路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説②・12.27】:インフル急拡大 対策の緩みを再点検したい

2024-12-27 05:00:40 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説②・12.27】:インフル急拡大 対策の緩みを再点検したい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.27】:インフル急拡大 対策の緩みを再点検したい

 本格的な冬が到来し、インフルエンザの患者が増えている。新型コロナウイルスなど他の感染症も流行中だ。感染対策は万全だろうか。年の暮れに再点検したい。 

 インフルエンザは今シーズン、例年より約1か月早い11月初旬に流行期入りした。寒さが厳しさを増した12月に入って全国的に感染が拡大し、1医療機関あたりの患者が30人以上の「警報レベル」に達した地域も相次いでいる。

 手洗いや、人が集まる場所でのマスク着用、室内の換気といった基本的な感染対策が重要だ。空気が乾燥していると感染しやすくなるため、加湿器を使うことも予防策になる。マスクや解熱剤の買い置きも確認してほしい。

 高熱や全身の 倦怠 けんたい 感などの症状がある人は、早めに医師の診察を受けて自宅で安静にし、十分な栄養や睡眠を取る必要がある。

 特に高齢者や持病のある人は、 罹患 りかん すると重症化しやすく、肺炎を起こして命を落としかねない。予防が一層重要になる。まだワクチンを接種していない人は今からでも検討してはどうか。

 小さな子供の場合には、インフルエンザによって脳症を起こすこともある。保護者は十分に注意してもらいたい。

 子供向けには鼻に噴霧する方式のワクチンも登場した。効果は注射と同等で子供が嫌がる痛みもなく、新たな選択肢になる。

 ただ、このワクチンは毒性を弱めたウイルスを原料としているため、まれにインフルエンザを引き起こしてしまうこともあるので、医師とよく相談してほしい。

 新型コロナも、感染者数の増加が続いている。年明けにはインフルエンザと同時に流行がピークとなることが懸念される。発熱や長引くせきの症状が特徴のマイコプラズマ肺炎も、これまでにない規模で流行している。

 コロナ禍で感染対策が強化されていた時期は、インフルエンザを含めて他の感染症は流行しなかった。そのため免疫力が低下した人が増え、平常の生活に戻った昨年以降、様々な感染症が一気に流行するようになったとみられる。

 また、コロナに対する警戒感が薄れ、一人ひとりの感染対策がおろそかになったことも影響している可能性がある。コロナは高齢者らにとって怖い病気であることを忘れてはならない。

 この年末年始は長めの休みが取れる人も多いのではないか。健やかに新年を迎えるためにも、体調管理に気を配ることが大切だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ウルグアイ・ラウンド】:「秘密交渉」を細川護熙元首相が明かす…コメ輸入で反発避けるため「白を切っていた」

2024-12-27 05:00:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【ウルグアイ・ラウンド】:「秘密交渉」を細川護熙元首相が明かす…コメ輸入で反発避けるため「白を切っていた」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ウルグアイ・ラウンド】:「秘密交渉」を細川護熙元首相が明かす…コメ輸入で反発避けるため「白を切っていた」 

 細川護熙元首相(86)が読売新聞のインタビューに応じ、1993年の多角的貿易交渉「ウルグアイ・ラウンド」での日米による秘密交渉の存在を明らかにした。12月にラウンドが妥結する2か月前、コメ輸入の部分開放受け入れで両国が事実上合意したが、国内外の反発を避けるため秘匿していたという。

本紙とのインタビューでウルグアイ・ラウンドを振り返る細川護熙元首相
本紙とのインタビューでウルグアイ・ラウンドを振り返る細川護熙元首相

 インタビューは、外務省が93年の外交文書を公開するのに合わせて行った。細川氏によると、宮沢政権下の同年7月、塩飽二郎農林水産審議官がスイス・ジュネーブで米側と秘密交渉を本格化させた。細川氏は同8月に首相に就任し、貿易交渉を引き継いだという。 

 細川氏は「10月までには日米の農業担当者で秘密裏に最低輸入量(ミニマム・アクセス)で手を握った」と明かした。合意は〈1〉コメの輸入全面受け入れ(関税化)は6年間先送り〈2〉日本は国内消費量の4~8%のミニマム・アクセスを受け入れ〈3〉7年目以降に特例措置を継続するかは再協議――という内容だった。

 多国間交渉で日米が先に合意したことが発覚すると、他の交渉参加国からの反発を招くほか、国内でも与野党に対して根回しが必要となることから、妥結までの2か月間は「秘密が漏れないようにかん口令を敷き、申し訳ないけど、白を切っていた」という。

