「おや」
「あら」
「お久しぶり
お久しぶり」
「どちらまで行かれますの?」
「この切符が使える駅まで」
「ふふ。変わっていませんのね」
「わたしは変わるつもりなんてないさ。それであなたは?」
「“あの町”まで」
「ほう。またどういう風の吹き回しで?」
「そうねえ…。時が解決してくれたから、かしら?」
「なるほど。あれから…」
「七年、ですわ」
「そうだ、七年だ。あなたにとっては、長い時間だったろうな」
「そうね。決して短い時間ではありませんでしたわ。その間、色々な事がありましたもの…」
「あれらの出来事が、時効にしてくれたのかもしれないよ」
「まあ、時効だなんて…。いまはそんなもの、廃止になりましたのよ。ご存知なくて?」
「知っているさ。でも…」
「時効だなんて、そんなものわたくしの中にはありませんわ」
「……」
「わたくしの心は、法律なんかで縛れやしないのよ」
「まあ、その話しは止めにしようか」
「そうね。その方がいいわ。お互いのためにも」
「破滅はごめんだからな。それで“あの町”へ、何をしに行くつもりだい?」
「ふふふ。当ててご覧なさい」
「だいたい想像はつくがね…」
「でしょ?あの町には、思い出がありすぎますものねぇ。あなたも、わたくしも…」
「あら」
「お久しぶり
お久しぶり」
「どちらまで行かれますの?」
「この切符が使える駅まで」
「ふふ。変わっていませんのね」
「わたしは変わるつもりなんてないさ。それであなたは?」
「“あの町”まで」
「ほう。またどういう風の吹き回しで?」
「そうねえ…。時が解決してくれたから、かしら?」
「なるほど。あれから…」
「七年、ですわ」
「そうだ、七年だ。あなたにとっては、長い時間だったろうな」
「そうね。決して短い時間ではありませんでしたわ。その間、色々な事がありましたもの…」
「あれらの出来事が、時効にしてくれたのかもしれないよ」
「まあ、時効だなんて…。いまはそんなもの、廃止になりましたのよ。ご存知なくて?」
「知っているさ。でも…」
「時効だなんて、そんなものわたくしの中にはありませんわ」
「……」
「わたくしの心は、法律なんかで縛れやしないのよ」
「まあ、その話しは止めにしようか」
「そうね。その方がいいわ。お互いのためにも」
「破滅はごめんだからな。それで“あの町”へ、何をしに行くつもりだい?」
「ふふふ。当ててご覧なさい」
「だいたい想像はつくがね…」
「でしょ?あの町には、思い出がありすぎますものねぇ。あなたも、わたくしも…」