路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:昭和天皇の言葉 歴史の実相解く糸口に

2019-08-22 06:10:40 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説①】:昭和天皇の言葉 歴史の実相解く糸口に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:昭和天皇の言葉 歴史の実相解く糸口に 

 昭和天皇が独立回復式典で戦争への「反省」を表明しようとした。初代宮内庁長官が残した記録で判明した。当時の吉田茂首相の反対で削除された。昭和史の重要資料で、全文公開を求めたい。

 「私ハどうしても反省といふ字をどうしても入れねばと思ふ」(一九五二年一月十一日)。初代宮内庁長官を務めた故田島道治が記録した「拝謁記」にある言葉だ。手帳やノートで計十八冊にのぼり、遺族から提供を受けたNHKが一部を公表した。

 後悔や反省のお言葉は五二年五月の式典で語られるはずだった。吉田首相は「戦争を御始めになつた責任があるといはれる危険がある」と反対した。天皇の謝罪については加藤恭子氏の先行研究があり、すべてが新事実とまで言えない。だが、君主から象徴天皇へと移りゆく昭和天皇の内面を再検証できる意義はあろう。

 まず反省の中身とは何であったか。戦争そのものが天皇自身にも痛恨の極みだったと察せられる。「終戦で戦争を止める位なら宣戦前か或(あるい)はもつと早く止める事が出来なかつたかといふやうな疑を退位論者でなくとも疑問を持つと思ふ」-。そのような記述からも心情がよく理解できる。

 開戦のはるか前に戦争を食い止められたというのだ。ただ当時は軍内部でも上層部を無視する下剋上(げこくじょう)の風潮があった。だから「事の実際としてハ下剋上でとても出来るものではなかつた」とも回想する。言い訳との批判も出そうだが、退位の覚悟を伴っている。「国民が退位を希望するなら少しも躊躇(ちゅうちょ)せぬ」-反省も退位も昭和天皇の本心で信頼にたり得よう。

 統治を掌握する総攬(そうらん)者、陸海軍の大元帥でも防げなかった戦争とは何か。開戦の実相を解くさらなる研究を待ちたい。

 反省の方向が進軍した諸外国に必ずしも向けられていないのは残念である。ただ、中国での南京事件には「ひどい事が行ハれてる」と聞いたとし、「此事(このこと)を注意もしなかつた」と悔やんだ。歴史を修正するがごとき言説がまかり通る現在、昭和天皇の言葉は格段の重みを発するはずである。

 憲法改正や再軍備への言及には、長官から「それは禁句」といさめられてもいる。まずは膨大な記録全文を公開するよう宮内庁は努めるべきである。

 なぜ泥沼の戦争に突入していったか、その糸口になる資料でもある。昭和史への視野がさらに広がろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月22日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:日韓外相会談 対立の出口探す努力を

2019-08-22 06:10:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【社説②】:日韓外相会談 対立の出口探す努力を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:日韓外相会談 対立の出口探す努力を 

 日韓外相会談は、お互いの主張をぶつけ合うだけで終わった。これ以上対立を長引かせれば、双方の国民感情を傷つけ、経済的な損失にもつながってしまう。関係修復を探る時期に来ている。

 河野太郎外相は会談で、元徴用工問題での韓国政府の早期対応を促した。韓国の康京和(カンギョンファ)外相は、日本の輸出規制強化について、再度撤回を求めたという。

 双方は、「元徴用工問題が日韓間の最大の懸案」との認識で一致したというが、従来の対立がそのまま再現されただけで、「出口」は依然として見えなかった。

 日韓の対立を巡っては、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が十五日の演説で、日本に対話と協力を呼びかけ、前向きなシグナルと期待された。この日の外相会談にも関心が集まっていただけに、残念な結果だ。

 輸出規制強化は、日韓の対立の原因となっている元徴用工問題の対応を求めるのが目的だった。

 韓国の弱点を突くように実施した日本政府のやり方には問題が多い。ただ、韓国側の最近の対応も理解しがたい部分が多い。

 韓国政府は、日本政府に対し東京電力福島第一原発で増える放射性物質を含んだ処理水の扱いをただし、日本産食品の放射線検査の強化も発表した。

 二十四日に更新の判断期限を迎える日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)については、「検討中」として、態度を明らかにしていない。逆に日本側の弱点を探り、報復をちらつかせているような印象さえ受ける。

