迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ごゑんきゃうげん12

2017-03-30 04:54:40 | 戯作
相当に古い石の鳥居を出た先が、旧朝妻宿だった。 昔ながらの家並みがそのまま残る― と言うと、木曽路の旧宿場のような、むかしの情緒たっぷりの光景を連想するかもしれない。 しかし旧朝妻宿のそれは、特に改築する必要もないままに時が過ぎ、その結果として当時の家屋が現代に残ったと云うだけの、古臭く寂れた集落にすぎなかった。 “過疎” まず僕の頭に浮かんだ言葉が、それだった。 朝妻八幡宮の社殿が焼 . . . 本文を読む
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