電車内で目に入った求人廣告の文句。
もう大昔、私がその社會組織との訣別を決めた日、仲良くしてゐた女性にそのことを打ち明けると、え、と驚いてから、
「好きなことを仕事にして、幸せとは限らないからねぇ……」
と、しみじみ云ったことを、かうした時にふと思ひ出す。
仕事には當然、“義務”と“責任”が伴ふ。
そのためには當然、自分を圧殺する必要も生まれてくる。
私はそれが、キライ。
その時點で、“好きなこと”から外れた、“苦痛”に化けてしまふからだ。
ヒトが「初心」を忘れる手始めは、だいたいそこである。
好きなことを好きなことであり續けるために、
私は好きなやうに生きる道を選んだ。
それに伴ふ“苦痛”?
私はそんなもん感じたことはないですな。