 そもそも元徴用工の問題は、日本の植民地支配に深く関係する。安倍政権は、歴史を抜きにし、法律や条約の観点だけで論じており、適切とは言い難い。

 その一方で韓国政府は、元徴用工救済のため、日韓企業による基金を設置する案を提示している。

 これには専門家からも、過去の交渉の経緯を踏まえ、韓国政府が基金に責任を持って関与するよう求める意見が多い。韓国側の担当者は考えを明らかにしてほしい。

 対立が長引いている間に、韓国では日本製品の不買運動や、安倍政権を批判する集会が目立っている。日本への旅行客も減少。航空便の減便休止が相次いでいる。

 七月の訪日韓国人の数は、前年同月比で7・6%の減だった。観光業への影響が広がりそうだ。

 日韓関係の今後を懸念する声は日本でも高まっている。協議を重ね、収拾を急ぐ必要がある。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月22日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「銃が人を殺すのではない、人が殺すのだ」。

2019-08-22 06:10:20 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【筆洗】:「銃が人を殺すのではない、人が殺すのだ」。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「銃が人を殺すのではない、人が殺すのだ」。

 米国で銃によるひどい犯罪が起きるたびに、銃の規制に反対する人たちの主張として表に出てくる言葉だ。悪いのは使う人間である、問題は使い方であって銃自体ではないという趣旨だろう▼結論部分はとりあえず別にして、たしかに銃を使う人間の側に問題が起きている。そう思わされる不気味な事態が、米国発のニュースで伝わってくる▼中南米系の人々を憎んでいたとされる男がメキシコ国境のエルパソで、銃を乱射し二十人以上の死者が出た。今月はじめの衝撃的な事件だったが、それ以後、銃乱射などで多人数が殺害されるおそれがあった事件が米国各地で少なくとも四件、当局に食い止められていたという。わずか半月ほどの間に異常な多さだ▼米紙などの報道によると、ユダヤ人や黒人、中南米系の人を敵視する男らが銃器を準備していたり、犯行を計画したり、ネットで予告したりしていた。横のつながりはないようだ▼人種間の憎悪をあおっているとしか思えないトランプ大統領の発言が先月あった。影響があったかどうかは分からないが、未遂の事件の容疑者の中に、大統領の姿勢に心酔する者もいたそうだ。憎悪犯罪などといわれるが、罪の意識が軽い人間が米社会のどこかで増えていないだろうか▼人間の問題である。だからこそ銃の規制を、でもあるだろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年08月22日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【首相の一日】:8月21日(水)

2019-08-22 06:10:10 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:8月21日(水)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:8月21日(水) 

 【午前】6時55分、宿泊先の山梨県鳴沢村の別荘から同県山中湖村のゴルフ場「富士ゴルフコース」。昭恵夫人、河野雅治外務省中東和平担当特使、籔本雅巳錦秀会グループ最高経営責任者(CEO)、松崎勲森永商事社長らとゴルフ。

 【午後】3時3分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年08月22日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:対馬丸撃沈75年 体験を継承し平和築こう

2019-08-22 06:01:55 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説】:対馬丸撃沈75年 体験を継承し平和築こう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:対馬丸撃沈75年 体験を継承し平和築こう 

 疎開学童ら1788人を乗せ、那覇から九州に向かった対馬丸が米潜水艦の魚雷攻撃によって沈没して75年を迎えた。犠牲者は判明しているだけで1484人を数える。その半数以上は未来に夢を抱いていた子どもたちだった。