 細川氏は、来日した関税・貿易一般協定(GATT=ガット)のピーター・サザランド事務局長と93年10月21日に会談した際、秘密合意について「包括関税化に対する国内の反対は極めて強く、我が国としてぎりぎりのものだ」と説明。秘密合意をウルグアイ・ラウンドのジャメイン・ドゥニー市場アクセス分野議長の調整案として「各国に提示してもらい、我が国としても受け入れを決定するという手順が必要だ」と求めた。

 12月に入ってからは、農水省の次官や官房長を連日のように午前0時頃から首相公邸に秘密に呼び、ジュネーブにいる塩飽氏から電話で交渉状況を確認したという。秘密合意はドゥニー調整案として12月8日、各国に提示され、細川氏は14日に受け入れを表明した。

 日米の秘密交渉は主に農水省と米農務省の間で行われたこともあり、外務省が公開した外交文書には掲載されていない。細川氏は「自由貿易で恩恵を得てきた海洋国家として、交渉を失敗させる選択肢は最初からなかった。やり遂げなければならないという強い思いがあった」と振り返った。

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 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政策・外交・細川護熙元首相(86)・1993年の多角的貿易交渉「ウルグアイ・ラウンド」での日米による秘密交渉の存在を明らかにした】  2024年12月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・12.27】:世界選挙イヤー 分断の拡大 与党に逆風

2024-12-27 04:05:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①・12.27】:世界選挙イヤー 分断の拡大 与党に逆風

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.27】:世界選挙イヤー 分断の拡大 与党に逆風 

 今年は世界中で重要な選挙が相次ぐ「選挙イヤー」だった。
 
 世界人口約80億人の半数近くが住む90以上の国と地域で行われ、史上最大とされた。
 
 最も注目された米大統領選は現職が推した候補が敗れ、トランプ前大統領の返り咲きが決まった。英国では与党が大敗して政権交代が起きた。
 日本はじめフランスや韓国は少数与党となりインドや台湾も与党が大幅に議席を減らした。
 総じて政権与党に逆風が吹き、厳しい結果になったところが目立ったと言える。
 一方で極端な主張やポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策を掲げる新興政党が躍進した。自国第一主義も拡大している。
 助長しているのが交流サイト(SNS)の積極的な活用で、偽情報の拡散も問題になった。
 経済格差や移民問題を背景に、各国で分断が進んで政治的な意見が真っ二つに割れる分極化が深刻になっている。
 このままでは民主主義が土台から崩れかねない。分断や格差の解決策を探り、真剣に取り組むことが急務である。
 各国で与党が苦戦したのは、暮らしを直撃している物価高の影響が大きい。
 コロナ禍で物流が滞った上、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻で石油や天然ガスの輸出が制限され、エネルギー危機が深刻化した。黒海経由での穀物輸出も滞り、食料価格が高騰した。
 ウクライナへの「支援疲れ」が与党に逆風となり、自国第一主義を勢いづかせた形だ。
 中東の戦火も、世界経済の不安定要因となっている。各国の市民生活を安定させるためにも戦闘の終結を急ぐ必要がある。
 新興政党の伸長は、既成政党に対する不信感のあらわれにほかならない。極端な主張が不満の受け皿になっている。
 懸念されるのは、こうした新興政党が排外主義やナショナリズムをあおっていることだ。分断の解消策と共に、対立を激化させぬよう粘り強く説得していくほかあるまい。
 選挙とSNSを巡っては先月行われた東欧ルーマニアの大統領選が世界の注目を集めた。
 
 泡沫(ほうまつ)と目された親ロシア派の極右候補がSNSを駆使して第1回投票で首位に立ったが、ロシアによる選挙介入の疑いが浮上し、やり直しが決まった。
 
 ロシアなどの介入疑惑は以前から欧米の選挙で問題となってきた。民主国家の根幹である選挙が公正なルールの下で事実に基づいて論争できるよう、日本も含めて対応策が求められる。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説②・12.27】:年金制度改革 信頼確保へ議論深めて

2024-12-27 04:05:40 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説②・12.27】:年金制度改革 信頼確保へ議論深めて

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.27】:年金制度改革 信頼確保へ議論深めて 

 厚生労働省の社会保障審議会が、5年に1度となる公的年金制度改革の方向性を示す報告書をまとめた。厚労省は通常国会への関連法案提出を目指す。
 
 短時間労働者が厚生年金に加入する「年収106万円の壁」では要件の撤廃を盛り込んだ。一方、最大の焦点の基礎年金の底上げは結論を示さなかった。財政負担が増すことなどに慎重な意見があったためだ。
 
