前号の記事で、富山・北國新聞の社説と産経の主張を検証しました。この検証を裏付ける記事を掲載しておきます。
ポイントは、国連人権理事会における尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官の慰安婦被害者問題についてです。日本側がどのように報道しているか、特に富山・北國新聞の社説と産経の主張が何を中心に報道しているか、注目していただければと思います。
また、国際社会において、「慰安婦」問題が、どのように意味づけられているか、日本と韓国の違いは何か、です。また国連が北朝鮮に勧告した「人道に対する罪」を、韓国がどのように位置づけているか、安倍首相派がどのように位置づけているか、です。このことについては、すでに記事にしましたので、ご覧ください。
北朝鮮政府の人道に対する罪を批判する安倍政権が、国連条約・勧告等を無視する罪状はこれだけある! (2014-02-24 09:14:04 )
北朝鮮の「人道に対する罪」が大問題ならば侵略戦争の大東亜戦争における「人道に対する罪」は? (2014-02-23 13:52:08)
北朝鮮政府の「人道に対する罪」(国連勧告)の歪曲報道では拉致も北朝鮮国民の人権侵害も解決できない! (2014-02-23 09:40:10 )
国連、北朝鮮に対して「人道に対する罪」で勧告を発表!日本の報道は拉致問題に集中しているが、問題山積! (2014-02-22 23:05:39)
日本のマスコミが、いわゆる歴史認識問題に関わる中国や韓国北朝鮮報道をすればするほど、(特に中国と北朝鮮については、歴史認識問題以外についても)、日本国民の中に沈澱しているナショナリズムを扇動し、吹き上がらせていないでしょうか。国民を戦争に動員していく手口としてみると、戦前をみるような気がするのは愛国者の邪論だけでしょうか。
「安倍政権」の歴史を無視した反動的政策を批判する論調を、(日本においては「自虐史観」として排除し、自らを「自由主義史観」と称して「皇国史観」とスリカエ)、あたかも「日本」を批判しているかのようにスリカエ、「反日」としてレッテルをはり、安倍政権応援の「世論」形成に利用しようとしていることが浮き彫りになっていないでしょうか。
ここに産経など安倍首相派の一部の日本のマスコミの、ジャーナリズム精神を忘れた、また歴史に対する不道徳・冒涜ぶりが浮き彫りになったのではないでしょうか。
こうした論調に対して、事実を報道するマスコミをどれだけ多くしていくか、そのことが問われているように思います。
同時に、今ウクライナ紛争=民主化問題が日々緊張してきていますが、これも、その歴史的経過をみると、民族と宗教の違いが、ずっと「対立」の要因(加害と被害が交錯している歴史)になっていることが判ります。これを日本と中国・韓国・北朝鮮との民族的対立に置き換えて考えてみると、その根深さについて、日本国民の思考の軽さが浮き彫りになってこないでしょうか。
だからこそ、侵略戦争である大東亜戦争を反省してつくられた日本国憲法の理念の具体化こそが、日中韓朝の「和解」と「連帯」「平和」を、そして安心安全の、経済的発展と幸福追求権を具体化する国家を構築していくものだという確信が、愛国者の邪論にあることを強調しておかなければなりません。このことに成功すれば、ウクライナなどに見られるような民族と宗教などの対立によって武力紛争に、大きな影響を与えていくのではないか、と思うのです。
そういう意味で、日本国民の政治的・経済的・文化的試みは、国際的意味をもっているように思います。是非とも、ご検討をお願いするものです。
それでは、以下、記事を掲載しておきます。ご覧ください。
中央日報 韓国政府「日本、慰安婦加害者」…国連で初めて名指し 2014年03月06日07時49分 カテゴリ:慰安婦http://plaza.rakuten.co.jp/kakasinojamp/diary/201403060004/
尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官が国連人権理事会で、日本が慰安婦被害者問題に対する過ちを認めるよう促した。韓国政府が国連人権理事会で公式に日本が加害者であることに言及して解決を求めたのは今回が初めてだ。