 沖縄戦の教訓は「軍隊は住民を守らない」ということだ。同様に戦時において国家は県民、国民を守るどころか、時には犠牲を強いるという事実を突き付けられたのである。対馬丸撃沈はそのことを如実に示す悲劇だった。
 「絶対国防圏」の要衝とされたサイパン島の日本軍が壊滅した1944年7月7日、政府は沖縄や奄美のお年寄りや女性、子どもたちを島外に移動させる方針を閣議決定した。沖縄が戦場となることが不可避となり、戦争の足手まといとなる住民を排除し、食糧を確保するという戦争遂行上の意図があった。
 既に沖縄周辺海域の制海権を日本は失っていた。対馬丸の航行を把握していた米潜水艦によって鹿児島県悪石島沖で沈められたのだ。対馬丸が軍団輸送に使われた軍徴用船だったことも災いした。
 対馬丸撃沈は、米国との戦いで劣勢にありながら戦争を遂行した国家が危険を承知で疎開に踏み切ったことによる犠牲である。国家の責任を問い、対馬丸撃沈を「事件」と捉える研究者もいる。政府が「対馬丸遭難学童遺族特別支出金」を支給しているのも国策の犠牲を考慮したものだ。
 対馬丸以外の沖縄関係戦時遭難船舶の存在も忘れてはならない。フィリピンやサイパンなどの島々から県出身者を乗せて出港した引き揚げ船25隻が米軍の攻撃で沈められている。対馬丸とは異なり、戦時遭難船舶は今日に至るまで犠牲者の補償はなされていない。対馬丸同様、国策遂行による犠牲という側面が指摘されており、何らかの遺族補償が考慮されるべきだ。
 体験者や遺族は対馬丸の悲劇を語り継いできた。体験継承の拠点となっているのが対馬丸記念館である。2004年8月の開館から今年で15年を迎えた。17年3月には生存者や犠牲者の遺体が流れ着いた奄美大島に慰霊碑が建立されたことも体験継承に資する取り組みだ。
 日本と近隣諸国との関係が悪化している今日、対馬丸の悲劇を語り継ぐ意義を改めて考えたい。対馬丸記念館が開館時に発したメッセージが参考になろう。
 「いまも世界では報復の連鎖が子どもたちから新たな夢と希望を奪っています。この報復の連鎖を断ち切る努力を一人ひとりがすること、これこそが、対馬丸の子どもたちから指し示された私たちへの『課題』ではないでしょうか」
 75年前の惨劇で失われた夢を無にしないこと、無益な争いによって現代の子どもたちから夢を奪うことを避けるためにも、私たちは未来に向かって対馬丸を語っていかなければならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月22日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:「一部の犠牲」はやむを得ないか

2019-08-22 06:01:50 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【金口木舌】:「一部の犠牲」はやむを得ないか 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:「一部の犠牲」はやむを得ないか  

 他人の真意を把握するのは容易ではない。仕事場や私生活でもミスコミュニケーションによる問題は誰しも経験があるだろう。それが雲上人ともなれば、なおさらだ

 ▼昭和天皇が1953年に初代宮内庁長官に語っていた言葉が公になった。戦争への反省を表明しようとしたが吉田茂首相の判断で削除されたことは以前から知られていたが、基地問題を巡る発言もあり、身内を前にしたためか、かなり冗舌な印象だ
 ▼基地から派生する問題を犠牲と認識してはいたようだ。その上で昭和天皇は「全体の為(ため)ニ之(これ)がいいと分れば一部の犠牲は已(や)むを得ぬと考へる」と述べ、代わりに補償するしかないと論じている
 ▼これまでも公ではない言葉はいくつか出ている。47年には米国による琉球諸島の軍事占領継続の考えを米側に伝えた。いわゆる天皇メッセージだ。日本の主権は残しつつ25~50年かそれ以上の米国による沖縄の長期租借を、と考えていた
 ▼75年の訪米後の会見で昭和天皇は、広島への原爆投下を遺憾としつつ「戦争中であることだから、どうも広島市民に対しては気の毒だが、やむを得ない」と答えた
 ▼言葉だけでは、どう考えていたか、判断は難しい。戦争を起こした責任者として「贖罪(しょくざい)意識」も指摘される。だが一連の言葉からは「一部の犠牲はやむを得ない」との観念は共通して持ち続けていたことが分かる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月01日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:昭和天皇「拝謁記」 戦後責任も検証が必要だ

2019-08-22 06:01:45 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説】:昭和天皇「拝謁記」 戦後責任も検証が必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:昭和天皇「拝謁記」 戦後責任も検証が必要だ 

 初代宮内庁長官の故田島道治氏が昭和天皇とのやりとりを詳細に記録した「拝謁(はいえつ)記」の一部が公開された。それによると、本土で米軍基地反対闘争が起きていた1953年、昭和天皇は「全体の為(ため)ニ之がいいと分れば一部の犠牲は已(や)むを得ぬと考へる…」「誰かがどこかで不利を忍び犠牲を払ハねばならぬ」(引用部は一部原文のまま)などと述べていた。

