水道橋の能楽堂で、宝生流の「融」を観る。
左大臣源融が心を寄せた陸奥国千賀浦の風景も、今は昔のものがたり。
籬島はあの日のままに見ゆれども、
汐汲む翁の涙はとどまらず、
やがて涸れ池を満面に浸したまふ。
おりからのぼる満月に、
左大臣(おとゞ)の衣は白く映え、
錦糸に彩られし鳳凰は、
金色に翼を翻し、
月の都へ入りたまふ。
ふと目覚めてあたりを見れば、
朽ちし屋敷の枯れたる庭に、
異国の船が浦を行く。
しかし籬島はあの日のまま。
籬島は、
あの日のまま。
夢なりとも現なりとも、
出逢ひたまふはこれすなはち、
ご縁のなせる力なり。
左大臣源融が心を寄せた陸奥国千賀浦の風景も、今は昔のものがたり。
籬島はあの日のままに見ゆれども、
汐汲む翁の涙はとどまらず、
やがて涸れ池を満面に浸したまふ。
おりからのぼる満月に、
左大臣(おとゞ)の衣は白く映え、
錦糸に彩られし鳳凰は、
金色に翼を翻し、
月の都へ入りたまふ。
ふと目覚めてあたりを見れば、
朽ちし屋敷の枯れたる庭に、
異国の船が浦を行く。
しかし籬島はあの日のまま。
籬島は、
あの日のまま。
夢なりとも現なりとも、
出逢ひたまふはこれすなはち、
ご縁のなせる力なり。