 少子高齢化で年金を受け取る人は増え、支える人が減る流れは加速していく。保険料を薄く広く集めて財源を確保し、持続可能で信頼性のある制度にしていかねばならない。政府は多様な意見を聞き、議論を深めてもらいたい。
 年金の給付水準は現在、物価や賃金の上昇率よりも抑制する仕組みが適用されている。基礎年金の水準は2057年度まで下がり続ける。将来の年金世代の暮らしが脅かされかねず、底上げが課題だ。
 審議会は抑制する仕組みの適用期間を短縮し、厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする案を議論してきた。
 この場合、厚生年金の受給者が受け取る年金額は一時的に下がる。また基礎年金の財源の半分は国庫負担のため、増税が避けられないとの見方もある。
 このため「経済が好調に推移しない場合」に発動するとの考え方を示し、政府に一層の検討を求めた。
 審議会に先立ち自民党社会保障制度調査会がまとめた提言にも同様の文言があった。来夏の参院選を控え、増税議論につながることを警戒したのだろう。
 各年金の保険料はそれぞれの給付に使われる前提で徴収される。厚生年金の積立金を基礎年金の財源に充てることについて、納得のいく説明が必要だ。
 「106万円の壁」については賃金のほか従業員51人以上の企業要件も撤廃する。実現すれば財政にもプラスとなろう。
 加入により、労働者と企業は保険料を折半して払う。とりわけ中小企業には負担が大きい。政府は新たな支援策も検討してもらいたい。
 会社員らの配偶者で、一定以下の収入であれば自ら保険料を払わなくても基礎年金を受け取れる第3号被保険者制度は、縮小を基本的な方向性とした。
 
 女性が専業主婦の世帯を想定した制度で、働く女性が増えた現代では不公平だとして経済界から廃止を求める声が強い。
 
 ただ第3号被保険者には介護や健康などの事情で働けない人もおり配慮が欠かせない。救済策も含め幅広い検討が必要だ。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①・12.26】:酪農家の苦境 国は危機感持ち対応を

2024-12-27 04:05:30 | 【食糧自給率・食品ロス・農業・JA・農家・化学肥料・米・牛・豚・養鶏・野菜】

【社説①・12.26】:酪農家の苦境 国は危機感持ち対応を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・12.26】:酪農家の苦境 国は危機感持ち対応を 

 生乳を指定団体に出荷する全国の酪農家戸数が10月で前年同月比5.7%減の9960戸となり、統計を取り始めた2005年以降、初めて1万戸を割った。全国の酪農団体などでつくる中央酪農会議が集計した。
 
 5年間で4分の1近くが減った形だ。道内は4.4%減の4338戸だった。
 
 22年以降乳価は引き上げられたものの、円安などの影響による飼料価格や光熱費の高止まりで所得が減少している。
 状況の改善が見通せず、赤字経営でなくても見切りをつける酪農家が少なくないという。
 戸数減が緩やかな北海道の役割は一層大きくなりそうだが、調査では道内に多い大規模経営ほど苦境にあるのが心配だ。
 酪農家に支払われる加工乳の補給金単価が来年度も引き上げられることになった。だがコスト増の実態に見合った水準ではないとの声は根強い。
 政府は危機感を持ち、抜本的な対策を講じる必要がある。
 中央酪農会議のアンケートによると、経営状況が赤字と答えた酪農家の割合は6割近くに達した。飼料価格高騰のほか、副収入となる子牛の市場価格が飼料高による需要減で低迷し、収入減に拍車を掛けている。
 政府は飼料価格の高騰分を穴埋めする特例措置や特別制度などの対策を取ってきたが、戸数減を止められなかった。制度の大胆な見直しが不可欠だ。
 国が推進してきた規模拡大とコロナ禍での生産調整に翻弄(ほんろう)され、借金がかさんでいる生産者は多い。離農したくてもできないとの切実な声もある。
 運送業や酪農ヘルパーなどを含めた生乳生産のインフラは、一度壊れたら再生は難しい。
 政府には生産コストを適正に価格に転嫁できる仕組みづくりを急ぐことが求められる。
 栄養素が多く、輸入が8割を占める濃厚飼料の国産化をさらに進める契機としたい。
 濃厚飼料の原料となる子実コーン(子実トウモロコシ)は、耕作放棄地の活用などで国内生産の余地が大きいとされる。
 道内では輪作に取り入れる動きもある。コスト削減や安定的な需要確保に向けた支援策を検討すべきではないか。
 
 政府は今後10年間の政策の方向性を示す「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」の改定作業を進めている。
 
 家族経営の酪農家も地域を支える大切な存在だ。経営規模や地域の実情に合った支援のあり方を模索してもらいたい。酪農家の労働負担軽減をさらに後押しすることも欠かせない。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月26日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説②・12.26】:学術会議改革 これで独立性保てるか

2024-12-27 04:05:20 | 【日本の学術(理学・工学・基礎科学・生命科学・人文・社会科学・教養・教養教...