 昭和天皇が47年、米軍による沖縄の長期占領を望むと米国側に伝えた「天皇メッセージ」の根本にある考え方と言っていいだろう。
 沖縄を巡り、昭和天皇には「戦争責任」と「戦後責任」がある。歴史を正しく継承していく上で、これらの検証は欠かせない。
 45年2月、近衛文麿元首相が国体護持の観点から「敗戦は必至」として早期和平を進言した。昭和天皇は、もう一度戦果を挙げなければ難しい―との見方を示す。米軍に多大な損害を与えることで講和に際し少しでも立場を有利にする意向だった。
 さらに、45年7月に和平工作のため天皇の特使として近衛元首相をソ連に送ろうとした際には沖縄放棄の方針が作成された。ソ連が特使の派遣を拒み、実現を見なかった。
 そして47年9月の「天皇メッセージ」である。琉球諸島の軍事占領の継続を米国に希望し、占領は日本に主権を残したまま「25年から50年、あるいはそれ以上」貸与するという擬制(フィクション)に基づくべきだ―としている。宮内府御用掛だった故寺崎英成氏を通じてシーボルトGHQ外交局長に伝えられた。
 既に新憲法が施行され「象徴」になっていたが、戦前の意識が残っていたのだろう。
 これまで見てきたように、昭和天皇との関連で沖縄は少なくとも3度切り捨てられている。根底にあるのは全体のためには一部の犠牲はやむを得ないという思考法だ。
 こうした考え方は現在の沖縄の基地問題にも通じる。
 日本の独立回復を祝う52年の式典で昭和天皇が戦争への後悔と反省を表明しようとしたところ、当時の吉田茂首相が反対し「お言葉」から削除されたという。だからといって昭和天皇の責任が薄れるものではない。
 戦争の責任は軍部だけに押し付けていい話ではない。天皇がもっと早く終戦を決意し、行動を起こしていれば、沖縄戦の多大な犠牲も、広島、長崎の原爆投下も、あるいは避けられたかもしれない。
 「拝謁記」で、昭和天皇が戦前の軍隊を否定しつつも、改憲による再軍備を口にしていたことは驚きだ。憲法99条は天皇や国務大臣など公務員に「憲法尊重擁護の義務」を課している。象徴である天皇自身が憲法改正を主張することは許されないはずだ。
 「拝謁記」で明らかになった昭和天皇の発言が、現政権による改憲の動きに利用されることはあってはならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月21日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 ◆NHKスペシャル 昭和天皇は何を語ったのか ~初公開・秘録「拝謁(はいえつ)記」~

 ■2019年8月17日(土) 午後9時00分~9時59分

 日本の占領期の第一級史料が発見された。初代宮内庁長官として昭和天皇のそばにあった田島道治の『拝謁記』である。1949(昭和24)年から4年10か月の記録には、昭和天皇の言動が、田島との対話形式で克明に記されていた。敗戦の道義的責任を感じていた昭和天皇は、当初「情勢ガ許セバ退位トカ譲位トカイフコトモ考ヘラルヽ」としていた。さらに、1952年の独立記念式典の「おことば」で戦争への反省に言及しようとする。しかし、吉田茂首相からの要望で、最終的に敗戦への言及は削除されていく。その詳細な経緯が初めて明らかになった。番組では、昭和天皇と田島長官の対話を忠実に再現。戦争への悔恨、そして、新時代の日本への思い。昭和天皇が、戦争の時代を踏まえて象徴としてどのような一歩を踏み出そうとしたのか見つめる。

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【金口木舌】:台風の目、御主前の目

2019-08-22 06:01:40 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【金口木舌】:台風の目、御主前の目

