「野党よりマシでしかない。」ので自民党へ投票という有権者も、いたようだ    photo Getty Images

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第47回衆議院議員選挙は12月14日、投票が行われ、自民、公明の連立与党の圧勝に終わった。公示前の「自民党だけでも30議席は減らすだろう」といった予想を覆し、両党合計で改選前と同数の326議席を維持し、参議院で否決された法案を再可決できる衆院の3分の2超の議席の確保に成功したのである。

■総選挙に反映されなかった別の民意があった

12日間の選挙戦で目立ったのは、もともとやる気のなさがミエミエだった来年秋の消費増税を1年半先送りすることの「信を問う」という安倍政権・連立与党の練りに練った選挙戦術の群を抜くしたたかさだ。

原子力発電所の再稼働や集団的自衛権行使を巡る解釈改憲など議論の割れる問題にはできるだけ踏み込まず、準備不足の野党各党を圧倒した。

だが、開票の夜、私がコメンテーターを務めた大阪の毎日放送(MBS)のラジオ番組『2014総選挙開票特番 センセイこれからどうするの? 今夜、聞きまくります』が、リスナーを対象に実施した調査で、アベノミクスを支持しない人が支持する人の2倍に達するなど、総選挙に反映されなかった別の民意がくっきりと浮かび上がった。

この調査は、圧勝に沸く安倍政権・与党や消沈する野党だけでなく、広く国民に知ってもらい、考えてみてほしい内容に富んでいる。今回はその調査を紹介したい。

調査は「テレゴング」という名の携帯電話を使ったラジオ独特のもので、番組がリスナーに呼びかけた。呼びかけから集計まで早いものでは、数分間しか時間をかけず、たっぷり時間をかけて無作為のサンプルを調査する「世論調査」とはまったくの別物だ。早い話が、MBSラジオの開票特番のリスナーに対象が特定されているので、偏りがないとは言えない。しかし、そうした前提を差し引いても、この調査の結果は驚きに満ちていた

■棄権しなければ「共産党」に投票

まず、番組の冒頭で行った「第1の問い」(投票に行かなかった方にお聞きします。もし投票するなら比例は何党ですか?)の結果が衝撃的なものだった。その結果は、

共産党  47%
自民党  26%
維新の党 21%
民主党 5%
公明党   0%
次世代の党 0%
社民党   0%
新党改革  0%

となったのだ。

今回の総選挙は、投票率が52%前後(小選挙区)と前回の59.32%(同)を下回り、戦後最低を更新した。ほぼ2人に1人が投票権を放棄する関心の薄い選挙だった。しかし、番組の調査がある程度全国的な傾向を反映していて、その人たちが投票に行っていたとしたら、連立与党の圧勝という実際の総選挙とまったく違った結果が出ていてもおかしくない。

投票率が結果を大きく左右することは、過去の選挙が示している。例えば、自民党が政権を奪回した前回(2012年)の総選挙では、投票率(小選挙区)が59.32%とその前(2009年)に比べてほぼ10ポイント低下した。その結果、最も大きく得票数を落としたのが、その前の選挙で得票率の上昇をテコに政権交代を成し遂げたばかりだった民主党だ。同党は4009万票も得票数を減らした

そのため、得票数の減少が384万票程度だった自民党にまんまと政権を奪還されたのである。

そこで、MBSの携帯調査の結果だ。それによると、共産党の潜在的な支持率は、実に棄権者のうちの47%と圧倒的に高い。もし、今回の総選挙の投票率が高かったら、どんな選挙結果が生まれただろうか。

今回、共産党は公示前に比べて13議席増やして21議席を獲得する大躍進を見せた。しかも、投票率がかなり上がり、潜在的な支持率通りの投票が実現していたら、共産党がいきなり政権を伺うような立場に立った可能性がなかったとも言い切れない。その可能性を携帯調査は示したと言えなくないのだ。

■80%が、「投票したい人がいない」

やはり選挙に棄権は禁物だ。共産党政権を実現せよという気は毛頭ないが、政治に失望するよりも、自分の1票をきちんと行使すべきである。今回、棄権した人々には、次回から考え直していただきたい。