尹長官は5日、スイスのジュネーブで開かれた第25回人権理事会の高位級会議の基調演説で、「国際社会が多くの努力を傾けてきたが、今でも世界各地の紛争地域で深刻な性暴行が横行している」とし、「これは過去に発生して今も解決されないまま進行中の問題とも関連するが、実証的な事例がまさに『日本軍慰安婦被害者(victimsof wartime sexsual slavery)問題』」と強調した。
また「最近になって一部の日本政治指導者が慰安婦問題に対する日本軍の関与と強制性を認めて謝罪した20年余り前の首相談話まで否定しようとしている」とし、安倍晋三政権による河野談話の見直しに向けての動きを批判した。続いて「このような状況で日本政府が女性に対する性暴行に憤慨するというのは、この問題に対する二重的態度を見せるものだ」と指摘した。
外交部長官が人権理事会に参加したのは2006年当時に潘基文(パン・ギムン)長官(現・国連事務総長)以降初めてだ。韓国政府はこの後も次官級の要人が基調演説を行い、2012年から慰安婦被害を武力紛争状況での性暴行という人権蹂躪(じゅうりん)次元からアプローチすべきだと強調してきた。だが、尹長官は演説で日本に直接言及したという点で一段階批判の度合いを高めたという評価だ。
2012年と2013年には「国連とすべての加盟国が被害者に賠償するために最善を尽くし、加害者が法による審判を受けられるようにしなければならない」と迂回的に日本を批判していた。
このように韓国政府が強硬対応に出たのは、相次ぐ日本の歴史歪曲に対して世界的に批判的気流が形成された今が国際舞台で勝負できる絶好の好機だと判断したためと分析される。外交部関係者は「日本に言及するという“外交的欠礼”を犯して失うものより正面勝負を通じて得るもののほうが多いと見ている」と話した。
朝鮮日報 「慰安婦は忘れられたホロコースト」韓国外相が国連で演説 記事入力 2014/03/06 08:40
安倍政権の問題歪曲を非難
尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部(省に相当)長官は5日、スイス・ジュネーブで行われた第25回国連人権理事会の基調演説で、日本の安倍晋三首相が「河野談話」を見直そうとする動きや、文部科学省副大臣が「慰安婦の強制動員は捏造(ねつぞう)された事実」との発言をしたことについて「歴史的真実に背を向けた、反人道的、反倫理的な行動だ。過去20年間、国連の組織が日本政府に対し求めてきたこと(責任を認める、政府レベルで責任のある措置を講じる、正しい歴史教育など)に真っ向から挑戦するものだ」と述べた。
これまでは外交部で国連関連業務を担当する多国間外交調整官などが提起してきた慰安婦問題について、外交部長官が国連人権理事会の場で直接言及したのは、今回が初めてだ。尹長官は安倍首相らの実名を挙げる代わりに「日本の一部の政治指導者」と表現したが、だれの責任であるか分かるように述べた。
慰安婦問題を「忘れられたホロコースト」「日本帝国主義の軍隊によって徴集された戦時性的奴隷の被害者」とも主張した。
尹長官はまた「この問題は韓国、中国、東南アジア、オランダなどの被害国と日本の間だけの問題ではなく、人類共通の普遍的な人権問題であり、依然として残っている現在進行形の問題だ。国連だけでなく、米国やオーストラリア、カナダ、オランダ、欧州連合(EU)などの議会が多数決により、旧日本軍の慰安婦問題解決の重要性や、急務な問題であることを強調している」と語った。
一方、尹長官は演説で、先月に報告書を発表した国連北朝鮮人権調査委員会の活動に対し感謝の意を示し「国際社会は北朝鮮の人権状況の改善に向け、講じられる限りの効果的な措置について早急に議論を始めるべきだ。全ての国家が、強制送還の禁止の原則を順守し、脱北者を保護しなければならない」と主張した。金真明(キム・ジンミョン)記者(引用ここまで)