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:台風の目、御主前の目 

 昨年9月末、沖縄が台風24号の目に入ったときに那覇で見た不思議な光景を思い出す。風雨が収まると国際通りやパレットくもじ前の交差点に観光客が大挙押し寄せたのだ

 ▼ホテルに数時間閉じ込められ、よほど退屈だったのか。明るくなった空を見て外に飛び出したのだろう。土産物店はシャッターを下ろしていたが、通りを歩く観光客の表情は晴れやかだった
 ▼台風の目は自然界にも変化を及ぼす。1933年10月、台風の目に入った石垣島の報告は具体的だ。「午前一時四分セスヂガエル鳴始メ二時二十分ヨリ蒸暑ク蚊属ノ出現、三時五分、所員瀬名波氏(四十六歳)ノ脈拍九十九」
 ▼「天頂ノ層積雲ウスラギ時々星ヲ見ル。同三時四十分ホシゴイ鳴ク」ともある。報告者は石垣測候所長の岩崎卓爾。「天文屋(てんぶんやー)の御主前(うしゅまい)」(測候所のおじいさん)と呼ばれた。宮城県生まれで、今年は生誕150年
 ▼29歳から約40年、石垣で気象観測に尽くした。民俗に関する著書もある。気象庁気象研究所長を務めた大谷東平は著書「台風の話」で岩崎の報告を「台風の眼の模様を遺憾なくあらわした名文」と評した
 ▼岩崎は台風の目に入った島の変化をつぶさに見つめ、耳を澄まし、記録した。カエルや鳥の声、同僚の脈拍までも。風雨がやんだ国際通りを闊歩(かっぽ)する観光客を御主前ならどう描き出すだろうか、興味が尽きない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月21日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:水難事故多発 安全対策の周知徹底を

2019-08-22 06:01:35 | 【不慮の事故・自動車事故・予期せず、意図せず、発生する惨事、火災他】

【社説】:水難事故多発 安全対策の周知徹底を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:水難事故多発 安全対策の周知徹底を 

 県内で水難事故が相次ぎ、歯止めがかからない。

 9日に今帰仁村のビーチで英国人男性が溺れて死亡し、11日にも同村でダイビング中の女性が死亡する事故が起きている。旧盆初日の13日には那覇市と石垣市のホテルの屋外プールで幼児が溺れ、意識不明に陥った。
 これらの事故に遭った人のほとんどが観光客だ。沖縄を訪れる観光客は年々増え、年間入域観光客数1千万人が目前である。海やプールなどでレジャーを楽しむ際は安全対策を徹底するよう、県民だけでなく観光客にも注意喚起を徹底する必要がある。美しい海に広く囲まれている沖縄にとって、海は大きな観光資源だ。青い海を目当てに来県する観光客も多い。
 命に関わる事故に遭えば、せっかくの楽しい時間が悲しみのどん底へと変わってしまう。それを未然に防ぐことは、観光立県としての責務ともいえよう。
 県や市町村などの行政機関がダイビング業界やホテル業界と連携し、周知と対策の徹底を図る必要がある。
 沖縄観光に関するサイトや、海洋レジャーの案内パンフレットなどで沖縄の海に関する基本的な知識や安全対策を分かりやすく呼び掛けることも有効だ。
 例えば、干潮から満潮に転じる際の速い海流や深み、心臓が縮こまる水温の急激な変化など、海の危険を示したり、ハブクラゲやオニダルマオコゼなどの危険生物を取り上げて近づかないよう注意を促したりすることだ。
 県民の側も普段から水難事故を防止する意識を持ち、安全のための知識を身に付けておく必要がある。近年の水難死亡事故は、ライフジャケットを着用しないで釣りやシュノーケリングをしたり、飲酒しながら魚釣りをしたり、監視員や救助員のいない場所で海水浴をしたりすることが特徴という。
 つまり、魚釣りや遊泳の際には飲酒をせず、ライフジャケットを着用すれば、事故の多くが未然に防げる。監視員や救助員のいない場所での遊泳は避けたい。
 とりわけ子どもたちの水難事故を防止するには、大人の役割が非常に重要だ。海や川、プールで泳ぐ際は大人が同行し、複数の目で子どもたちを見守りたい。水と親しむためのルールや危険を未然に回避する方法などについて普段から子どもたちと話し合っておくことも大切だろう。
 県内では夏休みが8月末まで続く小中学校も多くある。残りの夏休み期間、楽しい思い出を残すためにも遊泳の際は十分注意し、事故を未然に防ぐことを、大人も子どもも一緒になって心掛けたい。
 これ以上、水難事故の犠牲者を増やしてはならない。観光客の意識にも届くほど強力に県民が一体となって事故防止に取り組むことが肝要だ。それが観光客を笑顔で帰す第一歩にもなる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月20日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:障壁取り除くきっかけに

2019-08-22 06:01:30 | 【障害者を取り巻く諸問題・差別・虐待・雇用・バリアフリー・支援の輪】

【金口木舌】:障壁取り除くきっかけに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:障壁取り除くきっかけに 