ただ、この問題を単純に有権者の責に帰すことができないことも、携帯調査は浮き彫りにした。それが、番組の中盤で訊ねた「第6の問い」(投票したい人がいないと感じますか?)に対するリスナーの回答だ。「はい」が80%と、「いいえ」の20%の実に4倍に達した。

事態を改善するには、有権者を惹きつけ、信頼を得られる政治家の登場を待つだけでは不十分だろう。

「第1の問」で、「もし投票に行ったとしたら、投票した」という人がわずか5%しかいなかった民主党などは、すでにほぼ限界まで支持者を掘り起こしており、将来へ向けた伸びしろがほとんどないと宣告されたようなものである。党の解消や他党との再編など、よほどの荒療治をしないと、政権を担えるような責任政党への復活は望めないかもしれない。

携帯調査は大勝した自民党にも、総選挙で同党が信任を得たと胸を張るには厳しい注文を突き付けた。以下に列挙すると、

アベノミクスを支持しますか?
支持する  33%
支持しない 67%

アベノミクスで生活はよくなると思いますか?
生活はよくなると思う 18%
生活はよくならないと思う 82%

自民党に投票した方に聞きます。自民党の政策で支持できないものはありますか?
消費税増税      37%
原発政策       25%
アベノミクス     12%
TPP        12%
集団的自衛権行使容認 12%
労働規制の緩和 0%
憲法改正 0%
全部支持できる 0%

といった具合だ。

■民意を聞かず、頑なだった安倍首相にリスナーが猛反発

安倍政権の1枚看板であるアベノミクスに関する2つの質問では、支持しないリスナーが支持するリスナーの2倍に達しているばかりか、生活がよくなると思えない人が8割を超えている。この結果を見ると、公示期間中に情緒的なスピーチを繰り返すばかりで、体系的かつ具体的な経済政策を打ち出せなかった野党各党に比べればマシという程度の感覚で、連立与党に1票を投じた有権者が多いことを暗示しているのかもしれない。

消費増税の2017年4月への先送りを打ち出した自民党に投票した人の中で、37%が消費増税そのものに反対している事実や、25%の人が原子力規制委員会を隠れ蓑にした安倍政権の原発政策に反対を表明していることにどう対峙するのか、連立与党は鼎の軽重を問われている。

携帯調査では、自民党の盟友、公明党にリスナーが懐疑的なこともわかった。同党が憲法改正や原発政策で自民党のブレーキ役を自称しているにもかかわらず、「公明党は安倍政権の政策にブレーキをかけられると思いますか?」との問いに対して、「かけられると思う」がわずか11%しかおらず、「かけられないと思う」が89%に達したのだ。公明党が信頼を得るためには、相当きつく褌を締め直す必要があるだろう。

最後に、多くのリスナーが安倍首相個人の資質に首を傾げていることも指摘しておかなければならない。「安倍さんの話を聞いて期待できると思いますか?」との問いに、「期待できる」と応えたリスナーがわずか15%と「期待できない」の85%を大きく下回ったからである。

この数字は、番組が総選挙の開票中に安倍首相の単独インタビューを行い、沖縄の4選挙区すべてで、普天間基地の辺野古への移転を反対する候補に自民党候補が敗れた事実を見て、沖縄問題での姿勢を転換する考えの有無や、公明党の主張に配慮して集団的自衛権の問題を慎重に再考する気があるかを質したところ、頑なに従来の姿勢を貫く言動をしたことに対して、リスナーたちが感じたままを表明したものだ。

総選挙の結果を拡大解釈したり、我田引水の政策の正当化に利用することは御法度と、リスナーたちが明確に釘を刺したと言っていいだろう。首相に限らず、政権と連立与党には、こうした民意こそ大切にしてほしいものである。現代ビジネス (引用ここまで)

どうだったでしょうか?

とうとう愛国者の邪論の主張が実証されました!

安倍政権打倒・安倍暴走政治ストップをリンクさせましょう!

向こう4年間を見越した憲法を活かす政権づくりと国民運動を発展させよう!

沖縄方式を全国各地に拡散しよう!

救国暫定国民連合戦線と政権構想・政権公約づくりを一刻も早く!

