世田谷ボロ市に出かける。

昨日の日曜日では大混雑だらうと、平日の今日に出かけたその目論見は大成功にて、やはり昨日は「身動きがとれないほど」云々。
いくらか歩きやすい市をのんびり巡ってゐうち、今までより見世の數が減ってゐるやうに感じる。

ある見世で、ラジオ局の取材を受けてゐた高齢の主人が、参加は今回限りで引退だと話してゐた。
「まだまだ續けたい氣持ちはあるけれど、八十を超えて体がしんどくてね……」
かういふ厳しい現實の折り重なりが、今日に私が感じた空氣となったのだらう。
甘酒で休憩しながら今回の掘り出し物にニンマリする一方で、

浮世の寒風を思ふ。