迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

あめふりたまふはしんりょなり。

2015-11-07 21:50:58 | 浮世見聞記
大山阿夫利神社社務局の能舞台で、相模国に伝わる民俗芸能がいくつか披露されると云ふので、観に出かける。


少年たちのまとふ王朝装束が目にも鮮やかな倭舞、篠笛の軽快な音色が楽しゐ獅子舞に、歌謡舞踊大会じみた揃ひの衣装が圧巻なささら踊り-


つまらなゐ劇団役者たちのだうでもよゐ寸劇を所々に挟みながら進行するうち、もとより厚く曇っていた空からはポツリポツリと雨が降りだし、神楽が始まると本降りになったため、上演最中にもかかわらず、強行中断。





そも相模国大山は、雨を降らせる神様のおわす山なり。


これは神様が歓喜せられしゆえか、或ひは神様のおわす山を“巨大CLUB”に見立てるなどといふ卑俗な発想に、不快を示されしゆえか。


いづれかわからねど、しばしの中断の後に神楽が再開された時、あれだけ大勢ゐた見物人が半分以下となってゐたは、むしろ余計なものがすっかり洗ひ流されたやうで、これも神慮かと思ふ。





歌舞伎とバレエが融合されたやうな不思議な身振りを見せるその神楽をお終ひまで楽しんで、つづく清元の音色を「こいつァ、もう聴き飽きた」と背中で流し、麓の駅へ下りけり。
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