 「全国で初めてここにできたものがある」。駆け出し記者の頃、最初に担当した北谷町の関係者がクイズを出した。頭に浮かんだのは観覧車だったが、当然、外れだった

 ▼北谷公園内のソフトボール場がその答え。ソフトボール場と呼ばれ、使用される施設は全国にあるが、専用球場として計画、建設されたのはここが最初だったそうだ。1987年の海邦国体に合わせて整備された
 ▼国体の遺産は施設だけでなく、指導者の系譜として今につながる。南部九州総体で県勢が活躍したなぎなた。躍進を喜んだ県なぎなた連盟の笠原松美理事長は海邦国体の強化コーチとして沖縄に招かれた
 ▼相撲、レスリングなど、さまざまな競技で国体に向けた県勢の育成、強化のために請われて来県した方々がいる。その教えが現役選手、指導者へと受け継がれている
 ▼開催の狙いに共生社会の実現を掲げる東京パラリンピック開幕まであと1年。障がい者を対象にした共同通信の調べでは「障がいの理解につながる」との期待がある一方、「一時の盛り上がりで終わる」との懸念も広がっている
 ▼「障がいがあるのにすごい」という世間の見方を変えよ、との指摘もある。東京大会はさまざまな障壁を取り除く契機となるか。大会の遺産として多様性が真に尊重される社会が実現するか。一人一人の関心度も問われる1年前である。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説】:あおり運転 啓発と厳罰化が必要だ

2019-08-22 06:01:25 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【社説】:あおり運転 啓発と厳罰化が必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:あおり運転 啓発と厳罰化が必要だ 

 茨城県の常磐自動車道であおり運転をして無理やり車を停止させ、運転していた男性を殴ってけがをさせたとして、男が傷害の容疑で逮捕された。同じ車によるあおり運転は愛知県と静岡市でも確認されており、男が同様の行為を繰り返していた疑いもある。

 あおり運転は2017年に神奈川県の東名高速であおられて無理やり停車させられた夫婦が死亡した事故によって社会問題化したが、その後も起こり続けている。茨城県の事件では、被害男性の車に搭載されていたドライブレコーダーの記録から、犯行の一部始終が明らかになった。
 ドライブレコーダーの設置など自衛の手段を図ることも重要だ。あおり運転の厳罰化はもちろん、危険な運転をしないための啓発、教育を強化する必要がある。
 あおり運転は前の車に極端に接近したり、割り込みや幅寄せなどの進路妨害をしたりして相手に恐怖感を与え、停車させる目的で行われることが多い。前の車との距離を詰め過ぎる道交法の「車間距離保持義務違反」で18年に摘発されたのは前年の倍の約1万3千件に上った。日本自動車連盟(JAF)の調査では、運転中に後ろからあおられた経験のある人は半数を超えている。決して一部のドライバーだけの問題ではない。だがあおり運転を厳罰化するのは簡単ではない。
 道交法では車の運転によって著しく交通に危険を生じさせる恐れがある運転者を「危険性帯有者」として免許停止処分とすることができる。しかし免停は最長180日だ。
 18年に免停となった事案は全国で42件で過去最多だったが、あおり運転の発生数からみると、決して多くない。神奈川県で夫婦が死亡した事故では、停車後に別のトラックに追突されたのが直接の死因だったことから、車を止めた行為が危険運転致死傷罪に当たるかが大きな争点となった。危険運転罪が創設された2001年当時は想定されていなかった事態だった。
 茨城県のあおり運転事件では容疑者の男は高速道路で前をさえぎる形で車を停止させており、後続の車を巻き込む大きな事故につながる恐れもあった。あおり運転は命を脅かす極めて危険な行為である。悪質なドライバーは運転免許を直ちに取り消し、長期間取得できないようにするなど、公道から一掃する仕組みを早急に構築すべきだ。
 あおり運転はちょっとしたきっかけが怒りに火をつける形で起こる場合があり、欧米では「ロードレイジ(路上の激怒)」といわれる。ハンドルを握ると性格が攻撃的になる人もいる。免許取得時や更新時の講習などの機会に、運転中の心理状況を学び自己制御を身につける訓練をすべきではないか。
 あおり運転をなくすため、社会全体で取り組まなければならない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月19日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌】:表現の不自由、ここにも

2019-08-22 06:01:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【金口木舌】:表現の不自由、ここにも

