中国の「無法」を放置し
東シナ海問題で安倍首相が北京に乗り込まない理由は何か!
領土問題でナショナリズムを扇動して国内政治の失政と破たんを隠ぺいし
政権を温存安泰化させ、憲法改悪を狙う姑息を放置する!
富山新聞 中国ガス田開発/戦略的互恵関係の試金石 2016/10/15
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
中国が東シナ海の日中中間線付近で開発を進めるガス田のうち、新たに2基の掘削施設で生産活動をうかがわせる炎が確認された。中断しているガス田共同開発の交渉再開に向けて日中当局の協議が行われているさなかであり、日本政府が中国の一方的な開発継続に抗議したのは当然である。掘削施設の1基に船舶を察知する小型レーダーが設置されたことも看過できない。
安倍晋三首相と習近平国家主席は9月の首脳会談で、日中防衛当局間の「海空連絡メカニズム」の早期運用開始と、ガス田共同開発の交渉再開の協議を加速することで一致した。これを受けて「高級事務レベル海洋協議」が進められているが、先行きは予断を許さない。ガス田共同開発で合意したの2008年のことで、その原点に返り実行に移せるかどうかは、安倍首相のめざす「戦略的互恵関係」構築の試金石と言える。
東シナ海の日中中間線付近に建造された中国のガス田施設は16基あり、そのうち余剰ガスの燃焼とみられる炎が確認されたのは、今回の2基を加え計12基となった。施設はいずれも中間線の中国側海域にあり、単独のガス田開発と施設上のレーダー設置について、中国側は「中国の管轄海域」として正当化しているが、この海域は排他的経済水域(EEZ)の境界をめぐって日中が対立する「係争海域」であり、中国側の主張は一方的で正当性に欠ける。
共同開発の協議は、10年の中国漁船衝突事件で中断した。中国側は「日本側が交渉再開の雰囲気をつくるべき」と、対話の環境整備を求めてきたが、それは責任の転嫁と言わざるを得ない。
一方、小型レーダーは北側の掘削施設に、監視カメラとともに設置されている。防衛省によると、航空機の接近を探知する対空レーダーとは異なり、船舶などを探知するため巡視船に設置されるタイプのレーダーという。中国は東シナ海上空に設定した防空識別圏を本格的に運用するため、今後、ガス田施設に軍事目的の対空レーダーを設置する可能性もあり、監視を怠ってはならない。(引用ここまで)
富山新聞 東シナ海ガス田開発/現状変更の固定化を危惧 2016/6/8
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
東シナ海の日中中間線付近で中国が一方的に行っているガス田開発工事が、日本政府の中止要請にかかわらず、一段と進行している。これまで確認された16基の掘削施設のうち3基で今年、工事の進展が判明し、外務省は外交ルートを通じて抗議する一方、構造物の写真をホームページで公表した。
防衛省のシンクタンク防衛研究所は、3月に公表した年次報告書で、東シナ海で中国が進めるガス田掘削の海洋プラットホーム建設は「現状変更を行動で固定化させるもので、手法として南シナ海の埋め立てに通じるものがある」と警鐘を鳴らしている。
日中それぞれの排他的経済水域(EEZ)が重なる東シナ海は、境界が未画定で、日本は日中のEEZの中間を境界線とするよう提案している。中国のガス田施設はこの中間線付近の中国側海域に建設されている。中国としては「争いのない中国側の海域の開発」であり、文句を言われる筋合いはないということであろう。
しかし、中国はそもそも日中中間線を認めていない。中間線を境界線とすることに中国が同意するのなら、日本の対応も異なってこようが、境界線が未画定で日本がEEZの権限を放棄していない以上、中間線付近での中国のガス田開発は、日本のEEZの権益侵害と言わざるを得ない。
中間線付近のガス田開発について、日中は2008年に共同開発で合意したが、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件により交渉は中断している。中国は13年から施設建設を急速に拡大し、施設数は16基に上る。このため、自民党の東シナ海資源開発に関する委員会は、共同開発の条約締結交渉の再開を中国に働きかけ、応じない場合は国連海洋法条約に基づき、国際司法機関への申し立てを検討するよう政府に提言している。
外交交渉上の一つの選択肢であろうが、政府の当面の現実的対応としては、中国の一方的な現状変更に対する監視を強化し、その実態を国内外に伝えながら、工事の中止と共同開発合意の履行を粘り強く求めていくほかない。(引用ここまで)
真珠湾で慰霊をするのであれば、南京にも行くべきだし
オバマヒロシマ訪問の成果を強調するのであれば
習近平国家主席・プーチン大統領に
ヒロシマ・ナガサキ訪問を呼びかけるべきだろう!
