迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

「偲姿―オモカゲ―」14

2010-02-17 12:08:48 | 戯作
楽屋へ戻ると、琴音さんがやはりマスクをしたまま立っていて、一人一人に「今日はスミマセンでした…」と謝っていました。 もちろんわたしにも謝りましたけど、さっきのようにわたしの目を見ることはありませんでした。 自分のミスとはいえ、役を高島陽也にとられたことを不服に思っていることは明らかでした。 そんななか、杏子さんはやけに上機嫌でしてね、楽屋へ戻るなり、今日のわたしの“活躍”を褒めちぎりだしたん . . . 本文を読む
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