「書割、ですか?」
僕は再び訊き返した。
書割とは、舞台演劇の背景画をさす。
僕はもちろん、そういうものを手掛けたことはない。
第一、あれは芝居の大道具方の職分で、僕とは畑がちがう。
この老人、いきなり妙なことを言い出したものだ。
「いやぁ、ちょっとそういう方面は……」
僕は首を傾げてみせた。
絵なら全て一緒、などと考えられては困る。
「いや、書割いうても、そんな手の込んだもの . . . 本文を読む
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- 嵐悳江(あらし とくえ)──手猿樂師にして、傳統藝能創造家にして、鐵道愛好家にして、古道探訪者にして、文筆家氣取り。
雅号は「李圜(りかん)」。
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