近ごろ鐵道運行情報で氣になるのが、「走行中に線路の“異音”を感知云々」により、列車が遅延する事例が頻發してゐることだ。
原因などは一切公表されないので實際の状況は分からないが、線路の異音と聞いてまず思い浮かぶのは、“置石”である。
忘年忘月、まだまだ線路の異音が珍しかった頃、JR忘線に乗ってゐたらいきなりガリともゴリもつかぬ異常な大きい音がしたので、運転手が列車を緊急停車させてすぐに線路へ降りて様子を確かめに行ったことがあった。
あれはたぶん、石だったと思ふ。
線路にそんなものを置くのはニンゲンばかりか、カラスもイタズラでやる云々。
しかしそんな頻繁に發生するものなのかと、ひとり首を傾げてゐたら、十月にはいすみ鐵道で脱線事故が發生して今だ復旧せず、先月には函館本線において「線路の腐蝕による破斷が原因」で脱線、今月には鹿児島本線において貨物列車の脱線事故を起こして旅客列車が運休云々。
……どうも、今まで當り前だったはずのことが、根幹から搖らいでゐると感じられてならない。