【社説②・12.26】:学術会議改革 これで独立性保てるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・12.26】:学術会議改革 これで独立性保てるか 

 日本学術会議の在り方に関する内閣府の有識者懇談会は、国の機関から新法人への移行に向けた最終報告書をまとめた。
 
 国に助言する権限や、国からの財政支援を保障する一方で、活動の透明性を高めるとして、首相が任命する「評価委員会」や監事を置くことを提言した。
 
 これを受け学術会議の光石衛会長は法制化に向けた協議に入る考えを示したが、内部にはなお異論や懸念が残る。政府の介入を許し、独立性を脅かしかねない内容は取り除くべきだ。
 そもそも問題は4年前の菅義偉元首相による会員候補6人の任命拒否に端を発している。唐突に始まった組織見直しは論点のすり替えにほかならない。
 石破茂首相は問題発覚当初、こうした経緯を疑問視し政府の説明責任を訴えていた。首相就任後はほとんど言及がないが、ここでもまた変節するのか。
 任命拒否を撤回し、不透明な経緯を説明するのが筋である。首相は真摯(しんし)に対応すべきだ。
 会員選考について報告書は、首相の任命制をやめるとともに客観性を持たせるとして外部有識者による「選考助言委員会」を新設し意見を聴くことを盛り込んだ。投票制も提示した。
 懸念されるのは、複数設ける外部監視の仕組みが、学術会議の自主性を縛らないかということだ。特に評価委員や監事は政府が人選するため、結果的にその意向が反映されかねない。
 学術会議の総会では報告書について「絶対に認められない」との反論の一方、評価すべきだとの声も出たという。
 光石会長も柔軟姿勢に転じたように映るが、夏には「懸念が十分払拭されないなら重大決意をせざるを得ない」と強調していた。主張は貫くべきだろう。
 政府・自民党内では、大学の軍民両用研究に反対するなどしてきた学術会議の姿勢に不満があるという。だが、ナショナルアカデミーに求められるのは時の政府と一線を画し、中立公平な立場から直言することだ。
 学術会議には、戦前の科学者が軍事研究に動員された経験を反省して作られた歴史があるということを忘れてはならない。
 首相は就任前、「学術会議は政権の独占所有物ではない。国の機関は国民のものだから、国民の納得がいくことが必要だ」と述べていた。
 
 政府は来年の通常国会に学術会議の法人化のための法案提出を目指すというが、衆院は少数与党で、野党は国の対応を厳しく批判している。
 
 首相は初心に立ち返り、対応を改めなければならない。
 
 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月26日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説・12.27】:PFAS検査義務化へ 不安に応える「基準」か

2024-12-27 04:01:50 | 【環境問題(公害・排ガス・治水・産廃・水俣病・アスベスト・有機フッ素化合物

【社説・12.27】:PFAS検査義務化へ 不安に応える「基準」か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.27】:PFAS検査義務化へ 不安に応える「基準」か

 発がん性などが指摘される有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)について、環境省は定期的な水質検査と基準値を超えた場合の改善を法律で義務付けることを決めた。 

 県内では米軍基地周辺の地下水や河川などから高濃度のPFASが検出されており、県民の不安は今も続いている。そんな中で、国がやっと重い腰を上げた格好だ。

 現在、国は暫定目標値を代表物質のPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計で1リットル当たり50ナノグラムとしている。同じ値を水道法上の「水質基準」に引き上げる。3カ月に1回の検査を基本として義務付け、2026年4月の施行を目指すという。

 これまでは暫定目標値を超えた場合でも水質改善は「努力義務」にとどまった。今回、明確な数値が水質基準として法律に位置付けられ、管理態勢が整備されたことの意義は小さくない。

 しかし米国では、飲み水について1リットル当たりのPFOAとPFOSそれぞれ4ナノグラムを基準とするなど、厳しく定められている。ドイツも28年には2物質を含む4種類のPFAS合計で同20ナノグラムを基準とする方針だ。

 日本の基準は海外と比べれば緩い。1リットル当たり50ナノグラムが本当に妥当な数値なのか。さらに多くの知見や根拠を集め、積み上げていく必要がある。

 広がる不安を払拭し安全に暮らせるよう、改善に向けた議論を進めなければならない。

              ■    ■

 義務化される水質検査とPFAS汚染の改善を行うのは、水道事業者である各自治体だ。仮に高濃度で検出された場合、改善には多額の費用が必要となる。数が多いほど金額も跳ね上がる。