プーチン大統領には最初から山口だけだった!
富山新聞 オバマ氏広島訪問/歴史の新たな扉が開いた 2016/5/12
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
オバマ大統領が広島訪問を決断した。現職の米大統領にとって、被爆地訪問は、極めて高いハードルといわれてきた。米国には原爆投下を「正しかった」と考える人々が多い。戦争終結を早め、多くの米国人の命を救ったという理由である。
原爆を正当化する米国内の声は、親密さを増す日米関係にあって、いわばノドに刺さったトゲのような存在だ。日本人にとっては腹立たしく、大統領に謝罪を求めるべきとの声もくすぶる。オバマ氏の広島訪問は、そうした胸のもやもやを晴らし、日米の絆をさらに深める契機となろう。
現職大統領の広島訪問は、オバマ氏でなければ実現しなかった。2009年4月のプラハ演説で述べた「核兵器なき世界」の実現という強い思いを、再度訴える場として、広島、長崎に勝る地はないと確信していたに違いない。残り少ない任期をにらみ、政治的な遺産作りをしたいという気持ちもあっただろう。
原爆ドームや原爆死没者慰霊碑などがある広島市の平和記念公園で、米大統領がこうべを垂れ、核廃絶への決意を示す姿は、全世界の人々に強い印象を残すはずである。あえて謝罪を求めずとも、それで十分ではないか。世界の目が注ぐ中で、歴史の新たな扉が開く瞬間を見届け、平和と核なき世界の誓いを新たにしたい。
オバマ氏が広島訪問を決断した背景には、原爆投下に対する米国内世論の変化がある。英国の調査会社によれば、日本への原爆投下は、正しい決定だったとした回答者は46%に上り、間違った決定だったとした29%を上回った。だが、18~29歳では、回答者の45%が、原爆投下の決定は間違いだったと答え、正しい決定だったとした31%を上回った。30~44歳では、36%が間違いだったとし、33%が正しかったと答えている。
若い世代を中心に、原爆投下の決定を支持する意見が圧倒的だった時代とは大きく様変わりしている。日本が声高に謝罪を求めていたら、米国世論は変わらず、オバマ氏の訪問もなかっただろう。日米関係に限らず、未来志向の外交が求められるゆえんである。(引用ここまで)
安倍首相もプーチン大統領も
第一次世界大戦後の領土不拡大の原則を語れないのは何故か!
平和についての布告
http://www.y-history.net/appendix/wh1501-088.html
平和に関する布告 - Wikipedia
ポツダム宣言完全実施をサボっている戦後自民党政権!
戦後米ソは国際法違反の侵略戦争を繰り返してきている!
プーチン大統領はウクライナ・クリミアを併合している!
日本の情報伝達手段のテレビ・新聞は免罪している!
何故か!
日米軍事同盟を容認しているからだ!
日本のスタンスは
米ロ中に対して憲法を掲げた自主独立の外交をすべきだ!
富山新聞 北方領土交渉/「歴史」の壁どう越えるか 2016/5/10
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が、今後の北方領土交渉の進め方で一致した。今までのアプローチとは違う「新たな発想」に基づいて協議するという。具体的な合意内容は明らかにされていないが、難航している北方領土交渉の新たな足がかりとなる。
ただ、領土交渉の新たなアプローチという首脳合意はこれが初めてではなく、2009年に当時の麻生太郎首相とメドベージェフ大統領が「独創的で型にはまらないアプローチ」で合意していた。日本側の経済協力をテコにした交渉もこれまで試みられている。が、現実にはロシアによる北方四島の実効支配が強化されている。
安倍首相は今後、首脳会談で提案した極東地方の振興など8項目の経済協力構想の内容を具体的に検討し、9月に予定されるプーチン大統領との再会談に提示して領土交渉を進展させたい意向であるが、双方が納得できる解決策を得る上で非常な困難を伴うのは、実利的なギブ・アンド・テークでは解決できない歴史認識問題を乗り越えることであろう。
新たな発想のアプローチとは、経済や国際協力など包括的な関係強化を進めながら前進を図ることだという。ロシアは領土と引き換えに日本の経済支援で極東開発を進めるだけなく、対米欧や対中国外交を進める上で日本を取り込んでおきたいであろう。日本も中国の膨張を抑えるため、ロシアの存在を生かしたいところである。日ロそれぞれの国益増大を図る総合的な戦略のなかで領土交渉を進めれば、解決の大義も道筋も得やすくなるかもしれない。