ハンギョレ ユン・ビョンセ外交 国連人権理事会で演説… "日本は過去の誤りと責任を認めなければ" 登録 : 2014.03.06 00:32修正 : 2014.03.06 07:17・
日本の外相は出席せず
"歴史的真実にほおかむりした反人道的、反倫理的処置だ。"
ユン・ビョンセ外交部長官が5日スイス ジュネーブで開かれた国連人権理事会に参加して、日本軍慰安婦被害者問題に関する基調演説を行っている。 我が国の外交部長官が国際舞台で慰安婦被害者問題を直接挙論したことは初めてだ。ジュネーブ/ロイターニュース1
ユン・ビョンセ外交部長官が5日スイス ジュネーブで開かれた第25次国連人権理事会に参加して、最近日本軍慰安婦被害者問題の責任を負わないとする態度を見せている日本政府を強く批判した。 韓国の外交部長官が国連人権理事会に直接参加して外交懸案に関連した発言をしたのはきわめて異例なことだ。
ユン長官はこの日の基調演説で「最近日本の一部政治指導者は、慰安婦問題に対する謝罪と反省の意向を表明した以前の政府の談話(河野談話)を否認しようとしている。 ある高位要人は慰安婦問題がねつ造されたとまで言った。これは世界中すべての慰安婦被害者の名誉と尊厳を踏みにじる行為」と話した。 ユン長官は「日本が過去の過ちと責任を認め、正しい歴史教育を実施しなければならない」と促した。
これと共に、ユン長官は北韓人権の改善必要性を主張した。彼は「北韓人権問題に対する歴史的道標となる北韓人権調査委員会(COI)の報告書提出を評価する」として「北韓の人権改善のための実質的措置が取られ、効果的な後続措置に対する議論が早く始まらなければならない」と強調した。
ユン長官は調査委の後続措置として△国連北韓人権特別報告官の役割強化△脱北民に対する強制送還禁止△離散家族対面の定例化と拉致被害者、国軍捕虜など人道主義的事案に対する早急な解決策用意などを言及した。
今回の基調演説を通じてユン長官は、日本が責任を取ろうとしない日本軍慰安婦被害者問題解決の緊急性を国際社会で浮上させたと評価できる。特に外交部長官が直接参加して演説することによって重量感を与えたと見られる。 韓国の外交部長官が国連人権理事会に参加したことは、2006年のパン・ギムン長官以来8年ぶりだ。今回の人権理事会には50余ヶ国の外交長官が参加し、日本の外交長官は参加しなかった。
チェ・ヒョンジュン記者 haojune@hani.co.kr
韓国語原文入力:2014/03/05 22:36
http://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/627008.html 訳J.S(1098字)(引用ここまで)
サンケイ 韓国外相の日本批判「同じ国連人権理事会で反論したい」菅長官 2014.3.6 12:05
菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相が、スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会で、慰安婦問題をめぐって日本を非難したことについて「極めて残念だ」と語った。その上で「同じ人権理事会の場で日本時間の今晩、わが国の立場を改めて表明して反論したい」と述べた。(引用ここまで)
時事 菅官房長官「極めて残念」=韓国外相演説に反論へ (2014/03/06-12:19))
菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、尹炳世韓国外相が国連人権理事会で従軍慰安婦問題をめぐる日本政府の対応を非難したことについて「極めて残念だ」と不快感を示し、同理事会で反論する方針を明らかにした。慰安婦問題に関し、菅長官は「20世紀は女性の人権が侵害された世紀であり、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方に対してまさに胸の痛む思いだ」と語った。(引用ここまで)
サンケイ 慰安婦問題「日本の指導者が解決を」 駐韓米大使が講演 2014.3.6 13:50