 基地周辺のPFAS汚染が明らかになって以降、県は水質浄化設備の設置や維持管理などに膨大な費用を費やしている。10年間で約80億円以上が必要になるとも見込んでいる。

 今回、環境省が実施した調査では、上水や簡易水道を管理する3755事業者のうち約4割が、費用負担などを理由に検査を実施していなかった。

 負担が足かせとなり、検査が不十分なものに終われば本末転倒だ。生きるために不可欠な水の安全確保を自治体に丸投げにせず、費用負担も含め国の責任としてきちんと取り組むべきである。

               ■    ■

 県内では米軍基地に近い本島中部の河川や地下水から高濃度の値が検出されたことで、水源としての利用に不安があるとして取水制限や停止を余儀なくされている。

 普天間飛行場周辺の湧水などから高濃度の値が出たことに対し、県は基地由来の「蓋然(がいぜん)性が高い」と判断した。それでも基地への立ち入り調査がほとんど実現しない背景には、日米地位協定の壁がある。

 石破茂首相は改定について、たびたび言及している。汚染原因を特定し根本的な対策を図るには、協定の改定が必要だ。

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.26】:健康寿命 順位急落 対策の点検・充実急げ

2024-12-27 04:01:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説・12.26】:健康寿命 順位急落 対策の点検・充実急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.26】:健康寿命 順位急落 対策の点検・充実急げ

 新型コロナの影響があったとしてもこの急落には衝撃を受ける。健康維持に関する情報は県民に届いているのか。いま一度、対策を見直す必要がある。 

 厚生労働省が「健康寿命」を公表した。

 健康寿命は介護を受けたり、寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す。3年おきに公表され、2022年の全国平均は女性75・45歳、男性72・57歳だった。

 都道府県別の順位で県内女性は、平均を下回る74・33歳となり46位だった。前回の25位から大幅に後退している。

 男性も71・62歳の45位で、前回の40位からさらに順位を落とした。

 県内では健康寿命の低迷が問題となっている。今回、女性は前回からマイナス1・18歳、男性も同0・49歳で健康寿命を縮めた。

 全国平均は男女ともほぼ横ばいだったのに対し、特に女性の悪化が目立つ。

 長年指摘されてきたのは、肥満やアルコール摂取量が多いことなどによる生活習慣病の多さと、受診遅れによる重症化だ。

 県は健康増進計画「健康おきなわ21」を3次にわたり策定し取り組みを進めるものの、成果が出ているとはいえない。

 20~64歳の働き盛り世代の死亡率も全国との差は広がっている。

 県内で死亡率が高いのは心疾患や脳血管疾患などの血管系疾患と肝疾患、糖尿病。いずれも飲酒や喫煙、運動などの生活習慣が大きく関わっており、県民の行動を変える取り組みの充実はなお求められる。

              ■    ■

 県や健康保険協会沖縄支部などは21年に「うちなー健康経営宣言」と銘打ち、従業員の健康づくりに取り組む事業所の認定制度を創設した。今年11月末現在約2千事業所が宣言する。

 働き盛り世代の健康維持に職場の協力は欠かせない。さらに増やす努力を続けてほしい。

 健康寿命を縮める一因である骨粗しょう症対策も重要だ。

 県内は骨粗しょう症からくる大腿(だいたい)骨近位部骨折の発生率が全国で男性1位、女性2位と高い。

 自覚症状がほとんどなく、骨折に至れば寝たきりになることも多い。

 厚労省は本年度から女性の骨粗しょう症検診の受診率に関する数値目標も設定している。県内でも受診率向上に向けた対策を取るべきだ。

              ■    ■

 今回は新型コロナ後初めての調査結果だ。悪化には感染による直接的な影響や長期間の自粛生活による影響も考えられる。

 県内ではたびたび大流行。21年の新型コロナ関連死は人口10万人当たり8・83人で全国最多だった。

 コロナ禍では、医療が逼迫(ひっぱく)しても隣県への救急搬送が難しいなど「離島県」特有の問題も浮上している。

 健康維持には環境整備も重要となる。どこに住んでいても医療や福祉はもちろんのこと民間を含めさまざまな健康づくりサービスにアクセスできる基盤整備も進めてほしい。 

 元稿:沖縄タイムス社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月26日  04:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.27】:学習指導要領改定 負担減図り多様な学びを

