迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

なみのつづみどうとうち。

2015-11-03 18:35:09 | 現代手猿樂
“伝統芸能デザイナー”の活動として、「猩々」を五分ほどの曲にデザインし、文化ホールのステージイベントのなかで、試演する。

試演なので装束は用ひず、黒紋付に袴の、いわゆる“素”の形式を採り、扇は祖母の形見を用ひる。


私の場合、型をあれこれ考えるよりも、あるとき頭にパッと閃いたものをすぐに書き留め、後で整理することのはうが多い。

今度の「猩々」も、だいたいそんな感じで出来上がったものだ。


もっとも、出来上がったと云ってもそれは稽古段階における話し。

いざ本番の舞台にのせると、その場の急な思ひ付きで型を変へたり、結果として初めとはだいぶ違った作品になったりする。


それがすなはち、創造のたのしみ。


なぜならば、舞台は生きているからだ。


だから、あるときには怖ひ思ひもする。


その怖さがあるからこそ、また挑戦しやうといふ気になる。



さて、つぎはどんな趣向でいきますかな。
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