1.愛国者の邪論が主張してきた無党派層とのコラボ政権の樹立です。この枠組みで選挙戦、政治が動いていったら、巨大なエネルギーが発揮された可能性があります。実際は、各社のアンケートに観るように捻じ曲げれました。

2.政権選択選挙、政権交代をめざすための政権公約づくり。これを国民的議論を巻き起こす中で、安倍政権を追い詰めていく。選挙で少数派に追い落とす。そうして暴走にストップをかける。内閣打倒とたらい回し政権を許さないことをリンクさせるたたかいです。

3.安倍暴走ストップとはどういうことか、曖昧でした。安倍内閣打倒との関係は?たらい回し政権を許すのか否か!たらい回しを許さず、あらゆる政策に憲法を活かすを貫く憲法を活かす政権の樹立を高く掲げて憲法改悪派を孤立させる!選挙戦ができたはずでした。

4.「一強多弱」論に基づく「多弱」論を強調すればするほど、「野党一本化」論が浮き彫りになるという仕掛け。しかし安倍政権亜流政党ばかりの「野党」論の最大の欠点は、「野党」の中に共産党を排除する思想が根強くあったことです。共産党と真っ向対決している共産党を排除して「安倍内閣と対峙」などと、あり得ないことを、さも「対立」しているかのように描いて、まこととしやかに垂れ流し、期待させました。しかし。ホンネは「対峙」ではありません。どっちがヘゲモニーを取るかという安倍政権と亜流派の、日米軍事同盟深化派・財界擁護派・憲法改悪派の中の争いですから、まとまるはずがありません!政策に大きな違いがないからです。

5.このアンケートに観るように共産党への支持、安倍政権への不支持が浮き彫りになっているのにもかかわらず「体系的かつ具体的な経済政策を打ち出せなかった野党各党」という言葉に象徴されています。これは、一つには、共産党をよく見ていない言葉であると同時に、共産党がイマイチ頼りない存在にあるということを反映しています。そのような状況を「だらしない野党」、「まとまらない野党」と描くことで、政治不信を醸成していく手口です。これが日本国中に蔓延していた!北海道の「政党支持なし層」という「政党」が登録されて10万もの「支持」を得たという事実などに観るように、それは、この間の選挙で明らかになっていたことです。結果は観てのとおりです。

6.そのような政局報道が展開されていたからこそ、まさに、剣道の「後の先」のたたかいを展開すべきでした。安倍政権と、その亜流政権、民主党を含めた破綻した二大政党政治派との決定的な違いを浮き彫りにする選挙をやることでした。これは細川非自民・反共政権、鳩山民主政権と、自公政権の、共産党排除の戦略をきちんと読み取れば、また二度の政権交代を経験した日本国民の政治に対する本来の期待を収斂させていくという展望と方針が構築されていたのなら、今度こそ、政権選択選挙とすべきでした。

7.少なくとも、政権可能な二大政党政治、小選挙区制度ということを言うのであれば、政権選択選挙でなければなりませんでした。しかし、安倍自公は政権公約を打ち出しちているのに、民主は早々と退場。共産党も沖縄の3つ以外の選挙区に立候補していながら、比例票マシンとして小選挙区を位置付ける選挙戦でした。戦略ミスは明らかでした。このことは、国民の声にもしめされていました。

8.そもそも、国民が求めるのは安倍政権を何とかしてほしいという声でした。暮らしを何とかしてほしい!これは各種世論調査に浮き彫りでした。内閣支持率が高くとも、この傾向は同じでした。ここに内閣打倒の大きな根拠がありました。しかし、共産党は暴走ストップと内閣打倒の関係を曖昧にしました。房総ストップに力点を置いた選挙戦を行いました。ここに、「共産党は政権を取る気があるのか」「共産党に政権を取ってほしい」「何で安倍内閣に対抗する議席獲得のために妨害するのか」などの声が寄せられる必然性がありました。

9.沖縄方式を全国各地で実践することを、もっと早くからすべきでした。安倍首相に仕掛けられる前に、このことをやっておくべきでした。しかし、共産党が主張していたのは、「国会内における政党状況」に「固執」しすぎました。圧倒的多数の、しかも民主党政権を誕生させた民衆パワーを引き出すことは想定されていませんでした。この無党派層の「政治不信」を変革のエネルギーに転化・転換する方針を持っていませんでした。内閣打倒を掲げたのは7月でした。それが総選挙をかちとる運動とリンクさせていたかどうか、です。