しかし、北方四島は日本固有の領土でロシアが不法占拠しているという日本の主張と、第2次大戦によって正当に獲得したというロシアの主張は交わることがない。国家の主権や尊厳にかかわることだけに、互いに譲歩もできない。その壁を乗り越えて領土交渉をまとめるとなると、歴史認識問題をいわば玉虫色で処理するほかないと思われるが、安倍政権に国民の多くを納得させる外交の知恵はあるのだろうか。(引用ここまで)
富山新聞 ロ外相の領土発言/外交の信義が疑われる 2016/1/28
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
ロシアのラブロフ外相が、日ロ間の平和条約締結は領土問題の解決と「同義ではない」と発言した。北方4島の帰属問題の解決を平和条約締結の大前提とする日本側の立場を否定するものであり、萩生田光一官房副長官が「全く受け入れられない」と反論したのは当然である。
領土問題を解決して平和条約を結ぶという見解は、日本側の一方的な主張ではない。これまでの日ロ首脳会談の積み重ねにより、両国政府が共通認識としてきたことである。外交交渉には、揺さぶりやはったりが付きものであり、ラブロフ氏の発言は、歯舞・色丹の2島返還で決着させたい思惑があるとみられるが、発言内容は歴代政権が築いてきた共通の認識と合意を覆すものであり、外交の信義が疑われることになる。
ラブロフ氏はまた、北方領土は「第2次大戦の結果」として旧ソ連・ロシア領になったとするプーチン政権の主張を繰り返した。大戦勝利に基づく領土というこの発言は、日ロ間に領土問題は存在しないという意味になる。
しかし、国後・択捉も含めた北方4島の帰属問題の存在をロシア側が認め、その解決を図って平和条約の締結をめざすことは、「東京宣言」(1993年)や「イルクーツク声明」(2001年)などに明記されている。首脳会談の合意文書がほごにされるようでは外交は成り立たない。
安倍晋三首相は、停滞する北方領土問題を前進させるため、プーチン大統領の訪日を早期に実現させたい考えで、その前に首相が非公式にロシアを訪問することも検討している。領土問題の解決には首脳同士の信頼と、ある程度の妥協も必要であろうが、交渉に当たって日本側の原則や基本的立場を曖昧にしてはなるまい。
北方4島は、一度も外国の領土になったことのない「日本固有の領土」であり、旧ソ連・ロシアに「不法占拠」されてきたという歴史的事実が、日本側の返還要求の根拠である。「大戦の結果」といったロシア側のゆがんだ歴史認識を受け入れては、返還の根拠を自ら否定することになろう。(引用ここまで)
富山新聞 南シナ海問題/「公共財」の認識欠く中国 2015/11/24
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
オバマ米大統領と会談した安倍晋三首相は、南シナ海で米軍が実施している「航行の自由」作戦への支持を表明する一方、自衛隊の派遣を検討する意向を伝えた。南シナ海における自衛隊の警戒監視活動は、現状では政治・政策判断としても、自衛隊の能力においても現実的とは言えず、安倍首相の発言は人工島造成を進める中国をけん制する意味合いが強いとみられる。
それでも、日米が連携して南シナ海の安定を維持する安全保障政策の選択肢として自衛隊派遣を排除する必要はなく、日米同盟の強さを見せて中国をけん制し続けることは重要である。
南シナ海の大半に領有権が及ぶという中国の主張に国際法上の明確な根拠はない。国際法に基づき航行の自由が保障された「開かれた海洋」は、国際社会の安定と成長に不可欠の「国際公共財」であり、各国が協調して維持するというのが世界の共通認識である。南シナ海は中国にとっても、日本にとっても最重要の海上交通路(シーレーン)である。
しかし、現在の中国は主権と領有権の絶対を主張するばかりで、国際公共財の概念は頭にないようである。フィリピンやベトナムなどとの領有権争いは2国間の問題であるとして国際問題化をするのを嫌い、南シナ海の航行の自由を主張する米国や日本に対しては、「域外国」は口を挟むなという態度を取り続けている。
米軍による「航行の自由」作戦は、軍事的には南シナ海、ひいては西太平洋の覇権争いにも見えるが、国際公共財として南シナ海の安定を図ることが国際社会の強い要請であることを中国に知らしめる上で重要である。
米太平洋軍のハリス司令官は、日本での会見で「南シナ海は公海であり、日本の作戦を歓迎する」と述べ、海上自衛隊による哨戒活動に期待感を示した。南シナ海での日米共同訓練や、フィリピンなどとの連携強化により、海自機による哨戒活動が可能な体制を整えておくことは、国際法を無視した中国の一方的な行動を抑制するために必要であろう。(引用ここまで)