2024-12-27 04:00:50 | 【文科省・教育制度、現場の実態把握・教員の資質・不登校・文化庁・

【社説・12.27】:学習指導要領改定 負担減図り多様な学びを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.27】:学習指導要領改定 負担減図り多様な学びを 

 多様な子どもに対応しつつ、教員の負担解消への目配せが必要だ。阿部俊子文部科学相が小中高校で学ぶ内容や授業数を定める学習指導要領の改定を中教審に諮問した。

 1こまの授業時間を5分短縮し、余剰時間を個別学習に充てることなどを想定している。学ぶ意義を見いだせない子どもや不登校の増加などを踏まえ、画一的な教育から脱した「多様性を包摂する教育の実現」を目指す。学校現場の裁量を拡大し、教育課程の柔軟化を図る狙いがある。

 教育現場の負担に配慮し、年間の総授業数は「現状以上に増加させない」とした。教員の負担軽減を図りながら新たな学習指導要領を実施することが求められる。

 中教審は2026年度中に改定内容を答申する方針で議論を進める。次期指導要領の全面実施は、小学校が30年度、中学校が31年度、高校は32年度以降になる見通しだ。

 学ぶ意義を見いだせない児童・生徒への対応が必要なのは間違いない。各学校にはそれぞれの特色があり、カリキュラムの編成で学校の裁量が増えれば、子どもが興味を示す分野から学習範囲を広げることもできる。

 「小学校45分」「中学校50分」と規定されている1こまの授業時間を5分短縮し、浮いた時間を個別学習や探究的な学びに振り向ける。具体的な内容は各学校に委ねられるが、子ども自身が学びたいことを深掘りすることで、一つの分野から興味の範囲が広がることも期待できよう。

 今回の指導要領改定の背景にあるのは、不登校など学校現場が抱える危機感である。

 23年度の県内の小中高校の不登校者数は前年度比1387人増の8240人で、小中は過去最多。小学校の千人当たりの不登校者数は32.7人で、全国平均の21.4人を大きく上回りワーストだった。

 不登校の原因はさまざまだが、「勉強についていけない」というのも理由の一つに挙げられる。学校には授業の内容が簡単すぎるという子も、つまづく生徒もいる。習熟度に合わせた丁寧な指導で学ぶ意欲を引き出すことができれば、学校に来る楽しみをつくり出せるかもしれない。

 多様な子どもたちへの配慮はもちろん重要だが、教員への負担の解消にも配慮しなければならない。

 県高校障害児学校教職員組合(高教組)が実施したアンケートで、「長時間勤務の改善」が進んでいないとした回答が53.8%に上った。教員の負担軽減が課題となる中、諮問では年間の総授業数は「現在以上に増加させない」としたが、新制度導入で教員の負担が大幅に増えるなら働き方改革と逆行する。

 学習指導要領は将来ある子どもたちに最適な教育を提供するための羅針盤だ。目指すべき教育の在り方を明確にして議論を進めると同時に、常態化する教員の長時間労働も改善を図るべきだ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌・12.27】:土に生きる

2024-12-27 04:00:40 | 【食糧自給率・食品ロス・農業・JA・農家・化学肥料・米・牛・豚・養鶏・野菜】

【金口木舌・12.27】:土に生きる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.27】:土に生きる 

 年を追うごとに夏は苛酷さを増す。趣味のベランダ園芸で何年も育てた鉢が高温にやられる一方、ブーゲンビリアやハナキリン、ガジュマルなど地のものの強さは別格だ

 ▼鉢いじりの季節を迎え、土に生きる植物の一生を思う冬。本島中部では中城村の「中城島にんじん」の旬入り宣言があり、山芋スーブも相次いだ。サトウキビはあちこちで収穫を待って花穂を揺らす

 ▼島ニンジンも山芋も夏の高温、少雨・大雨などの異常気象にさらされ減産や株重量の減少が起きている。土の中で悪運を乗り切ってくれた植物に、生産者のたゆまぬ努力に感謝する

 ▼中城村の在来種を継ぐ黄色い島ニンジン。土の匂いとさわやかな甘みはチムシンジにも、食卓の普段使いにも。翻って趣味を突き詰めた男たちの山芋スーブ。審査会に並ぶ土まみれの岩塊のごとき大量の山芋。誰がどう皮をむく

 ▼山芋スーブは「おじーのロマン、おばーの不満」という名言を知った。多くは女たちが調理することから。硬い皮はみんなで一緒にむきましょう。「花よりも花を育てる土であれ」との格言もあるようで、いろいろあった年の瀬に土を思う。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】  2024年12月27日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説・12.26】:PFAS法規制化 地位協定改め根本解決を