10.「一点共闘」論に固執しすぎました。それは「一点共闘」論は安倍政権に対峙する戦術であるならば、これを選挙戦の基盤づくりに発展転換すべきでした。沖縄のように。それが憲法を活かす政権づくりの政権基盤と位置付けられるべきだったのです。憲法を活かす国民連合戦線です。これが国会内における力関係を大きく刺激し変えていくものであることは、沖縄のたたかいが示していました。

11.発表された選挙政策も「対決」は強調していますが、政権を取ったら、これを実現するという政権公約ではありませんでした。あくまで「提案」でした。この「提案」を共産党の躍進で、必ず実現します」というものとしては訴えが弱かったのではないでしょうか?政権交代選挙のレベルから見れば、大きく後退した発想であったと言えます。有権者が求めているのは、実際に政治を、暮らしを変えてほしいという強い要求です。

12.消費税は中止します。政党助成金は廃止します。北東アジア平和構想を実現します。沖縄の辺野古基地建設は中止し普天間基地は撤去させます。原発再稼働はしません!ゼロに向けて政治をすすめます。などなど、共産党が言うことは、安倍首相が言うのと噛み合わせて、どっちがやる方が良いのか、比べっこ競争やるべきだった、ということではなかったのか、です。「提案」は、安倍政権に、「提案」するもので、やるかやらないか、それは安倍政権頼みなのです。そうではなく、共産党が政権を握ったら、あるは国会で多数を獲得したら、「提案」を実行させます!ということではなかったのか、です。これこそが政権公約なのです。しかし、政権公約として発表していませんでした。しかし、

13、政権公約として打ち出していなかったとしても、以上の打ち出し方があれば、この調査のように、多くの有権者が、しかも投票を忌避した有権者の背中を後押ししたのではないでしょうか?少なくとも、共産党の「商品」=「政策」を圧倒的多数の国民が支持し「購入」したということになったのではないでしょうか。しかも、この要求・政策を実現するためには、国民の運動はどうあるべきか!大いに議論が巻き起こり、選挙権が行使されたのではないでしょうか。

14.再度強調しておきます。今回の共産党が獲得した票は、史上最高の峰を築いた以下の前後のことを教訓にしなければ、同じことが起こるということです。この最大の教訓は何か!「自力不足」一般の問題ではなく、政権選択・政権交代・政権構想・政権公約を、国民とともに練り上げていくかどうか、という問題です。「自力不足」問題は、車の両輪なのです。

15.共産党にとって最大の味方は国民です。国民の要求を根こそぎ拾い上げ、それを高く掲げて戦う。これこそが多数者革命の実践です。国民が主人公思想の実践と言えます。これを広げていくツールが赤旗であり、共産党員であり、ネットであり、国民なのです。この選挙戦で、共産党排除の様々な仕掛けに対抗して、獲得票を伸ばした教訓。このことを教えてくれた貴重な選挙だったのではないでしょうか。

       共産党                    第一党                     第二党
参院     比例       選挙区           比例         選挙区        比例                選挙区   
衆院     比例     小選挙区          比例          小選挙区          比例             小選挙区

95参 3,873,955 4,314,830 12,506,322進 11,003,681進 11,096,972自   10,557,547自
96衆 7,268,743 7,096,765 18,205,955自 21,836,091自 15,580,053進   15,812,320進
98参 8,195,078 8,871,702 14,128,719自 17,033,852自 12,209,685民   9,063,940民
00衆 6,719,016 7,352,842 16,943,425自 24,945,804自 15,067,990民 16,811,728民
01参 4,329,210 5,362,958 21,114,706自 22,299,825自     8,990,523民   10,066,552民

09衆 4,943,886 2,978,354 29,844,799民 33,475,334民 18,810,217自   27,301,982自
10参 3,563,557 4,256,400 18,450,140民 22,756,000民 14,071,671自   19,496,083自
12衆 3,689,159 4,700,289 16,624,457自 25,643,309自 12,262,228維   13,598,773民
13参 5,154,055 5,645,937 18,460,404自 22,681,192自   7,568,080公     8,646,371民
14衆 6,062,962 7,040,146 17,658,916自 25,461,454自   9,775,991民 1,1916,835民