相当に古い石の鳥居を出た先が、旧朝妻宿だった。
昔ながらの家並みがそのまま残る―
と言うと、木曽路の旧宿場のような、むかしの情緒たっぷりの光景を連想するかもしれない。
しかし旧朝妻宿のそれは、特に改築する必要もないままに時が過ぎ、その結果として当時の家屋が現代に残ったと云うだけの、古臭く寂れた集落にすぎなかった。
“過疎”
まず僕の頭に浮かんだ言葉が、それだった。
朝妻八幡宮の社殿が焼 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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