ソン・キム駐韓米大使は6日、ソウル市内で講演し、韓国の尹炳世外相が国連人権理事会で日本に慰安婦問題の解決を求めたことに、「日本の指導者が元慰安婦の痛みを和らげる方法で問題を解決することを望む」と述べた。大使は、具体的な解決方法については日韓両国が決めることだとしながらも、元慰安婦の女性らが満足できる方法で解決されるよう米国が働き掛けていく考えを示した。一方、「日米韓の緊密な協力が戦略的に極めて重要だ。日韓関係が悪化すれば3カ国の協力が阻害される」と述べ、日韓の関係改善に期待を示した。また、集団的自衛権の行使容認に向けた日本の動きに対する韓国の懸念について「十分理解している」としつつ、「韓国に害を与えたり、米韓同盟を弱めたりする方向には進まない」と述べ、理解を求めた。(共同)(引用ここまで)
韓国政府 国連の慰安婦演説に「日本は反論せず解決を」 2014/03/06 17:44
【ソウル聯合ニュース】国連人権理事会の演説で旧日本軍慰安婦問題の解決を強く促した韓国外交部長官の発言に、日本が反論する考えを示したことを受け、韓国政府は「反論ではなく、解決の道へ乗り出すべきだ」と批判した。
外交部の趙泰永(チョ・テヨン)報道官は6日の定例会見で、「尹炳世(ユン・ビョンセ)長官の発言を通じ、日本が解決を急ぐべき問題ということが明確になった。これはわれわれだけの声ではなく、国際社会の共通した声」と述べ、日本はこうした意見に耳を傾ける必要があると訴えた。
また、尹長官が韓国外相として初めて人権理事会で慰安婦問題を取り上げた背景を問われると、「厳重な人権侵害事例であり、日本政府が速やかに解決することを国際社会が促しているが、日本はむしろ逆へと進んでいる」と答えた。日本政府の高官が慰安婦問題は捏造(ねつぞう)されたとの趣旨の発言をしたことに触れながら、日本の言動のために韓国は国際舞台で厳しく指摘することになったと説明した。
日本に求める具体的な解決内容を質問されると、慰安婦問題に対する明確な形での公式謝罪や歴史的な責任の受け入れなどを促した2007年の米下院決議に言及した。
日本の菅義偉官房長官は6日の記者会見で、尹長官が人権理事会で慰安婦問題に対する日本政府の対応を非難したことについて不快感を示し、人権理事会で反論する方針を明らかにした。日本が反論した場合、韓国はそれに応じる方針だという。
一方、米バージニア州議会で公立学校の教科書に「東海」と「日本海」を併記するよう定める法案が可決されたことについて、趙報道官は「韓国政府の政策であり、国民の関心事である東海表記が広がることに対し、同胞社会の努力を高く評価する」と述べた。政府は国際的に東海表記の正当性への理解が広がるよう働きかけを続けるという。最終更新日 2014.03.07 18:38:58 (引用ここまで)
慰安婦問題で日本非難=国連人権理-韓国外相 03/0521:56
【ソウル時事】韓国外務省によると、尹炳世外相は5日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会の基調演説で、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり、歴史的真実を無視しているとして日本を強く非難した。韓国外相が同理事会で慰安婦問題に直接言及したのは初めて。韓国はこの問題などをめぐって国際社会で日本の不当性を訴える動きを強めており、今回もこの一環。日本側の反発は必至で、両国の対立はさらにエスカレートしそうだ。尹外相は「慰安婦問題は人類の普遍的な人権問題で、現在も進行中だ」と指摘。「国連や米国をはじめとする各国議会の決議で解決の重要性が強調されている」と訴えた。その上で「日本の一部政治指導者らは、慰安婦問題への日本軍の関与と強制があったことを認めた(河野)談話を否定しようとし、作成の経緯の検証に乗り出している」と批判。「これは慰安婦被害者の名誉と尊厳を再び踏みにじるもので、歴史的真実を無視した反人道的、反人倫的行為、国連の要請への全面的な挑戦だ」と非難した。さらに「日本政府が、紛争下の性暴力に憤慨し、女性が輝く世の中をつくるために努力すると主張するのはダブルスタンダードだ」と決め付けた。(2014/03/05-21:56)(引用ここまで)