僕は松から少しさがったところに腰を下ろして、スケッチブックをひらいた。
時代(とき)は戦国の世、朝妻氏が守る山城に、一本だけそびえる松―
それを縁側に立って眺める、一人の美しい姫君―
やがて織田信長の軍勢に攻められて炎上する城、そして庭の松の下で、まさに短刀で喉を突こうとしている白装束の姫君―
すべてが焼け落ちて荒涼たる景色のなか、一本だけ、そのままの姿をとどめる松―
それは時が移った現 . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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