2024-12-27 04:00:30 | 【環境問題(公害・排ガス・治水・産廃・水俣病・アスベスト・有機フッ素化合物

【社説・12.26】:PFAS法規制化 地位協定改め根本解決を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・12.26】:PFAS法規制化 地位協定改め根本解決を 

 政府は、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)について、これまで法的義務のない水質の暫定目標値を法で規制する方針を決めた。水道事業者に水質検査や水質基準値を超えた場合の改善を義務づける。

 沖縄の米軍基地周辺で泡消火剤に含まれるPFASの一種が確認されて以降、全国各地でも米軍基地周辺などで検出が相次ぎ問題になっている。これまで規制がなかったPFASが法規制される動きについては一定評価したい。

 ただ、施行が2026年4月の見込みで、対応は遅い。さらに基準値は現在の目標値をそのままスライドさせただけで、米国の基準と比較しても緩い規制にとどまる。これでは住民の不安を払拭するに足るものとは言いがたい。

 PFASは水や油をはじき、フライパンの塗装や泡消化剤などに広く使われてきた。有害性や環境に蓄積されやすいことから国際的にも製造や使用が禁止されている。

 日本政府は20年に、水道水の水質の暫定目標値として、代表物質のPFOSとPFOAの合算で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)と設定した。一方で米国は24年に、2物質それぞれで、検出できる下限値の4ナノグラムと、日本より厳しい基準を定めている。

 政府初の大規模な上水道や簡易水道の調査でも全国でPFASが検出され沖縄でも確認された。専用水道の調査では県外で目標値を超えた自治体もあった。

 今回のPFASの法規制化で自治体には水質改善の義務が課せられる。しかし改善のためには発生源の確定と対策を施さなければ、根本的な解決にはつながらない。

 12月には防衛省や外務省、環境省などが、米軍横田基地(東京都)からPFASが流出した可能性があるとして基地に立ち入りした。日米共同でサンプリング調査もする。沖縄でも20年の米軍普天間飛行場外への泡消火剤流出と、21年のうるま市の米陸軍貯油施設での流出では県の基地内立ち入りが認められた。

 だが他の米軍嘉手納基地などへの立ち入り申請は、日米地位協定により基地の管理権を持つ米軍が拒否する状況が続いている。地位協定本体とは別の環境補足協定は、立ち入り調査の条件として「現に発生した場合」と限定している。補足協定や「運用改善」では事態解決につなげることはできない。地位協定本体の抜本的改定も急務だ。

 有害物質などに関する国連特別報告者が沖縄を視察し、PFAS汚染と米軍基地の関連性は明らかだと指摘した。法規制で義務づけられる改善に自治体の予算が費やされ、住民に転嫁されるようなことがあってはならない。発生源責任が追及されるべきだ。

 適正な法運用ができるためにも、一日も早く基地内の立ち入りを実現し、地下水の環境調査などを実施していくことが必要だ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月26日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【金口木舌・12.26】:学校とは何か

2024-12-27 04:00:20 | 【文科省・教育制度、現場の実態把握・教員の資質・不登校・文化庁・

【金口木舌・12.26】:学校とは何か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.26】:学校とは何か 

 学校が楽しいと感じる子がいれば、つまらない子もいる。先生も同じ。教育に懸けた志がついえてしまう人もいる。つまらないとこぼす人が先生にもいた

 ▼年末の学校に関する記事に考えさせられた。2023年度に全国の小中学校で不登校の子どもは約34万人。一方で高校などを含め約7千人の教員が休職という。子どもも先生も足が遠のく学校とは何か

 ▼県内の小中高校の不登校は8千人超。休職した先生も250人超で増加傾向だ。児童生徒はいじめなどを恐れ、嫌々通学し、先生は多忙極まる職場に嫌気がさしつつ通勤する

 ▼「目の前にある社会システムに従うのは困難だ。だから私は下りる」。精神科医・斎藤環さんとの対談で作家の佐藤優さんが語っている。息苦しさに耐えかねて学校から遠のく人の胸の内には、そんな宣言もひそんでいよう

 ▼コロナ禍では通学せずともネットで教育がどこでも受けられた。通学の苦痛から救われた子もいる。「ここがダメでもあそこがある。家でも」。遠回りかもしれないが、無理やり教室に連れ戻すのではなく、別の選択肢を示すことも解決への一歩となるかもしれない。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】  2024年12月26日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・12.27》:自衛隊の人員不足 変化に即した対策が必要

2024-12-27 02:03:50 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

《社説①・12.27》:自衛隊の人員不足 変化に即した対策が必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・12.27》:自衛隊の人員不足 変化に即した対策が必要

