甲州は山中湖村にて、盛りは過ぎたれど湖畔の紅葉を見る。
木々を彩りしくれないの葉は、とうに湖畔を彩る敷物となりけるが、その上に立ちて眺むる霊峰に、しばし時を忘るる。
足許を見ゆれば、白鳥が鴛鴦と静かに湖面を滑り、
観光客慣れせし数多の鯉は、いっせいにこちらへ口を開け、その間の抜けし顔を水面よりのぞかせり。
人影まばらなる湖畔の晩秋。
白鳥を模せし遊覧船を向かふに眺めつつ、国土安穏の尊さをしみじみ思ふ。
木々を彩りしくれないの葉は、とうに湖畔を彩る敷物となりけるが、その上に立ちて眺むる霊峰に、しばし時を忘るる。
足許を見ゆれば、白鳥が鴛鴦と静かに湖面を滑り、
観光客慣れせし数多の鯉は、いっせいにこちらへ口を開け、その間の抜けし顔を水面よりのぞかせり。
人影まばらなる湖畔の晩秋。
白鳥を模せし遊覧船を向かふに眺めつつ、国土安穏の尊さをしみじみ思ふ。