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:表現の不自由、ここにも 

 夏の甲子園も終盤。はつらつとした選手のプレーに目を奪われるが、工夫を凝らしたアルプスからの応援も心を打つ

 ▼13日には、放火殺人事件の被害に遭った京都アニメーションが制作したアニメの主題歌が応援曲で流れた。「ファンや関係者を励まして」という地域の要望を受け、立命館宇治の吹奏楽部が星稜戦で演奏した
 ▼春の甲子園では入場行進曲が時代を映す鏡だ。今年の第91回大会は「世界に一つだけの花」と「どんなときも。」。平成の代表曲として選ばれた。軍国主義の1930~40年代には軍歌を採用したが、24年の第1回は米国の行進曲「星条旗よ永遠なれ」だった
 ▼戦争の時代、暗い影はスポーツ界も覆った。敵性競技とされた野球ではストライクを「よし」などと用語を言い換え、大会の中止やチームの解散に追い込まれた
 ▼韓国との関係悪化を受け、沖縄で日韓小学生ハンドボール親善交流大会が中止になった。東京五輪のボイコットという声が韓国で上がる。国同士の対立でスポーツが犠牲となる時代がよみがえったか
 ▼戦争で中止になる直前の甲子園では派手な応援が禁じられ、閉会式を万歳三唱で終えなければならず、軍人と官僚の特別席も設けたと「ざっくり甲子園100年100ネタ」(オグマナオト著)にある。かつての「表現の不自由」が今、スポーツの場でも大手を振って歩こうとしている。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月19日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説】:インフラ整備の遅れ 沖縄予算の所要額確保を

2019-08-22 06:01:15 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【社説】:インフラ整備の遅れ 沖縄予算の所要額確保を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:インフラ整備の遅れ 沖縄予算の所要額確保を 

 政府の沖縄関係予算で、県や市町村が使途を比較的自由に決められる沖縄振興一括交付金が減額されているため、県内のインフラ整備事業などに大幅な遅れが生じているという。県民の生活や経済活動への影響が懸念される。

 同交付金は2019年度まで3年連続で減少している。事業の進捗(しんちょく)が遅れているのは社会資本整備、農山漁村地域整備などの4分野で計40事業以上に上るという。
 沖縄本島北部で渓流崩壊による土石流発生や洪水を防ぐための事業は、17年度予定だった完成が8年遅れる見通しだ。北谷町や東村での堤防整備なども大幅に遅れている。災害対策が後手に回るような事態はあってはならない。
 橋梁の老朽化対策は21年度に補修を終える計画だが、進捗率は58%にとどまり完了は27年度にずれ込むという。災害時などの安全に問題はないのか、気掛かりだ。
 県営住宅では補修の遅れで建物の剝離・剝落が起き、安全基準を満たしていないエレベーターが改修できていない。農地整備では赤土流出対策が遅れ、経済的な損失に加え、自然環境や観光への影響も心配されている。
 沖縄振興一括交付金は沖縄振興特別措置法に基づく。県の要望を受けて民主党政権が12年度に創設した。ソフト事業対象の沖縄振興特別推進交付金とハード事業対象の沖縄振興公共投資交付金がある。だが減額が続きハード交付金は19年度で532億円と12年度から31%減少した。
 インフラ事業の遅れに対して市町村は住民生活への影響を訴えている。水道施設や学校施設の整備にも遅れが出ており、指摘は当然のことだ。
 沖縄関係予算について安倍晋三首相は13年末、仲井真弘多知事(当時)に現在の沖縄振興計画が終了する21年度まで年3千億円台を確保すると約束した。だが米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する故翁長雄志前知事の就任以来、減額され、18年度からは3010億円とほぼ「底値」で推移している。
 昨年末の19年度予算編成では、県を通さず市町村に直接交付できる予算を新設し、国直轄分の割合を高めた。辺野古新基地反対を翁長氏から継承する玉城デニー知事へのけん制だろう。基地受け入れと関連付けるような予算対応は民主主義を汚し、財政規律にも反する振る舞いだ。
 そもそも政府の沖縄関係予算とは、国庫支出金や国直轄事業などを沖縄分だけ「沖縄振興予算」として内閣府が取りまとめているものだ。高率補助などの特例措置がある一方、予算が別枠で沖縄に追加されているわけではない。
 県は政府の20年度沖縄関係予算の概算要求で3500億円程度の確保を求めている。政府はインフラ整備事業の遅れを最大限考慮し、所要額を措置すべきだ。県も年末の予算編成に向けて粘り強く折衝に当たってほしい。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月18日  06:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【金口木舌】:観光1千万人時代は目の前だが・・・