富山新聞 日ロ首脳会談/米欧も注視の仕切り直し 2015/9/30
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が国連本部で会談し、北方領土問題を前進させるため、首脳間の対話継続で一致した。今回の首脳会談でプーチン氏の年内来日が固まらなかったのは、国連総会で米欧とロシアがウクライナ情勢やシリア問題で鋭く対立する状況を考えれば、むしろ当然ともいえよう。
北方領土をめぐるロシアの対応には、政府要人の相次ぐ訪問やインフラ整備で北方4島の実効支配を強め、日本を揺さぶることによって、ウクライナ関係の対ロ経済制裁で足並みをそろえる米欧と日本の間にくさびを打ち込みたい思惑もうかがえる。
しかし、ロシアのクリミア編入は「力による現状変更」であり、日本として決して認めることはできない。プーチン氏の年内来日を確実にしたいため安易に妥協し、「法と正義」の原則を日本自ら曖昧にするようなことになれば、今後の北方領土交渉にかえってマイナスであり、来年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で議長を務める安倍首相の立場を不利にすることにもなりかねない。
日ロ2国間の北方領土交渉は、新冷戦ともいえる国際情勢と決して無関係ではなく、米欧や中国も目を凝らしているだけに、一層複雑で困難になっている。
安倍首相とプーチン氏は2013年4月に「双方が受け入れ可能な解決策の作成」に向け、交渉を進展させることで合意したが、ウクライナ問題を受けた対ロ制裁で交渉は中断していた。今回の首脳会談は、13年合意を再確認することによって、4島の実効支配を強めるロシアの動きにブレーキをかけ、交渉を仕切り直すことに意義があるといえる。
自民党総裁に再選された安倍首相は、今後3年間、「腰を据えて交渉に取り組める素地」が整ったことをプーチン氏に伝え、北方領土問題の解決と平和条約締結に強い意欲を示した。そうした歴史的な外交成果を3年間で得るには、プーチン氏の来日を年内に実現したいところであろうが、功を焦って足元をみられることがあってもなるまい。(引用ここまで)
富山新聞 尖閣国有化3年/「隙のない海保体制」着実に 2015/9/13
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
沖縄県・尖閣諸島が国有化されてから11日で3年が経過した。中国公船の領海侵入は減少傾向にあるが、領海外側の接続水域での航行を頻繁に繰り返しており、警戒監視活動を緩めてはならない。
公船に加えて中国漁船の領海侵入が急増していることも懸念される。これに対して、宮古島や石垣島など沖縄の漁業者は中国公船に威圧されて、出漁を控えている状況である。中国の公船と漁船の一体的な行動が「常態化」し、好漁場の尖閣周辺海域が中国漁船に独占されるような事態になるのを食い止めなければならない。
海上保安庁は、尖閣周辺海域の領海警備や外国漁船の取り締まり強化のため、宮古島海上保安署を海上保安部に格上げし、航空機による24時間監視体制を敷くことにしている。さらに、宮古島に近い伊良部島の長山港に小型巡視船9隻と約200人の人員を配置して中国漁船の領海侵入に対応する方針を打ち出し、それぞれに必要な経費を来年度予算概算要求に盛り込んでいる。海保のいう「隙のない●上保安体制の構築」を着実に進めてもらいたい。
海保によると、中国公船が尖閣周辺の領海に初めて侵入したのは2008年12月で、当時の胡錦濤国家主席と福田康夫首相が共同声明に署名してからわずか半年後のことである。実力で現状を変更しようという従来にない中国公船の動きは、10年の中国漁船衝突事件でより明白になり、12年9月の尖閣国有化を契機に急増した。中国公船の領海侵入は3年間で計131日、接続水域への入域は計729日に上り、常態化している。
尖閣諸島をめぐる中国国内の反日運動は抑制されているが、中国海警局は沿岸部の浙江省温州市に大型基地を建設する計画を立て、尖閣諸島への公船派遣を強化する方針を示している。
海保は石垣港を拠点に領海警備の専従体制を整える計画を進めているが、公船に比べて漁船対策は遅れている。海保の船舶、人員不足は昨年秋の集団サンゴ密漁事件でも明らかであり、中大型の巡視船の増強も急ぐ必要がある。☆●はサンズイに矢の大が母(引用ここまで)
日本は被害国か!加害国の自覚全くナシ!
