羽越本線の象潟(きさかた)駅から、西へ歩くこと約二十分。
広大な水田地帯に、盛り土のような小山が点在している。
古墳群のやうに見えるが、さにあらず。
秋田県にかほ市の象潟は、その名が示すとおり、かつてこのあたりまで、いくつもの小島が浮かぶ入江だった。
水田のなかの小山は、当時の小島の名残りだ。
江戸時代には松島と並ぶ景勝地とたたえられ、かの松尾芭蕉も、
『きさかたや 西に西施が ねぶの . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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