2019-08-22 06:01:10 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【金口木舌】:観光1千万人時代は目の前だが・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:観光1千万人時代は目の前だが・・・ 

 4年ぶりに訪れた伊良部島の風景は一変していた。海沿いには宿泊施設やカフェが立ち並ぶ。2015年1月、全長3・54キロで、通行無料の橋としては国内最長の伊良部大橋が開通した。観光客が増加し、建設ラッシュという

 ▼ことし3月にターミナルが開業した下地島空港では、香港と宮古島市を結ぶ初の国際定期便が7月に就航した。週3便が運航する。空港ターミナルは、リゾート感あふれる空間が広がる
 ▼宮古島市の18年度の入域観光客数は、年度単位で初めて100万人を突破した。クルーズ船の寄港が増え、海外からの観光客が急増した。市内は建設中の建物が多く、ビーチ周辺はレンタカーの路上駐車であふれていた
 ▼外国人観光客の増加に伴い那覇市内の飲食店では、海外でなじみが薄い「お通し」でトラブルが相次いでいる。お通しの注意書きを英語や中国語など多言語で作成した店舗も
 ▼トイレの使い方に頭を悩ませている店も多い。大型店舗のトイレに貼られた注意書きでは、便座の上に土足で載るイラストに大きく「×」が記されていた。子どもでも一目で分かる
 ▼地域の生活環境が悪化する「オーバーツーリズム」が県内でも顕在化している。官民一体となって観光振興と地域環境に配慮した対策に本腰を入れる時期に来ている。問題が深刻化してからでは遅い。観光客1千万人時代は目の前だ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2019年08月18日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。 

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【社説①】:日中韓外相会談 協力は地域安定の要だ

2019-08-22 05:01:55 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説①】:日中韓外相会談 協力は地域安定の要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:日中韓外相会談 協力は地域安定の要だ 

 河野太郎外相はきのう、中国の王毅外相、韓国の康京和(カンギョンファ)外相と中国・北京郊外で会談した。

 3カ国外相会談は3年ぶりだ。

 日韓が元徴用工への賠償や輸出規制を巡って対立する中、3カ国が朝鮮半島の完全な非核化に向け協力を確認した意義は大きい。

 会談では自由貿易推進の重要性でも一致し、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内妥結を目指す方針などを確認した。

 日中韓は世界の国内総生産(GDP)の5分の1超を占める。安全保障も含めた多層的な協力が、東アジアの安定には欠かせない。

 1999年、当時の小渕恵三首相の提案で日中韓首脳会談が初めて行われた。それから20年がたち、米中2大国が覇権争いを強める中、東アジアの隣国同士の連携はいっそう重要な意味を持つ。

 その協力強化に向け、まず急ぐべきは日韓対立の解消だ。

 だが韓国政府は今回の会談に合わせ、日本産の加工食品や農産物など17品目に対する放射性物質の検査を強化すると発表した。

 徴用工問題を受けた日本政府の輸出規制強化に対抗し、来年の東京五輪・パラリンピックを前に、東京電力福島第1原発事故への対応を厳しくする新たな措置に出たと言える。

 さらに韓国側は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄も示唆している。協定更新の判断期限を24日に迎える。

 安全保障を絡めた「報復」の連鎖は、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応にも影響を及ぼしかねない。冷静な対応を求めたい。

 きのうは日中韓に続き、日韓2国間の外相会談も行われた。

 溝は埋まらなかったが、河野氏は会談後「外交当局間で緊密に意思疎通していきたい」と述べた。

 日韓は、中国を交えて協力を確認した今回の機会を生かし、歴史、貿易問題ともに解決への道に歩み出してもらいたい。

 一方、沖縄県・尖閣諸島の国有化を機に冷え込んだ日中関係は改善機運にある。しかし、中国による東シナ海でのガス田開発や尖閣周辺への領海侵入は続いている。

 今週初めには、中国軍機が海上自衛隊の護衛艦を標的に見立てて攻撃訓練をしていた疑いがあることも明らかになった。

 軍事衝突を招きかねない極めて危険な行為で、看過できない。

 政府は友好機運を高めるだけでなく、不公正な商慣習の是正を含め、諸懸案について具体的な解決を図っていく責任がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年08月22日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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