迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

才華連枝。

2023-08-08 20:30:00 | 浮世見聞記


川崎浮世繪ギャラリーの「国芳×芳幾×芳年」展を、前期後期通して觀る。

歌川國芳の人柄に惚れて集った門人を約百名も擁したと云ふ大所帯一門から出た一人が、“月百姿”などの名連作で私もたびたび樂しんでゐる月岡芳年であり、その芳年の流れからは、先月に太田記念美術館で作品を樂しんだ佛人ポール・ジャグレーが出る。

一人の才人から次の才人が生まれ、そこからまた新たな才能が芽生えて、連枝繁榮を築いていく──

良いものには良いものが寄り集ひ、さらにまた良いものが、後世に名實を殘し傅へる。


なかには消息不詳者もゐたやうだが、それでも作品と云ふ存在証明を殘し、それをかうした機會に後世の我々が目にすることで、その人の魂も昇華する。 

作品は、なによりも人の目に触れることに、意義(いのち)があるのだ。










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