士が2017年、インターネット上の特定のブログの呼び掛けに賛同した人々から、計約13万件に上る懲戒請求を受けた。
 発端は日本弁護士連合会や各地の弁護士会が16年に発表した朝鮮学校への補助金停止に反対する声明にあったという。等しく教育を受ける権利の保障を訴えた声明が懲戒対象になるとは、あぜんとするほかない。
 異様なのは声明に関わった弁護士以外にも懲戒請求が出されたことだ。名前だけで出自を推測して請求したケースがある。自己の意思で変えられない出自を理由に攻撃対象とする卑劣な差別意識の表れである。
 弁護士は人権擁護と社会正義の実現を使命とし、弁護士会には自治権がある。資格審査、組織運営、弁護士の懲戒権と幅広い権限を有する。いかなる権力にも屈しないために自由で独立した職権の行使が保障されるのは自治権あるがゆえだ。
 懲戒請求は相談者や依頼人、関係者に限らず、誰でも請求できる。「品位を失うべき非行」が対象だ。強制加入団体である弁護士会で、最も重い除名処分となれば弁護士活動はできなくなる。
 懲戒請求を呼び掛けたブログには書式が用意され、これに応じた読者が、見ず知らずの弁護士名が記載された書面に記名、押印するケースが多かった。制度が安易に悪用され、大量の懲戒請求に至ったようだ。
 沖縄弁護士会も昨年7月、961件の懲戒請求が出されたことを明らかにしている。「事実に基づかない不当な請求。懲戒請求制度の乱用」と抗議する会長声明を発表した。
 全国では、根拠もなく懲戒請求を送りつけた人に対する訴訟が起きている。
 札幌弁護士会の弁護士3人の元にも全国の960人から同一文面で懲戒請求が届いた。「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、推進する行為は確信犯的犯罪行為」などと記されていた。3人は8月中にも北海道内の請求者52人を相手に損害賠償を求める訴訟を起こす。
 出自を理由として懲戒請求された弁護士の訴訟では東京高裁が5月に「人種差別」性を認定し賠償を命じた。
 幸福追求権や平等原則などあらゆる憲法秩序を破壊するにも等しい請求である。当然の判決と言えよう。
 東京地裁の6月の判決では人種差別撤廃条約を初適用し差別を認定した。同条約は国連総会で1965年に採択され、日本も95年に加入した。
 弁護士だけの問題ではない。社会を差別などによって分断するような動きはネット上をはじめ、常に潜んでいる。国民一人一人が人種差別撤廃条約などの趣旨に理解を深め、差別を断固許さない社会を築きたい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年07月31日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:まちづくりの可能性

2019-08-04 06:01:10 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【金口木舌】:まちづくりの可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:まちづくりの可能性 

 遅ればせながら、サンエー浦添西海岸パルコシティに出掛けた。開店から1カ月余り。平日にもかかわらず、多くの買い物客や観光客で大にぎわいだった

 ▼とにかく広い。方向音痴の当方は見取り図に頼っても目当ての店を探せない。北中城村のイオンモール沖縄ライカムでもそうだった。迷っているうちに、約30年前の記憶がよみがえった
 ▼新名所のお隣と言ってよいだろうか。米軍キャンプ・キンザー内にある一棟の倉庫を訪ねたことがある。中古の家具類を納めた長大な棚に戸惑い、たちまち迷子になってしまった。圧倒的な物量には驚いた
 ▼パルコシティもさまざまな商品棚が並び、物量に圧倒されたが、薄暗くて無機質な倉庫とは違う。軽快な音楽が流れ、店内は明るい。何よりも客の笑顔に心が和む。基地に隣接した空間に生まれた別天地といった趣である
 ▼イオンモール沖縄ライカムも米軍基地跡地に生まれた。大型ショッピングモールの進出は、既存商店街の脅威となる。共存の道はあるだろうか。まずは日々の暮らしから支えたい。なじみの商店街へ総菜を買いに行こう
 ▼せっかくパルコシティに来たのだからと、記念にハンバーガーとジュースを買った。締めて440円。道向こうの護岸で海を眺めながら食べた。まちづくりの可能性と課題を考えながらも、開放的な気分に浸った。いい買い物だった。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年07月31日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:国会議員のパワハラ 政治の土台を崩す問題だ

2019-08-04 06:01:05 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説】:国会議員のパワハラ 政治の土台を崩す問題だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:国会議員のパワハラ 政治の土台を崩す問題だ 

 政治家として失格だと断じざるを得ない。

 自民党の石崎徹衆院議員=比例北陸信越=から暴行を受けたとして30代の男性秘書が警察に被害届を出した。男性は新潟市内で、5月から複数回にわたり、石崎氏から殴る蹴るの暴行を受けたという。新潟県警は今後、詳しく調べる方針だ。
 男性は石崎氏の秘書になった直後から「ばか」などと暴言を浴びせられ、車で石崎氏を送迎していた際には「運転が悪い」と車内で怒鳴られた。次第に暴力が増え、連日殴られて腕に青あざができたと訴えている。
 自民党新潟県連の聴取に対し、石崎氏は暴言を認めたが、暴行の有無については、捜査に影響があるなどとして明言を避けたという。新潟県連は自民党本部に対し、石崎氏の除名や離党勧告など厳正な処分を求めている。
 もし暴行が事実なら、議員辞職にも値する。石崎氏は近く記者会見を開く意向のようだが、一刻も早く真実を明らかにし、自らしかるべきけじめをつけてほしい。
 石崎氏は財務省職員を経て2012年12月の衆院選で初当選し現在3期目。17年には、自民党の衆院議員だった豊田真由子氏による秘書への暴言・暴行が明らかになった。同氏は自民党を離党後、衆院選で落選している。
 豊田氏の不祥事は記憶に新しい。石崎氏は豊田氏の問題から何を学んだのだろうか。わが事として襟を正せなかったことが不思議でならない。
 自民党の責任も問われる。明るみに出たパワハラが氷山の一角である可能性はないのか。ほかにも同様の事例がないか調査した方がいい。いずれにしても抜本的な再発防止策を講じるべきであろう。
 ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、政治家の重要な資質は、情熱、責任感、判断力だと言い、一番の敵は虚栄心だと指摘した。石崎氏の振る舞いの源が虚栄心だとすれば、政治家としての資質を大きく欠いていると言わざるを得ない。
 政治家には、人々を導くリーダーとして模範となる行動が期待される。ましてや石崎氏は国のかじ取りを任された政権政党の衆院議員だ。人権と倫理を重んじる高度な資質と行動が求められる。今回の問題は、そのような国民の期待を大きく裏切る行為だ。
 パワハラの問題は近年深刻化し社会全体でなくす努力が行われている。根絶を主導すべき国会議員がこのありさまでは機運が後退しかねない。社会に及ぼす影響も大きい。
 国会議員には、法律を作り予算を審議するという大切な職責がある。パワハラを繰り返すのは人権感覚が欠けているからだ。人権をないがしろにする人たちに政策決定を委ねるわけにはいかない。
 政権政党である自民党がこの問題を軽く見るのなら、国民の信頼や期待という政治の土台さえ崩れかねない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年07月30日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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