二回目のワクチン接種を受ける。
すでに二回目を接種した周囲の人のなかには、39℃まで熱が出たと云ふ者、接種いらい体調がすぐれず仕事を早退したと云ふ者、関節が痛みだしたと云ふ者──
かうなるとだうしても心配になり、今の体調でゐらるのも今が最後かもしれない、と悲壮にも似た覺悟で城を出る。
ところが會場で問診にあたった年配の男性醫師は、
「ビクビクしないで、来るなら来い! と、ドンと構へてゐれば大丈夫ですよ」
と、笑ひながら励ましてくれた。
自身は六月中に二回目の接種を済ませ、醫師としての氣持ちからどんな“副反應”が起きるのか身を以て確かめてやらう、と待ち構へてゐたが、何も起きなくて却ってガッカリしたと云ふ。
「病は氣から」──
これ治癒の基本。
“言葉療法”とでも云ふのか、すっかり氣持ちは輕くなり、接種の醫師は若い綺麗な女性でさらに明るい氣分になると云ふオトコの哀しさそのままに、痛みらしい痛みもなく無事に二回目を済ませる。
そのまま街でごく短時間だけ資料漁りをして必要なものだけを入手し、電車がまだ充分に空ひてゐる時間帯にさっと帰城す。
この見聞記をしたためてゐる時點で接種から八時間以上が経過してゐるが、接種部位に一回目と同じ痛みを輕く感じるほか、いまのところ異常はない。
今日に全國で確認された感染者數は、1,8889人云々。
實際には貳萬人を超えてゐると見て間違ひはないだらう。
東京都の4,989人は、すでに5000人と見るべし。
1,887人確認と、神奈川縣(1,807人)や大阪府(1,654人)を超えてゐる德島縣では、二年ぶりに阿波踊りの開催を決定したが、参加を迷ってゐる人が多い云々。
當り前すぎる噺だ。
もっとも、時世を考へれば答へなど一つしかない。
なにも今ここで、本當の「踊るアホウ」になる必要はないだらう。