「いかなる紛争も法の支配を尊重し、
力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべき」と言いながら
憲法9条改悪に執念を燃やすのは何故か!
富山新聞 首相の訪中見送り/受け入れがたい「抗日」 2015/8/25
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
安倍晋三首相が9月初旬に検討していた中国訪問を見送ったのは、総合的な外交判断として妥当であろう。菅義偉官房長官は、最大の課題である安全保障関連法案の参院審議が大詰めを迎えている「国会の状況」を踏まえた判断と説明しているが、軍事色や反日色の濃い「抗日戦争勝利記念」行事に合わせた訪中は、国際社会に誤ったメッセージを送ることになりかねない。
安倍首相が中国の招請に応じる条件として「記念行事が反日でなく融和的になること」を挙げていたのはもっともで、オバマ米大統領ら欧米各国首脳の大半も軍事パレードが行われる記念行事への参加を見送る方向にある。
中国共産党政府は、政権の「正統性」を「抗日戦争勝利」に求めており、歴代指導部は記念日の9月3日に記念式典や行事を開催してきたが、習近平指導部は昨年、同日を公式の「抗日戦争勝利記念日」と定め、戦後70年を機に中国が「戦勝国」として国際秩序づくりを担ってきたと世界にアピールし、歴史問題で日本をけん制する姿勢を強めてきた。
安倍政権に対しては、歴史を修正し、戦後の国際秩序の変更を狙っていると宣伝し、自国の軍事力増強と拡張主義の正当化を図ってきた。抗日戦争勝利記念行事への参加は、そうした習指導部の姿勢を容認するという誤解を国際社会に与える恐れもあろう。
戦後70年に際しての安倍首相談話は「自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去」を反省し、「いかなる紛争も法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべき」という原則の堅持を誓った。そうした日本自身の反省と悔悟の言葉は、見方を変えれば、現在、力で現状変更を迫る中国、ロシアへも向けられる形になっている。
今年5月にロシアが開催した「対独戦勝70周年記念式典」に日米欧の首脳は欠席したが、10年前の記念式典は「追悼と和解」の旗の下に米中、日独など戦勝国と敗戦国の首脳が顔をそろえた。そうした機運が現在、まったく失われたのは極めて残念である。(引用ここまで)
ロシアのウクライナ・クリミア併合は国際違反
富山新聞 北方領土交渉/ロシア化の進行を憂慮 2015/8/16
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
ロシア政府が北方領土の実効支配を強めている。北方領土を含む千島列島(クリール諸島)の新たな発展計画を先ごろ承認したのに続き、12日から択捉島で若者の愛国心を高揚する「全ロシア青年教育フォーラム」を開始し、これに合わせてトルトネフ副首相が同島を訪問した。このところ北方領土の「ロシア化」を急速に進め、返還交渉のハードルを上げるロシア政府の動きは憂慮に堪えない。
トルトネフ副首相の択捉島入りの前には、7月にスクボルツォワ保健相が新設された病院などを視察するため色丹島を訪れている。24日までのフォーラム期間中にメドベージェフ首相の訪問も取りざたされている。恒例化するロシア政府要人の北方領土訪問は、北方四島を「固有の領土」とする日本として受け入れ難く、厳しく抗議しなければならない。
新たなクリール諸島社会・経済発展計画は、2016年~25年の10年間に総額約700億ルーブル(約1350億円)を投じて社会インフラを整備し、人口増加を図る。25年までに人口を13年比で25%増の2万4千人にまで増やす目標を掲げ、計12万3千平方メートルの新住居を建設するほか、国後島の主要病院を改修し、択捉、色丹、国後各島などで学校や幼稚園を8校新設する計画という。
ロシア政府はさらに、北方領土を含む極東地域の遊休地を、移住希望者に1人当たり1ヘクタールも無償分与する制度を年内にも実施する予定という。北方領土に領有権問題は存在しないと言わんばかりの勝手な振る舞いであり、政府は決して看過してはなるまい。
ウクライナをめぐり欧米と対立を深めるプーチン大統領は、領土問題など安全保障の脅威をあおることで求心力を高める姿勢を強めている。青年教育フォーラムはその一環といえ、編入を強行したクリミア半島でも開いている。択捉島での開催は、ウクライナ問題で欧米側に立つ日本を揺さぶる狙いもあるのだろう。北方領土の主権意識をはぐくむ愛国教育で、ロシア国内の返還反対論が一層強まることが懸念される。(引用ここまで)