迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ごゑんきゃうげん8

2017-03-26 06:44:05 | 戯作
その好奇心に背中を押されるまま、僕が旧朝妻宿に向かったのは九月二十三日―祭礼の一週間前のことだった。 東京から特急列車で西へ西へと約六時間、途中で単線のローカル線に乗り換える。 国鉄時代の遺物にカラフルな塗装を施したポンコツディーゼルカーに揺られること約一時間、最寄りの葛原(かどはら)駅に着いた時、夕焼け空には夜闇が迫っていた。 真新しい駅舎の外には、綺麗に整備されたちょっとした地方都市が広 . . . 本文を読む
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