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・12.27》:日中外相が会談 関係安定へ対話と行動を

2024-12-27 02:03:40 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

《社説②・12.27》:日中外相が会談 関係安定へ対話と行動を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・12.27》:日中外相が会談 関係安定へ対話と行動を

 国際情勢が不確実性を増す中、対話の促進を関係の安定化につなげられるかが問われている。

 岩屋毅外相が中国を訪問し、王毅外相と会談した。日本の外相による訪中は1年8カ月ぶりだ。

中国の王毅外相(右)と握手を交わす岩屋毅外相=北京で2024年12月25日、新華社AP

 会談では、共通の利益を追求する「戦略的互恵関係」を推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築する方向性を確認した。来年の早い時期に王氏が訪日し、閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」を開催することでも一致した。

 岩屋氏は、中国人観光客向けの査証(ビザ)発給の緩和を表明した。中国も、日本人の短期滞在ビザの免除措置を再開している。

 中国が対話と交流に前向きな姿勢を示す背景にあるのは、国内経済の減速だ。来月に就任するトランプ次期米大統領が「貿易戦争」も辞さない姿勢を示していることに備える思惑もある。

 人的往来の活性化によって、相互理解が深まることが期待される。双方で悪化している国民感情の改善につなげるため、一層の取り組みが欠かせない。

 とはいえ、両国の間には多くの懸案が横たわっている。

 日本人学校の児童らに対する殺傷事件やアステラス製薬社員のスパイ罪での拘束に関し、中国の情報開示は極めて限定的だ。在留邦人の不安は解消されていない。

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡っては、両国の合意に基づき中国が10月に周辺海域の海水サンプルを採取した。安全を確認したうえで日本産水産物の輸入再開を判断することになっているが、中国は慎重姿勢を崩していない。日本は早期の再開を粘り強く働きかける必要がある。

 安全保障面での課題も多い。中国軍は東シナ海で活動を活発化させている。岩屋氏は沖縄県・与那国島南方の日本の排他的経済水域(EEZ)内に中国が設置したとみられるブイが新たに見つかったと指摘し、撤去を要請した。

 王氏は「中日関係が安定すればアジアがさらに安定し、世界でより重要な役割を果たせる」と述べ、関係改善の意義を強調した。そうであれば、日本の懸念を拭う努力を尽くすべきである。

 今、両国に求められているのは、信頼醸成を進め、戦略的互恵関係を具体化する行動だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年12月27日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・12.27》:「飛べるかどうかを疑った瞬間に…

2024-12-27 02:03:30 | 【経済対策・物価対策、原油など資源価格の高騰・幅広い品目の値上げ、消費者物価】

《余録・12.27》:「飛べるかどうかを疑った瞬間に…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・12.27》:「飛べるかどうかを疑った瞬間に…

 「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」。9年前の講演でピーターパンの名文句を引用したのは黒田東彦前日銀総裁。「大切なことは前向きな姿勢と確信」と異次元の金融緩和への疑念を払(ふっ)拭(しょく)しようとした

金融政策決定会合後に記者会見する日銀の植田和男総裁=東京都中央区で2024年12月19日、玉城達郎撮影

 ▲だが空を飛びネバーランドに行けるのは子どもだけ。著者の英劇作家、J・M・バリーは子どもへの影響を心配して戯曲に「妖精の粉を吹きかけてもらわなければ誰も飛ぶことはできません」と書き足した。引用自体に無理があった感がある

 ▲「トランプ2・0が日本のピーターパン的行為を終わらせる」。米経済誌フォーブス(電子版)の見出しだ。金利復活に動く植田和男現総裁も希望的観測に頼るのでは前任者と五十歩百歩と言いたいらしい

 ▲ガソリン代が上がり、野菜も高値が続く。年末年始も家で過ごす人が多いそうだ。一方で高関税を振りかざすトランプ次期米大統領が就任すれば、世界経済が混乱し、日本も打撃を受けるかもしれない

 
東京ディズニーランドのシンデレラ城に映し出されるピーターパン=千葉県浦安市で2024年9月、新宮巳美撮影

 ▲今日は「ピーターパンの日」。120年前の1904年12月27日に戯曲がロンドンで初演された。バリーは小児病院に人気作の著作権を譲った。世界的に権利が切れた後も英国では保護され病院経営を助けている。ディズニーアニメで世界的人気者になった「大人にならない少年」は多くの子どもたちの命を救うことにも貢献した

 ▲初演の2年後に始まった歳末助け合い運動がたけなわである。なお生活に苦しむ人たちは少なくない。多くの浄財が寄せられることを。 

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】  2024年12月27日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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